今回はドラッカーと松下幸之助・中村天風が説いた経営者が成功するための絶対条件を解説します。経営を成功させるために持つべき資質は何か?が分かります。
 

ドラッカーの重視した、リーダーの真摯さ

 
「リーダーは真摯でなくてはならない。」(ドラッカー名言・マネジメント・ダイヤモンド社)
 
ドラッカーはリーダーが持つべき唯一の資質は真摯さ(integrity)であると言います。
 
真摯さは生来持っていなくてはいけない。後天的に身につけることはできないいうくらい、この資質を重視しました。
 
Integrityというのは「誠実・真剣である」と言う意味です。この真摯さにつながる言葉が西洋の騎士道の言葉にあります。
 
「ノブレス・オブリージュ(高貴な者に課せられる義務)」という言葉です。
 
西洋では、貴族は普段、乗馬やら晩餐会やら遊び回っています。ところが、領民たちはなぜか許しています。
 
その理由は、貴族は「高貴な者が負うべきある責務」を引き受けるからなんです。
 

高貴な者の追うべき責務とは?

 
それは戦争が起きた時には、領民を守るために真っ先に最前線に駆け付け命を張って戦うという責務。
 
だからこそ領民は貴族が平時遊んでいても目をつむっているのです。
 
西洋で戦争が起こりますとまず最前線に行くのが貴族です。
 
近年のフォークランド紛争でも貴族が戦闘機に乗って真っ先に参戦したことは有名な話です。
 
ドラッッカーの真摯さと、このノブレス・オブリージュは似た意味を持ちます。
 

松下幸之助の重視した素直さ

 
これに対して、松下幸之助さんは「リーダーは、成功するためには素直でないといけない。」と素直さを最重視します。
 
(松下さんは「素直な心になるために」という本を出されてることでも有名です。)
 
松下さんは以下のように語ります。

「素直な心というのは私心のない心である。
 
私心の無い心は、、融通無碍の囚われなき鏡の心。
 
これが一番心の強い状態なのだ。」と。

 
経営判断をする上で、私心がない、公な気持ちに立った時には、極めて正確な判断ができる。
 
曇りない心で判断できる事が、事業を成功に導くと言うのです。
 
松下さんは、朝起きて、会社に行く前に今日素直であれますようにと祈り、帰宅して寝る前に今日素直で1日あったかってことを反省していたほど、リーダーが素直な心であり続ける事に注力しました。
 
この素直さというのはドラッカーの真摯さにも通じます。
 

経営成功の絶対条件は、人格である。

 
ドラッカーの求めた真摯さ。
 
松下幸之助さんの求めた素直さ。
 
これが経営成功の条件として絶対的に重要な事だと経営の神様の二人は定義するのです。
 
この2つから言えることは、事業経営を成功させるためには、リーダーはまず「人間として正しい考え(あり方)」を身に着けなければいけないというです。
 
ドラッカーのマネジメント思想でも松下哲学でも結構です。
 
事業よりも先に、経営者としての自己の人間づくり、正しい考えを身につけることが重要です。
 

中村天風に学ぶ リーダーの人格

 
戦後の思想家、中村天風も同じ事を言います。
 
どこまでも、先ず、人間をとことん作れ。事業はその後についてくる。」
 
まず人間を作れば事業の成功はいくらでもついてくるのです。
 
事業の前にまず、リーダーの人間としての人格の完成こそ重要になります。
 
ドラッカーの経営学で、経営リーダー様の真摯な人格の陶冶を、心より応援しています。

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