ドラッカーは言います。

「全ての商品に同じように経営資源を配分してはならない、商品の集中と選択を行う必要がある。」

いくら売れる商品でもずっと伸びていくことはありません。

全ての商品が陳腐化していきます。

経営者は商品の成長から衰退までのライフサイクルを把握し、商品の時期に応じた打ち手を商品ごとに考えていく必要があります。

ドラッカーの法則は、経営に高い成果を生みますが、その法則の原点には「集中」というコンセプトがあります。

今回はドラッカーの法則を用いて、商品の選択と集中、棚卸をするポイントを解説しています。

■ドラッカーの商品の選択と集中のコンセプト
【著書:創造する経営者より】

主に次の5つの分野に分け商品の棚卸と集中を図っていきます。

1.今日の主力商品

現在の主力商品ですが、既に頂点を迎えている可能性があります。

今日の主力商品には、できるだけ経営資源の投入を控え、その分明日の商品開発等にシフトしていく必要があります。
 

2.明日の主力商品

事業の明日を担う商品です、まだまだ今後の期待される売上に対し経営資源の投入が少なすぎる現状があります。

商品の可能性に対し、より多くの経営資源を投入していく必要があります。

 
3.過去の商品(ノスタルジー商品)

もう既に市場からの視点では、魅力を失い陳腐化している商品です。

自社をこれまで支えてくれた商品であるが故に、経営者のこだわりは強く、なかなか市場の判断を用いて整理することのできない商品です。

市場からはすでに見放されているという点を厳しい視点で見定め、経営資源を縮小する必要性があります。

 
4.独善的商品(経営者の我の申し子)

経営者のこだわりや、勝手に売れるという思い込みから始めた商品で、市場からはまったくの支持を獲得していません。

社長は必ずいけるという確信から、営業マンにさらなる販促のプレッシャーをかけますが、市場の支持はないため、売れることはありません。

社内もしらけムードになります。

市場の視点をきっちり見定め、退却していく必要があります。

 
5.シンデレラ商品

呼んで字のごとくですが、普段は会社から日の目を浴びていない商品ですが、市場という王子様のメインにとまると大きく花をひらく可能性のある商品です。

販促をそこまでかけていないのに、なぜか顧客からは引き合いの在り続ける商品や想定に反し、ぽつりぽつりと売れていく商品もこれになります。

しっかりとカタログを準備したり、販促をかけると大きくブレイクする可能性を秘めています。

ドラッカーの商品の棚卸と集中に関しては、このシンデレラ商品を探し出すことが重要なポイントとなります。

御社で、そこまで力をいれていないのに、なぜか市場から評価を得ていたり、引き合いの続いている商品はありませんか、シンデレラ商品である可能性があります。
 

■ドラッカーの商品の選択と集中のポイント


・すべての商品は陳腐化する

・市場へ向けての商品のライフサイクルを把握する

・商品のライフサイクルで商品を分類し、商品毎の方針を立てる

ことにあります。

その目的は、限られた経営資源を未来にむけてより効果的に投入するためです。

ドラッカー 経営セミナーでは、ドラッカーの視点による商品の選択と集中について詳しく解説しています。