経営者であれば、衰退する会社と自分の組織の習慣が一致していないか、気になるという方も多いでしょう。

理解するためには、衰退する会社の特徴や悪習を知る必要があります。

そこで今回は、ドラッカーの書籍「創造する経営者」でも述べている「衰退する会社の持つ7つの悪習(特徴)」について解説します。

あなたの組織に当てはまるものがないか、ぜひ確認してみてください。

■マネジメントの階層が多すぎる

衰退する組織の特徴の1つめは、マネジメントの階層が多すぎる組織です。

マネジメント(=経営)をするということは、組織の意思決定を行うことです。

マネジメントの階層が多いと、意思決定をするまでの期間がそれだけ長くなってしまいます。

特に、中堅企業や中小企業であれば、意思決定の速さが組織の力になります。

社員がすぐにトップに相談でき、スピーディーに動ける組織が理想的です。

■組織構造に関する問題が頻発する

衰退する組織の2つめの特徴は、組織の部署同士が争っているなど、組織構造に関する問題が頻発する組織です。

組織というものは、最終的にお客様に価値を提供するためにあります。

そのために、お互いの貢献度や関係性を分析し、組織として最適なあり方を探し合うのが本来のあるべき姿です。

内部の関係性で争う組織に、組織としての成長は見込めません。

■メンバーの注意が顧客ではなく内部に向いている

衰退する会社の3つめの特徴は、メンバーの注意が顧客ではなく、社員の礼儀や態度、手続きといった内部に向いている組織です。

なぜなら、成果は組織の外にしかないため、内部ばかりに目を向けていては成果を上げられないからです。

 

「組織の成果は組織の外にしかない。内部には努力とコストしかない」とマネジメントでは考えられています。

組織の外、つまりお客様に目を向けなければ、売り上げなどの成果にはつながりません。

■やたらと会議が多い

衰退する会社の4つめの特徴は、やたらと会議が多い組織です。

よく誤解されがちですが、会議は仕事ではありません。

組織内で話し合いをしても、会議をするだけでは実際の成果は何も生まれないからです。

特に、社長とすぐに相談できる環境にある会社においては、会議はなるべくせずに、直接相談して仕事を速く進めた方がよいでしょう。

会議と仕事は別物と考え、可能な限り仕事に多く時間を割くことを意識してください。

■上司の感情や好き嫌いに気を使う

衰退する会社の5つめの特徴として、部下が上司に気を使いすぎる組織も良い組織とはいえません。

組織というものは外部である顧客に価値を提供するために存在しています。

部下が社内の上司に嫌われないことを優先してしまうと、お客様が求めている本当の価値を見失ってしまうこともあります。

ある有名な大企業では以下のような張り紙がされていたそうです。

社内の上司よりもお客様に気を遣いましょう

上司の感情や好き嫌いに気を使うよりも、お客様にとって価値があるかを最優先し、言いたいことを言い合えるさっぱりとした関係を築くことが大切です。

■組織の仕事が細分化されすぎている

衰退する会社の6つめの特徴は、調整役や補佐役など、組織の仕事が細分化されすぎている組織です。

先にもお伝えしたように、成果は組織の外にあるため、社内の内部を調整・補佐するだけの役職は必要ないからです。

また、仕事を細分化しすぎると、意思決定のプロセスが増え、スピードも遅くなってしまいます。

これは、1つめに紹介した、マネジメントの階層が多すぎるという特徴にもつながります。

組織の仕事は可能な限りシンプルを心がけ、必要のない仕事はどんどん取り払ってしまいましょう。

■常に組織改革を行っている

衰退する会社の7つめの特徴は、常に組織改革を行っている組織です。

社長や幹部が変わると組織の方針も一新しがちですが、組織の内部を変えるということは外科手術と同じであると考えてください。

「上手くいかなかった…」

「前の方がよかった…」

このような悪い結果になってしまっても、簡単に元に戻すことはできません。

本来、組織改革は慎重に行わなければいけないものです。

■まとめ

今回は衰退する会社の特徴と悪習7つを紹介しました。

もしあなたの組織にあてはまる特徴があれば、これらを見直すことで企業の衰退を回避できます。

言い換えると、これらの悪習を避け、逆の方向に組織をマネジメントできれば、今後さらなる発展を遂げる企業に成長していくでしょう。

ぜひ参考にしてください。

 

記事内で紹介した衰退する会社の特徴と7つの悪習については、以下の動画でも解説しています。

■(動画)悪い組織の7つの兆候【ドラッカー・マネジメント・セミナー】

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ブログ執筆者 ドラッカー専門の経営コンサルタント 村瀬弘介

2002年、大学卒業後、株式会社KUBOTAの人事教育部で全社の人材育成を担当。2011年、経営と起業家精神をより深く学ぶために日本経営道協会(コンサルタント)に転職。

2013年、小宮一慶氏の経営する株式会社小宮コンサルタンツに経営コンサルタントとして転籍。本格的な経営コンサルティングを開始。マネジメントを学ぶ中で、【ドラッカーの人を活かす経営】との運命的な出会いを果たす。

人が活かされ、高い成果を上げる幸せな企業をつくることこそ自分の天命だと悟り、2017年独立。「高い理想と自己犠牲の精神で、人の魂の成長に貢献する」「リーダーの人格の向上に奉仕する」をコンセプトに、使命感を持って日々の業務にあたっている。

講師としても依頼が絶えず、全国の商工会議所、経営者団体など各種経済団体でのセミナー講師、上場企業・中堅企業での研修講師を年間200日以上務める。「情熱的でドラッカー愛に溢れる講義は、まるでドラッカーのイタコだ」「ドラッカーが降りてきた」「マネジメントの真髄を見た」と熱狂的に支持する経営者が後を絶たない。

著書:『ドラッカーが教えてくれる 人を活かす経営7つの原則(産業能率大学出版部・Amazon【企業経営部門】第2位)』