こんにちは、ドラッカーコンサルタントの村瀬弘介です。

今回は、事業の成長を圧倒的に早める方法についてお伝えします。

同じ業界、同じような資金、同じような人数でスタートしたはずなのに、数年後には片方が数倍の規模になり、もう片方は足踏みしている。中小企業の経営を長年見ていると、この差は珍しくありません。会社の成長を速める要因は、一発逆転のアイデアや、たまたまの幸運ではないのです。成長戦略の本質は、もっと地味で、もっと再現性のある場所にあります。

このページでは、私がベンチャーの急成長企業をコンサルティングする中でつかんだ「成長を速めるたった一つの方策」を、中小企業の現場でそのまま使える手順に落とし込んでお伝えします。

この記事でまとめたこと

会社の成長を速める鍵は「PDCAの回転速度」にある

成長戦略というと、多くの経営者は新規事業や大型投資、優秀な人材の一本釣りを思い浮かべます。もちろんそれらも大切です。ただ、私が数多くの会社を見てきて確信しているのは、成長の速さを決めているのは「決めたことをどれだけ速く実行し、検証し、修正できるか」という一点だということです。

大成功しているベンチャーの社長が語った、成長の秘訣。

私のクライアントで5年で20億の事業を作り上げたベンチャーの社長さんがいます。

コンサルティングに入る中で、私はなぜ彼の会社が、急成長しているのかについて分析しました。

今回は組織の成長を圧倒的に高めるたった一つの方策について解説します。

・結論をまずお話しましょう。

平凡な企業はPDCAを1ヶ月で回す。成長する企業はPDCAを1週間で高速回転させる。

「PDCAサイクルを1週間で、ライバルより高速回転させ続けること。」

これこそが、成長の差であり、躍進の鍵です。

同じ1年でも、月に1回しか計画を見直さない会社は年12回、週に1回見直す会社は年52回、改善のチャンスをつかみます。この差が1年、2年と積み重なれば、成長スピードに圧倒的な開きが生まれるのは当然のことなのです。

なぜ明確な目標が成長を速めるのか

すべてのメンバーは明確な目標を必要とする。(ドラッカー)

ドラッカーは言います。

「ラインの作業者から社長まで、貢献すべき
明確な目標を明示することが重要である。」と

あなたの会社では明確な目標設定・実行・振り返りがなされているでしょうか?

人は目標があるとそちらに向かう不思議な性質をもつ生き物です。

巡行ミサイルのように、明確な目標をGPSに設定することが、成長にかかせません。

ここで一つ注意したいのは、目標が「頑張ろう」「売上を伸ばそう」といった曖昧な掛け声になっていないか、という点です。中小企業でよくあるのは、社長の頭の中には明確な数字があるのに、現場のメンバーには「なんとなくの方向性」しか共有されていない状態です。誰が、いつまでに、何を、どの水準まで達成するのか。ここまで具体的にして初めて、目標は行動を引き寄せる磁石になります。

目標はPDCAで確実に効果性を高めて、実行していく。

PDCAとは、知らない人はいないでしょうが、

PLAN(計画)→DO(実行)→CHECK(確認)→ACTION(改善して実行)

という行動の改善サイクルです。

日々、目標設定を明確に行い、PDCAのサイクルで確認していく

ことはマネジメントの基本中の基本です。

あたりまえのことですが、この基本が、多くの企業でなされていない現実があります。

あなたの会社では、このPDCAサイクルが、確実に回っているでしょうか?

目標を明示したら、常に目標に対する行動の効果性を確認し、行動を最適化し、

精度をあげ、効果的なアクションプランを実行するからこそ、

確実に成果をだせる組織になるのです。

PDCAが回らない会社に共通する「3つのつまずき」

成長戦略としてPDCAを掲げる会社は多いのですが、実際に機能している会社はごく一部です。うまく回らない会社には、はっきりとした共通点があります。

計画を立て、検証するのは、計画通りにいかないからである。

PDCAを回し、効果性を確認し、精度を上げていくことは、とても重要なことなのですが、

日本の多くの企業でこのPDCAは効果的に回っていません。

PLAN(計画)→DO(実行)→CHECK(確認)→ACTION(改善して実行)

の流れにおいて、多くの企業で実行されているのは、

PLAN→DOまで、その後、確認して、改善行動をとることは、なされていないのが現実です。

しかし、PDCAのキモは、CHECK(確認)→ACTION(改善して実行)にあります。

計画を立てるのは、計画通りにいかないからこそ、C・A(確認して、行動を修正し続けること)がキモになるのです。

つまずき① 計画して実行しただけで満足してしまう

一つ目は、計画を立てて動き出したところで力尽きてしまうパターンです。年度初めに立派な事業計画書を作り、そのまま棚にしまってしまう。実行はしているものの、結果を振り返って次の一手に反映するところまでたどり着かない。これが最も多いつまずきです。

つまずき② PDCAの時間サイクルが長すぎる

PDCAが回っていない企業がほとんどである。

PDCAが回らいない理由の最大の原因は、PDCAの時間サイクルを長く設定しすぎているためです。

3か月に1回、1月に1回で、PDCAサイクルを回すのでは、変化の速い市場において、

効果的なアクションプランを取り続けることはできません。

たとえば四半期に一度しか振り返らない会社では、間違った方向に走っていたとしても、それに気づくまで最大3か月かかります。3か月分の労力を無駄にしてから軌道修正するのと、1週間で気づいて直すのとでは、1年後にたどり着く場所がまるで違ってきます。

つまずき③ 振り返りが「反省会」や「犯人探し」になっている

三つ目は、せっかく振り返りの場を設けても、うまくいかなかった理由を誰かのせいにする場になってしまうパターンです。これでは現場が萎縮し、都合の悪い事実が報告されなくなります。PDCAの振り返りは、人を責める場ではなく、次の行動を良くするための場です。ここを取り違えると、回せば回すほど組織が疲弊していきます。

成長を速める具体的手順 PDCAを1週間で高速回転させる

PDCAを1週間に1度で回し、高速回転させよ。

PDCAは最低1週間に1回転して、目標に対する行動を効果的にし、改善し、

さらなる実行プランまで定義するからこそ、効果がでます。

多くの方がPDCAを1月、場合によっては3か月単位で回しています。

これでは遅いのです。

そのため、次の設定でPDCAを回してください。

PDCAを回転速度を圧倒的に早める、4つの質問を実行する。

毎週月曜の朝始業時に次の4つの質問で、PDCAを回し改善し、行動の効果性を高めることができます。

【行動の効果性をたかめるPDCA高速回転・4つの質問】

【1】先週の行動の振り返り・評価
・うまくいったこと、進んだことは?
・うまくいかなかったことは?

【2】目標達成に向け、さらに行動の効果性を
高めるためにどう改善するか?

【3】目標達成に向け、来週までに実現したいことは何か?

【4】そのために、まずチャレンジすることは何か?

この4つの質問は、そのままPDCAの4つの局面に対応しています。【1】がCHECK(確認)、【2】がACTION(改善)、【3】がPLAN(計画)、【4】がDO(実行)の入り口です。難しい理論を覚える必要はありません。月曜の朝、この4つを順番に問うだけで、組織のPDCAは自然と一周するように設計されています。

グループコーチング形式でPDCAサイクルを毎週回していく。

この質問を1名のマネージャーのもとで部下5名くらいの

ユニットをつくり、PDCAを回していきます。

月曜日の始業前、長くても1時間以内の会議で行うことがポイントです。

組織に高速回転するPDCAサイクルを埋め込むこと、それが事業を急成長させる最大の鍵です。

是非実践され、高い成果に繋げてください。

中小企業が今週から始めるための、はじめの一歩

「いきなり全社でやるのは難しい」という場合は、まず社長直轄の1チーム、5名ほどから始めてください。特別なツールも予算も要りません。用意するのは、毎週月曜の30分から1時間の時間と、先ほどの4つの質問だけです。

最初の2〜3週間は、議論がかみ合わなかったり、振り返りが表面的になったりするかもしれません。それで構いません。大切なのは、完璧な会議をすることではなく、毎週必ず回し続けることです。回数を重ねるうちに、メンバー自身が「先週の自分」と向き合う習慣を身につけ、質問への答えが具体的で鋭いものに変わっていきます。1つのユニットで手応えをつかんだら、他の部署へ横展開していけばよいのです。

あなたの組織の躍進を、心よりお祈り申し上げております!

まとめ

会社の成長を速める鍵は、派手な打ち手ではなく、PDCAをライバルより速く回し続けることにあります。要点を整理します。

・成長スピードの差は、改善サイクルの回転速度の差から生まれる
・出発点は、社長から現場までが共有できる明確な目標を持つこと
・PDCAはCHECK(確認)とACTION(改善)にこそ本質がある
・月に1回や3か月に1回では遅い。最低でも週に1回転させる
・毎週月曜、4つの質問で回すグループコーチング形式が実務的
・まずは社長直轄の1チーム5名から、今週始めて回し続ける

成長戦略は、遠くの大きな一手より、目の前の一週間をどう使うかで決まります。今週の月曜から、小さく始めてみてください。

会社の成長を速める方法に関するよくある質問

Q. 会社の成長を速めるには、まず何から手をつければよいですか?

まずは、社長から現場までが共有できる明確な目標を定めることです。そのうえで、週に1回のPDCAサイクルを1チームだけでも始めてください。新規事業や大型投資よりも先に、決めたことを速く検証し修正する仕組みを持つことが、最短の成長戦略になります。

Q. 成長戦略としてPDCAはよく聞きますが、なぜ多くの会社でうまくいかないのですか?

理由は主に三つです。計画と実行だけで満足して振り返りをしないこと、サイクルの間隔が3か月や1か月と長すぎること、そして振り返りが犯人探しになってしまうことです。CHECK(確認)とACTION(改善)を、責めない雰囲気で、短い間隔で回すことが成功の条件です。

Q. なぜ「1週間」で回す必要があるのですか。1か月ではだめですか?

市場や顧客の変化が速い今、1か月に1回では軌道修正が遅れ、間違った方向に走った労力が無駄になります。週に1回転させれば、年間で50回以上の改善機会が生まれます。この回数の差が、1年後の成長スピードに大きな開きを生みます。

Q. 中小企業でも高速PDCAは回せますか。人手も時間も限られています。

回せます。むしろ意思決定の速い中小企業に向いた方法です。必要なのは、毎週30分から1時間の時間と4つの質問だけで、専用ツールも予算も要りません。マネージャー1名と部下5名ほどの小さなユニットから始めるのが、無理なく定着させるコツです。

Q. 振り返りの会議が形骸化しないためのコツはありますか?

二つあります。一つは、うまくいかなかった原因を人ではなく行動や仕組みに向け、次の一手を決める場に徹すること。もう一つは、毎週決まった曜日・時間に必ず開き、1時間以内で終えることです。完璧さより継続を優先すると、質は後から自然に上がっていきます。

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