「戦略を立てる時には、まず何からはじめたらいいのでしょうか?」―コンサルティングの中での、経営者の方のご質問です。
ドラッカーは言います。
「経営者は事業を考察して、明確に定義する必要がある。」
「事業を定義せずに行っている経営は運を天にまかせることになる。」
経営者は自社の事業が何屋であるのか、定義する必要があります。
この記事でまとめたこと
事業を定義する。
例えば、眼鏡屋さんを経営しているとします。
眼鏡をファッションとしてとらえるのか、それとも医療機器として捉えるかでは、その後の事業戦略は全く違うものになってしまいます。
眼鏡をファッションとして売りに出すのであれば、トレンドに合ったものに季節ごとに商品を入れ替えたり、店舗の立地でもファッションに敏感な人のいる場所になります。
広告媒体もファッション雑誌になるかもしれません。そして様々なシーンに合わせ、眼鏡を一人2本、3本持ってもらうような提案もできます。
これに対して、医療機器として定義します。
すると眼科の大学教授など医学的な権威のある人とコラボレーションしたり、近視がはじまったばかりの子供の目を守るような眼鏡の使用方法をセット提案することで、顧客への価値を高める事ができます。売り場も必ずしも、繁華街である必要はありません。
このように、自社の事業は何屋であるのかということを定義すると、その後の打ち手が明確になります。
そのため、顧客により効果的なマーケティング戦略を打つことが可能になるのです。
事業を定義する時の出発点は、顧客。
「事業を定義する際の出発点は顧客である。」とドラッカーは言います。
事業を定義するプロセス
以下のような手順で事業を定義することができます。
【1】自社にとって一番貢献したい理想の顧客を定義する。
※自社製品・サービスを心から喜んでくれ、企業としても愛すべきお客様。
【2】そのお客様からみて、自社は何屋さんであるのが適切か、事業を定義する。
先ほどの事例では
眼鏡を医療機器と考えた場合
【1】自社の理想の顧客は
→眼鏡を医療機器として考え、目の健康を保っていきたい、これ以上近視が悪化したくないお客様(成長期の子供、老眼の開始の頃のシニア)
【2】理想の顧客から見て何であるべきか→自社はお客様の目の健康お守り屋さん。
→そこから導き出される戦略は、安全、健康を第一の売りにした眼科医師お墨付きの商品や、目の健康セミナー開催・・
このように顧客、事業を明確に定義することで、市場において明確な戦略を立てることができます。
現在は、ものあまりの時代です。なんでもそこそこできます・・ではお客様に魅力感じて頂けない時代です。
事業を定義して、その定義に沿う戦略に集中して下さい。
事業は、定義し続ける必要がある。
また事業の定義は一回行えばいいというものではありません。市場・顧客は絶えず変化します。すくなくとも半年に一度は自社の事業はこのままでいいのか、顧客を定義し、自社を定義してみて下さい。
ドラッカーは言います。
「事業がうまく行かなくなるのは。経営がうまくいかないからではない。それは事業の前提とした顧客・市場の状況が以前とは変わってしまったからである。経営者は事業を定義しなくてはならない。」
動画
■参考にしたい事業の定義に関する名言
「われわれの事業は何か。何であるべきか。この問いに答えることこそ、トップマネジメントの第一の責任である。」
── ピーター・ドラッカー『現代の経営』
「事業とは何かを知るには、顧客からスタートしなければならない。顧客だけが事業が何かを決める。」
── ピーター・ドラッカー『現代の経営』
「顧客が価値ありとし、購入するものは、製品そのものではない。それが提供する効用である。」
── ピーター・ドラッカー『マネジメント』
「彼を知り己を知れば、百戦して殆うからず。」
── 孫武『孫子』謀攻篇
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ブログ執筆者:ドラッカー専門の経営コンサルタント 村瀬弘介
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