前回はドラッカーの経営の基本である「働く人の強みを活かす」ということについてお話ししました。

ドラッカーが訴えた「経営の中心に人を置く・人間中心の経営」においては、リーダーシップとは人を支配する権力ではなく、人を‘活かす’責任である、ということでした。

ドラッカーはリーダーのいちばん大切な資質として「真摯さ」(integrity)ということを述べています。

マーケティングとは何か?

今回はマーケティングという、お客様・市場に関することを解説します。

マーケティングとは、お客様にいかに貢献し、市場からみた自社の価値を上げていくかということ。

講義では、顧客志向を組織にどう宿していけばいいのか、ということについてお話しします。

ドラッカーは、経営で最重要な事はマーケティングであると言います。

マーケティングは、会社の中からではなく、市場の中から事業を厳しく見る、ということです。

会社にとっていちばん大切なお客様がいるのは市場であり、会議室や社長室(社内)からはお客様の実情は見えません。

会社側とお客様側の視点は、全く反対です。社長は全ての従業員の視点を顧客視点に変える必要があります。

企業視点では、お客様の見る商品・サービスの長所・短所が全く見えないのです。

ドラッカーは常に「市場を起点とせよ」と言います。マーケティングとは、全社員が市場から見た自社の価値を、いかに捉え、改善し、向上できるかということです。

経営者に注目してもらいたいのは、売上・利益を上げる前提として、お客様への提供価値をどう上げていくかということです。

多くの企業が自社の商品サービスにはとても関心を持っています、ところがお客様に関心を持っている企業はあまりにも少ないのです。

マーケティングにおいては、自社視点はいっさい捨てるべきです。

ドラッカーは言います、「マーケティングの目的は、顧客の視点になりきって、市場・顧客理解することある」

「マーケティングが機能すれば、企業目線での売り込みは不要となる」と。

どのようにマーケティング力を高めていけばいいのか?

では、自社がどのようにしてマーケティングを高めていくかという話に移りましょう。

これからの市場で、生き残るのは高いマーケティング力を持つ企業のみです。

お客様に密着し、お客様の情報を握った企業ほど、ビジネスを有利に展開することができます。

組織のマーケティングを高めるには、顧客との接点を高めることです。

マーケティングを理解するのは一日でできますが、実践するには一生かかります。

経営者は、まず、市場の性質と組織内部の性質の違いを理解する必要があります。

市場は変化を常とし、変化してやみません。しかし組織は放っておくと内部志向に陥っていきます。

そのため、社長の役割は「混乱する市場と顧客に合わせて、社内に混乱を巻き起こし組織を外部志向に変え続ける」ことなのです。

では、どうしたら全社員を顧客志向の社員にできるか。

マーケティングを簡単に言えば、それは「視点」を顧客に置く事です。

「経営者の立ち位置(視点)は週に5日はお客様の側」である必要があります。

つまり「自ら、市場・現場に出てお客様に会う」ということです。

また直接、お客様に、自社の事業の長所・短所を聴くということです。

ドラッカーは「どんなにバカだと思われても、お客様に直接聴いて、事業改善のヒントにしなさい」と言います。

変化を機会とせよ【ドラッカー名言】

最後にドラッカーの「変化をとらえて機会とせよ」という言葉をお伝えしたいと思います。

今までなかったお客様の声や、予期せぬ成功があったら、そこに事業機会が隠れているのです。

そのような事態が生じたときは必ず、現場から社長に情報が上がるようにしてください。

予期せぬ成功には、新商品・サービスのヒントが埋まっているのです。

■参考にしたいマーケティングに関する名言

「マーケティングの理想は、販売を不要にすることである。マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることである。」
── ピーター・ドラッカー『マネジメント』

「企業の目的は、顧客の創造である。したがって企業は、二つの、そして二つだけの基本的な機能を持つ。それがマーケティングとイノベーションである。」
── ピーター・ドラッカー『現代の経営』

「われわれの事業は何かを問うとき、ほとんどの経営者は製品やサービスの側から答える。だが、正しい答えは顧客の側からしか得られない。」
── ピーター・ドラッカー『現代の経営』

「変化はコントロールできない。できるのは、その先頭に立つことだけである。」
── ピーター・ドラッカー『明日を支配するもの』

なぜ、今の管理職研修だけでは組織は変わらないのか

ここまでお伝えしてきた考え方や実践法は、確かに組織を変える力を持っています。ただ、正直に申し上げると、個人の工夫や一度きりの研修だけでは長続きしないことも多いのです。担当者が代われば元に戻り、忙しくなればまた元のやり方に引き戻される。そんな会社を、私は数多く見てきました。

変化の遅い時代は、決められたことを回す「管理する管理職」でよかった。しかし今、求められているのは、経営者と視点を合わせ、一丸となって組織に変化を生み出すチェンジリーダーです。生産性、部下育成、理念の浸透——管理職が抱える課題の根本を解くヒントは、すべてドラッカーにあります。だからこそ、普通の管理職研修ではなく、ドラッカーを学ぶ研修が必要なのです。

難解なドラッカー理論を、中小企業がすぐ実践できる「仕組み」に

とはいえ、ドラッカーは難解です。言葉を抽象的に学ぶだけの研修やセミナーは「難しいだけ」で終わり、中小企業の現場では使えないことがほとんどです。

そこで村瀬弘介は、ドラッカーの理論を、中小企業がそのまま実践できる形に体系化しました。それが「村瀬式・ドラッカー7つの原則」です。導入企業は257社以上、土台となる書籍(産業能率大学出版部)は7刷のロングセラーになっています。

「分かる」だけでなく「腹落ちする」研修

知識を詰め込むだけの研修とは違います。受講した社長・管理職の方が、その場で自社の課題に置き換え、「明日、これをやろう」と動き出す。情熱と感動を伴い、心から腹落ちする——それが村瀬式の研修です。これまでの受講実績は1,520名以上。「社長の魂に火がつく」と言っていただくことも少なくありません。

管理職が育てば、組織そのものが変わっていく

一人の管理職が変われば、チームが変わります。チームが変われば、次世代の幹部が育ちます。そして組織全体が、自ら成果を生み出す集団へと変わっていく。管理職研修・社員教育は、その変化の連鎖の起点です。


ドラッカー7つの原則研修

ドラッカーの原理原則を組織に導入し、成果に集中する強い組織をつくる。それが、村瀬式・ドラッカーの管理職研修です。対象は経営者・経営幹部・上級管理職・マネージャー。社長の判断軸づくり、経営チームの育成、管理職のリーダーシップ向上を、コンサルティングと研修を組み合わせて実現します。

貴社の管理職研修・人材育成の課題に合わせたご相談も承っております。まずはお気軽にお問い合わせください。研修の詳細はこちらのページをご覧ください。

ブログ執筆者:ドラッカー専門の経営コンサルタント 村瀬弘介

中小企業向けに、難解なドラッカー理論を「そのまま実践できる仕組み」へと体系化した「村瀬式・ドラッカー 人を活かす経営7つの原則」を提唱。導入企業257社以上、受講者1,520名以上。全国の商工会議所・経営者団体などでのセミナー講師、上場企業・中堅企業での研修講師を年間200日以上務める。著書『ドラッカーが教えてくれる 人を活かす経営7つの原則』(産業能率大学出版部)は7刷を重ねるロングセラー。「情熱的でドラッカー愛に溢れる講義は、まるでドラッカーのイタコだ」と支持する経営者が後を絶たない。

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