【イノベーションの7つの機会の解説3回目です】

ドラッカーはイノベーションを引き起こすためのポイントを、イノベーションの7つの機会として体系化しました。(ドラッカー著:イノベーションと企業家精神)

イノベーションの7つの機会とは次の7つの機会を言います。

 
【ドラッカーのイノベーションの7つの機会】

1.予期せぬ成功
2.ギャップ
3.プロセスニーズ
4.産業構造の変化
5.人口構造の変化
6.認識の変化
7.新しい知識
 
3回目の今回は、5.人口構造の変化、6.認識の変化、7.新しい知識について解説します。
 

■5.人口構造の変化

人口構造の変化は、既に起きた未来であるとドラッカーは言います。

近年代々木ゼミナールが多くの校舎を閉校しました。

出生人口が100万人を割り、低下を続けている現代では、すでに10年後、20年後現在現在ほどの校舎数が必要ないと見えているからです。

人口構造の変化は既に起きた未来である、今の時点で教えてくれる確実な未来です。

ドラッカーは言います。

「人口構造の変化は、既に起きた未来であり、起こることが確実なものである。

しかし人口構造の変化を経営計画に考察し、取り入れている企業はあまりにも少ない。」(イノベーションと企業家精神)

人口構造の変化は、必ず経営計画に組み込む必要があります。
 

■6.認識・価値観の変化

顧客・市場における認識の変化を言います。

例えば、今はオフィスではペットボトルで水分補給をする人がほとんどで、水道水をそのまま飲む人はいません。

しかし30年前では、お茶や水をペットボトルで購入する人はいませんでした。

これはより安全な水や美味しいお茶を飲みたいという消費者の価値観の変化が購買の変化に繋がっているものです。

また最近都内では、高い駐車場代を払って自家用車を所有するより、使う時だけ借りるというカーシェアの文化が広がっています。

このことも、車は所有するものから、シェアするものへと消費者の意識の変化を示すものです。
 

■7.新しい知識

ネットの発明や、IPS細胞の発明等もイノベーションの機会になります。

ただこの新しい知識に関しては中小・中堅企業ではほ利用がほとんど難しいものです。

イノベーションの7つの機会は、1番から7番に番号が下るほどイノベーションが起こしにくくなっています。

ドラッカー・経営セミナーではイノベーションの7つの機会を解説しています。