ドラッカーは一見難しいと言われます。しかしその思想の根底を紐解いていくと、驚くほどマネジメントの理解が深まり、実践のポイントが明確になります。今日はそのポイントについてお話をさせて頂きます。

ドラッカーは言います。「マネジメントとは人のことである。」私は、これをマネジメントとは「人の尊厳」の事であると意訳させて頂くのですが、ドラッカーが生きた時代、1909年から2005年は一体どのような時代だったでしょうか。

2度の世界大戦、ホロコースト、人類初の核兵器の使用等、戦争によって多くの人権が踏みにじられ人が殺される、人が「人」として生かされない時代でした。ドラッカーはユダヤ系をルーツに持つオーストリア人でした。祖国オーストリアは第一次世界大戦によって消滅しドラッカーは非常に落胆しました。

ドラッカーはドイツに渡り、ナチスが国政を握る前に、その危険性を訴え、ナチスの訴追を恐れ、英国に行き最終的には自由の国アメリカに渡ります。その後、マネジメントを発明することになるのです。ドラッカーは非常に真面目な人だったと言います。「リーダーにとって最重要な条件は、人間として真摯であること。」といった言葉からも、ドラッカーの真面目さがわかります。

就いた職業は、商社マン・経済アナリスト・新聞記者・大学教授等。自由の国・アメリカで生活するドラッカーは、自分のルーツであるユダヤ人がナチスのホロコーストで大虐殺されるのを毎日見ていました。ホロコーストでは300万人のユダヤ人が犠牲となりました。

想像してみてください。真摯なドラッカーはどのような気持ちで、日々を過ごしていたでしょうか。おそらくいたたまれない気持ちで悶々として、苦悩していたのではないでしょうか。しかしドラッカーは軍人ではありません、先頭にたってナチスと戦うことはできません。

そこで、ドラッカーは考えました、なぜホロコーストが起きるのだろう。それはカリスマリーダーという胡散臭い独裁者が現れるからだ。(ドラッカーはカリスマリーダーを嫌います。それはヒトラーや毛沢東、ムッソリーニといったカリスマリーダーによって多くの人が不幸になった史実を知っているからです。)

ではなぜ独裁者があらわれるのだろう、それは戦争が起きるからだ。ではなぜ、戦争は起きるのだろう。それは経済が破綻して、社会が不安になるからだ。ではなぜ経済はどういった時に破綻するのだろう。それは、企業がうまくいかなかった時だ。そうだ!企業をうまくいかせれば、経済の破綻を防ぎ、社会は安定し、独裁者は現れず、戦争・大虐殺が再発することを防ぐことができる。

そして、ドラッカーが記したのがマネジメントなのです。実は、マネジメントを通じて、ドラッカーはペンの力で戦争と戦っているのです。もう二度と、人権が踏みにじられる社会を人類が経験しないようにとドラッカーの心からの想いが、「マネジメントは人の尊厳ことである」という言葉に込められているのです。

そしてドラッカーは経営リーダーを、「自由で機能する社会を守る現代社会の真のリーダー」だと考えているのです。ドラッカーマネジメントは単なるハウツー本ではなく、現在リーダーにとっての真の志の書なのです。マネジメントはたった一言で言うならば、「リーダーは働く人を活かしなさい。

それがリーダーの最大の正当性です。そして、あなたがリーダーである最大の意義はそこにある。」と言っているのです。ドラッカーがマネジメントに込めた真摯な想いを知った時、私は、思わず涙があふれて胸が一杯になりました。ドラッカーの本質を「感動」を通じて、日本中の経営者リーダー様にお伝えさせて頂き、組織に卓越した成果を上げて頂きますことが、私のコンサルタントとしての心からの願いです。

動画 【ドラッカーのマネジメントの本質とは何か?】

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リーダーシップとは権力ではない。働く人を活かし、成果を上げる「責任」である。経営の中心は『人間の尊厳』にあるべきだと亡きドラッカーは訴えた。現代リーダーのための現場で実践できる『人間中心の経営』『立志の指南書』

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