今日は、ドラッカーコンサルタントの村瀬弘介です。

今回は強い経営チームをつくる秘訣についてお話します。

ドラッカーは言います。

「社長の仕事は多岐にわたりすぎるため、一人ではできない。

 経営チームを育成する必要がある。」

 

■強い経営チームをつくるためには

あなたの会社では、強い経営チームが育っていますか?

強い経営チームをつくるためには2つのポイントがあります。

 

■強い経営チームをつくる2つのポイント

【1】価値観を共有する

社長と価値観を共有すること、これが最重要です。

 

いくら能力が高くても、社長と価値観が異なる者を幹部にすることは

組織の風土を大きく乱し、組織を弱くする原因になります。

 

経営幹部に求められるものは、有能さよりも、まず忠実さ、

つまり社長と価値観を同じくすることなのです。

 

価値観とは、社長の想いを自分の想いとして、組織一丸となって目標に

向かわせる姿勢のことです。

 

【2】経営能力を磨き高める

経営の能力とは、経営の意思決定をする能力、ことです。

 

ドラッカーは言います。「優れた企業とそうでない企業があるわけではない。

マネジメントを学んでいるかいないかである。」と

 

経営の能力は、経営という仕事、経営に関する意思決定に

関する能力を高めることで向上させることができます。

 

そして、意思決定の根幹となるものは、

「何が正しいことなのか?」という、経営の原理原則(型)です。

 

経営の原理原則(型)を学ぶことによって、意思決定に迷いがなくなります。

原理原則を学ぶことで、ぶれない軸ができ、経営能力を高めることができるのです。

 

この、【価値観の共有】・【経営力を高める】を同時にできるアクションプランがあります!

 

■社長と価値観を共有し、強化することができて、

 そして、経営力を高めることができるのが、ドラッカー経営です。

 

価値観・経営力を同時に高められる学問がドラッカーの経営学です。

 

ドラッカーは経営の原理原則としての哲学・価値観としての部分。

そして、意思決定に使える経営の実践のノウハウが合体した学問です。

 

ドラッカーを社長と経営幹部で学び、経営の価値観を共有することで

組織は一枚岩となり、また幹部の経営能力も高めることができるのです。

 

■すぐれた経営とは、すぐれた経営思考を共有することである。

 

すぐれた経営とは、すぐれた経営思考を共有することです。

■現場のアクションプラン

【1】幹部登用の基準に「価値観」を必ず入れる

能力や実績だけで幹部を選ばない。この人は、会社が何を大切にしているかを自分の言葉で語れるか。そこを面談で確かめる。有能でも価値観が合わない人を上に置くと、組織はかえって乱れます。まず土台となる価値観を問うてください。

【2】社長と幹部が同じものを一緒に学ぶ場をつくる

価値観の共有は、口で言うだけでは伝わりません。同じ経営書を一緒に読み、同じ言葉で語り合う時間を持つ。社長と幹部が同じ地図を手にすることで、判断のものさしがそろい、経営チームは一枚岩になっていきます。

【3】意思決定の「型」を言葉にして共有する

その場の思いつきで決めていると、幹部は社長の判断を読めません。何を優先して決めているのか、判断の基準を言葉にして共有する。基準がそろえば、社長がいない場でも幹部が同じ軸で決められるようになります。

■成果につながる方法とそうでない方法

成果につながる方法 成果につながらない方法
価値観の合う人を幹部に選ぶ 能力だけで幹部を選ぶ
社長と幹部が同じものを一緒に学ぶ 学びを個人任せにする
判断の基準(型)を言葉にして共有する その場の思いつきで決める
社長がいなくても幹部が決められる 重要な判断が社長一人に集まる
経営を「学べるもの」として磨き続ける 経営は生まれつきの才能だと諦める

■経営者へのメッセージ

社長の仕事は、本当に多岐にわたります。営業も、資金繰りも、人の悩みも、すべてが最後は社長のところへ集まってくる。一人で背負い続けて、心身をすり減らしている社長さんを、私は何人も見てきました。

だからこそドラッカーは、経営チームを育てなさいと説きました。強い経営チームがあれば、社長は一人で抱え込まずにすみます。そして経営チームの強さは、能力の高さよりも、価値観がそろっているかどうかで決まります。同じものを大切にする仲間が、同じ判断のものさしを持つ。ここが出発点です。

幹部を信じて任せるのは、勇気のいることです。それでも、社長が一段高いところから会社の未来を描くためには、任せられる仲間が要ります。まず一人、価値観を分かち合える幹部と、同じ本を一緒に読むことから始めてみてください。そこから、あなたの会社の経営チームは育ち始めます。

■参考にしたい経営チームに関する名言

「成果をあげるには、人の強みを生かさなければならない。弱みからは何も生まれない。」
── ピーター・ドラッカー『経営者の条件』

「組織の目的は、凡人をして非凡なことを行わせることにある。」
── ピーター・ドラッカー『マネジメント』

「衆知を集めた全員経営こそ、会社を発展させる原動力である。」
── 松下幸之助

「心を一つにして力を合わせれば、断金の利あり。」
── 『易経』繋辞伝

■クライアントの実践事例

私のお客様の、卸売業D社(社員35名)の社長さんは、優秀な数字を上げる幹部を右腕にしていましたが、なぜか組織がまとまらないと悩んでおられました。よく話を伺うと、その幹部は成績こそ抜群でも、社長が大切にしている「お客様第一」の考え方とは、どうも肌が合わなかったのです。

そこで私がお願いしたのは、幹部の入れ替えではなく、社長と幹部が同じ経営書を一緒に読み、月に一度、自社の判断について語り合う場を持つことでした。最初はぎこちなかった対話も、回を重ねるうちに、何を大切に決めるのかという基準が少しずつそろっていきました。

一年後、その幹部は数字の追い方が変わりました。目先の売上より、お客様との長い関係を選ぶ判断ができるようになったのです。社長さんは「ようやく本当の意味で任せられる右腕になった」と話してくれました。

変わったのは能力ではありません。社長と幹部が、同じものさしを持てたこと。それだけで、経営チームは見違えるほど強くなったのです。

■経営チームづくりに関してよくある質問と実践へのアドバイス

Q. 有能な幹部と、価値観の合う幹部、どちらを重視すべきですか。

A. 両方そろえば理想ですが、どちらか選ぶなら、まず価値観です。能力は学びで伸ばせますが、会社が大切にするものと肌が合わない人を上に置くと、組織全体が乱れます。有能さよりまず忠実さ、というドラッカーの言葉のとおりです。

Q. 幹部に任せると質が下がりそうで、つい自分でやってしまいます。

A. その気持ちはよくわかります。ただ、社長が抱え込むかぎり、幹部は育ちません。判断の基準を言葉にして共有し、少し背伸びの必要な仕事を任せてみてください。基準がそろっていれば、任せても大きくは外れません。任せることが、育てることです。

Q. 経営能力は、そもそも学んで身につくものなのでしょうか。

A. 身につきます。ドラッカーは、優れた企業とそうでない企業の差はマネジメントを学んでいるかどうかだと言いました。経営は才能ではなく、原理原則という型を学ぶことで高められる力です。だからこそ、社長も幹部も学び続ける価値があります。

Q. 忙しくて、幹部と一緒に学ぶ時間が取れません。

A. 長い時間は要りません。月に一度、一時間でも十分です。同じ本の一章を読み、自社の課題に当てはめて語り合う。短くても続けることで、判断のものさしは確実にそろっていきます。時間の長さより、同じ言葉で語り合う回数が効いてきます。

なぜ、今の管理職研修だけでは組織は変わらないのか

ここまでお伝えしてきた考え方や実践法は、確かに組織を変える力を持っています。ただ、正直に申し上げると、個人の工夫や一度きりの研修だけでは長続きしないことも多いのです。担当者が代われば元に戻り、忙しくなればまた元のやり方に引き戻される。そんな会社を、私は数多く見てきました。

変化の遅い時代は、決められたことを回す「管理する管理職」でよかった。しかし今、求められているのは、経営者と視点を合わせ、一丸となって組織に変化を生み出すチェンジリーダーです。生産性、部下育成、理念の浸透——管理職が抱える課題の根本を解くヒントは、すべてドラッカーにあります。だからこそ、普通の管理職研修ではなく、ドラッカーを学ぶ研修が必要なのです。

難解なドラッカー理論を、中小企業がすぐ実践できる「仕組み」に

とはいえ、ドラッカーは難解です。言葉を抽象的に学ぶだけの研修やセミナーは「難しいだけ」で終わり、中小企業の現場では使えないことがほとんどです。

そこで村瀬弘介は、ドラッカーの理論を、中小企業がそのまま実践できる形に体系化しました。それが「村瀬式・ドラッカー7つの原則」です。導入企業は257社以上、土台となる書籍(産業能率大学出版部)は7刷のロングセラーになっています。

「分かる」だけでなく「腹落ちする」研修

知識を詰め込むだけの研修とは違います。受講した社長・管理職の方が、その場で自社の課題に置き換え、「明日、これをやろう」と動き出す。情熱と感動を伴い、心から腹落ちする——それが村瀬式の研修です。これまでの受講実績は1,520名以上。「社長の魂に火がつく」と言っていただくことも少なくありません。

管理職が育てば、組織そのものが変わっていく

一人の管理職が変われば、チームが変わります。チームが変われば、次世代の幹部が育ちます。そして組織全体が、自ら成果を生み出す集団へと変わっていく。管理職研修・社員教育は、その変化の連鎖の起点です。


ドラッカー7つの原則研修

ドラッカーの原理原則を組織に導入し、成果に集中する強い組織をつくる。それが、村瀬式・ドラッカーの管理職研修です。対象は経営者・経営幹部・上級管理職・マネージャー。社長の判断軸づくり、経営チームの育成、管理職のリーダーシップ向上を、コンサルティングと研修を組み合わせて実現します。

貴社の管理職研修・人材育成の課題に合わせたご相談も承っております。まずはお気軽にお問い合わせください。研修の詳細はこちらのページをご覧ください。

ブログ執筆者:ドラッカー専門の経営コンサルタント 村瀬弘介

中小企業向けに、難解なドラッカー理論を「そのまま実践できる仕組み」へと体系化した「村瀬式・ドラッカー 人を活かす経営7つの原則」を提唱。導入企業257社以上、受講者1,520名以上。全国の商工会議所・経営者団体などでのセミナー講師、上場企業・中堅企業での研修講師を年間200日以上務める。著書『ドラッカーが教えてくれる 人を活かす経営7つの原則』(産業能率大学出版部)は7刷を重ねるロングセラー。「情熱的でドラッカー愛に溢れる講義は、まるでドラッカーのイタコだ」と支持する経営者が後を絶たない。