ドラッカーは言います。
「マーケティングこそ経営の第一目標である。
そしてマーケティングとは未来に対する取り組みである。」
(ドラッカー・マネジメント・現代の経営)
■マーケティングは未来に対する取り組みである、できるだけ小さくテストする。
マーケティングとはすべて未来に対する取り組みです。
新商品・新サービスがヒットするかどうかは、誰にもわかりません。
すべてのマーケティングはテストなのです。
マーケティングプランの成否は市場のみが知っています。
そのため、マーケティングでは、新商品・サービスをいきなり全社で量産することをしてはいけません。
いきなり量産して、市場に受け入れられず、在庫の山のようになっては大変です。
市場に小さくテストしながら、いけるとわかった時に量産に移るべきなのです。
ドラッカーセミナーでは、マーケティング戦略を実施する時の注意点について解説しています。
この記事でまとめたこと
■現場のアクションプラン
【1】新しい商品は、まず小さく試してから広げる
いきなり全社をあげて量産するのではなく、一つの地域、一つの店舗、限られたお客様から始める。反応を確かめてから広げれば、大きな在庫を抱える心配も、取り返しのつかない失敗も避けられます。
【2】売れなかった理由を、市場に素直に聞く
思ったように売れないとき、社内で理由を推測するのではなく、お客様の声や実際の売れ行きという事実に当たる。マーケティングの答えは、いつも机の上ではなく市場の側にあります。
【3】うまくいったテストだけに、資源を集める
小さく試したなかで手応えのあったものに、人と時間とお金を集中させる。あれもこれもと手を広げず、市場が「いける」と教えてくれたものに絞ることが、限られた力を成果に変えるコツです。
■成果につながる方法とそうでない方法
| 成果につながる方法 | 成果につながらない方法 |
|---|---|
| 小さくテストしてから広げる | いきなり全社で量産する |
| 市場の反応を事実で確かめる | 社内の思い込みで判断する |
| お客様の未来の変化を見て考える | 今の売れ筋だけを見て考える |
| 手応えのあるものに資源を集める | あれもこれもと広く薄く手を出す |
| 失敗を小さくして学びに変える | 一度の大勝負に会社を賭ける |
■経営者へのメッセージ
マーケティングというと、派手な広告や大がかりな販売計画を思い浮かべる方が多いかもしれません。けれどドラッカーが言うマーケティングの本質は、もっと静かなものです。それは「これからお客様が何を求めるようになるか」を見つめ、それに自社を合わせていく取り組みのことなのです。
未来のことは、社長にも、コンサルタントにも、正確にはわかりません。だからこそ、大きく賭けるのではなく、小さく試すことが大切になります。市場だけが答えを知っている。その謙虚さを持てるかどうかが、堅実に伸びる会社と、一度の失敗で傾く会社を分けていきます。
新しいことに踏み出すのは、いつも不安が伴うものです。けれど小さく試すという方法を身につければ、その不安はずいぶん軽くなります。失敗しても小さくてすむ。うまくいけば、確かな手応えを持って広げられる。
焦らず、まず一つ、小さな試みから始めてみてください。市場と対話しながら進むその姿勢こそ、会社を長く生き残らせる土台になります。
■参考にしたいマーケティングに関する名言
「マーケティングの理想は、販売を不要にすることである。」
── ピーター・ドラッカー『マネジメント』
「われわれの事業は何かを知るためには、顧客からスタートしなければならない。」
── ピーター・ドラッカー『現代の経営』
「顧客が価値ありとし、購入するものは、単なる製品ではない。それがもたらす満足である。」
── ピーター・ドラッカー『創造する経営者』
「お客様に喜ばれること、それが商売のいちばんの土台である。」
── 松下幸之助
■クライアントの実践事例
そこで私がお願いしたのは、「これからは、まず一つの店舗だけで一か月試してから、広げるかどうかを決めましょう」ということでした。社長さんは最初、「そんな悠長なことをしていたら機会を逃す」と気が進まないご様子でした。
それでも一度、新商品を一店舗だけで静かに置いてみたのです。すると、社長さんが自信を持っていた商品が意外に動かず、逆に軽い気持ちで並べた別の商品にお客様が集まりました。もしいつものように全店で量産していたら、と思うと、社長さんは胸をなでおろしていました。
いまK社では、新商品はまず小さく試すのが当たり前になりました。大きな失敗が消え、当たった商品にきちんと力を注げるようになったと、社長さんは穏やかに話してくださいます。
なぜ、今の管理職研修だけでは組織は変わらないのか
ここまでお伝えしてきた考え方や実践法は、確かに組織を変える力を持っています。ただ、正直に申し上げると、個人の工夫や一度きりの研修だけでは長続きしないことも多いのです。担当者が代われば元に戻り、忙しくなればまた元のやり方に引き戻される。そんな会社を、私は数多く見てきました。
変化の遅い時代は、決められたことを回す「管理する管理職」でよかった。しかし今、求められているのは、経営者と視点を合わせ、一丸となって組織に変化を生み出すチェンジリーダーです。生産性、部下育成、理念の浸透——管理職が抱える課題の根本を解くヒントは、すべてドラッカーにあります。だからこそ、普通の管理職研修ではなく、ドラッカーを学ぶ研修が必要なのです。
難解なドラッカー理論を、中小企業がすぐ実践できる「仕組み」に
とはいえ、ドラッカーは難解です。言葉を抽象的に学ぶだけの研修やセミナーは「難しいだけ」で終わり、中小企業の現場では使えないことがほとんどです。
そこで村瀬弘介は、ドラッカーの理論を、中小企業がそのまま実践できる形に体系化しました。それが「村瀬式・ドラッカー7つの原則」です。導入企業は257社以上、土台となる書籍(産業能率大学出版部)は7刷のロングセラーになっています。
「分かる」だけでなく「腹落ちする」研修
知識を詰め込むだけの研修とは違います。受講した社長・管理職の方が、その場で自社の課題に置き換え、「明日、これをやろう」と動き出す。情熱と感動を伴い、心から腹落ちする——それが村瀬式の研修です。これまでの受講実績は1,520名以上。「社長の魂に火がつく」と言っていただくことも少なくありません。
管理職が育てば、組織そのものが変わっていく
一人の管理職が変われば、チームが変わります。チームが変われば、次世代の幹部が育ちます。そして組織全体が、自ら成果を生み出す集団へと変わっていく。管理職研修・社員教育は、その変化の連鎖の起点です。
ドラッカーの原理原則を組織に導入し、成果に集中する強い組織をつくる。それが、村瀬式・ドラッカーの管理職研修です。対象は経営者・経営幹部・上級管理職・マネージャー。社長の判断軸づくり、経営チームの育成、管理職のリーダーシップ向上を、コンサルティングと研修を組み合わせて実現します。
貴社の管理職研修・人材育成の課題に合わせたご相談も承っております。まずはお気軽にお問い合わせください。研修の詳細はこちらのページをご覧ください。
ブログ執筆者:ドラッカー専門の経営コンサルタント 村瀬弘介
中小企業向けに、難解なドラッカー理論を「そのまま実践できる仕組み」へと体系化した「村瀬式・ドラッカー 人を活かす経営7つの原則」を提唱。導入企業257社以上、受講者1,520名以上。全国の商工会議所・経営者団体などでのセミナー講師、上場企業・中堅企業での研修講師を年間200日以上務める。著書『ドラッカーが教えてくれる 人を活かす経営7つの原則』(産業能率大学出版部)は7刷を重ねるロングセラー。「情熱的でドラッカー愛に溢れる講義は、まるでドラッカーのイタコだ」と支持する経営者が後を絶たない。



