現代の働き方改革が間違っている理由

現代の働き方改革はなぜ間違っているのか? それは企業活動の根本を無視していることである。

企業というのは外部のお客様に向かって価値のある貢献をして はじめて存在することができる。

外部への貢献なしに、企業の存在はない、働き方改革においても、企業が一番先に論ずべきものは、外部の貢献をどのように高めていくかである。
 

企業活動の第一はマーケティング(市場活動)・内部志向ではいけない

経営の最重要活動は、市場(マーケット)への活動、つまりマーケティングである。

企業というのは、もともと、内部の働きやすさのみから成り立っているのではなく、お客様への貢献から成り立っているのである。

そのため、外部への貢献の論議をすることなく、内部の話ばかりの一辺倒では、組織の生産性は決してあがらないのである。

つまり、現在の働き方改革にもれているものは「マーケティングの視点」なのである。

ドラッカーが、マーケティング(市場への活動)こそ経営の第一目標であるといったのもそのためである。

組織の中には成果はない、成果は組織の外部にしか存在しない。

一部の労働事件の影響を受け、官僚が極めて内部志向で働き方改革を定義した。

まるで企業が市場に関係なく、療養施設のように、住み心地の良いもでなければいいかのように議論されている。

その結果、風潮としてまるで働く事が悪い事、搾取されるかであるかのようなCMまで流されている。

「転職条件、仕事を終わってゲームができる時間がある会社、今より労働条件がいい会社・以上!」などと、働く事自体を愚弄したような広告が流れるのである。
 

働き方改革をどのようにすすめるべきか?

では、経営者は働き方改革をどのようにすすめればいいのか?

働き方(方法)ではなく、働きがい(働く事の意義)と定義することが重要である。

日本の知識労働者(オフィスワーカー)の生産性は先進国の中でも特に低いとされる、その一番の原因は何であろう。

日本人的なコミュニケーションの複雑さ(根回し、表と裏、ひかえめさ)等も原因にはるが、統計結果によると、日本の企業パーソンの多くが、諸外国とくらべ仕事に関するやりがい、熱意が低いという結果がある。

一部には仕事に関して情熱を感じる社員は、10%以下であるという数字もあるのである。

この仕事に関する情熱の低さこそ、生産性が低い最大の理由である。
 

働き方改革ではなく、働き甲斐改革を進める

そのため、経営者はまず従業員の働き甲斐を高めなくてはならない。

働き甲斐をたかめるとは、単にぬるま湯のように働きやすくすることではない。

仕事により意義をもって挑戦できるように、明確なビジョンと方向性を与える事である

今、一番必要なことは経営者、幹部、管理職、そして各自が明確な仕事への意義、ビジョンを確立することなのである。

明確なビジョンを確立し、組織に浸透させることこそ、経営者の重要な仕事である。
 

JALを再生した稲盛和夫さんのビジョン確立・浸透コンパ

そのために参考になるのが、稲森和夫さんがJALを立て直した際のコンパである。

JAL再生では、稲盛氏は、人として大切な事は何かを徹底的に幹部とコンパをしながら討議した。

この場合のコンパとはまじめに楽しく、仕事の意義についてチームで話し合い、その意義を確立し、メンバーが自己のものとして共有することである。

ビジョンの確立、メンバー間での、ビジョンの真面目で楽しい対話こそ、仕事のやる気、情熱をマネジメントする最大の鍵なのである

具体的な方策については、ドラッカー流の実践ノウハウがある弊社に是非お問合せ頂きたい。

通常のPDCAのみでは、仕事に対する情熱をマネジメントすることはできない、ビジョンの確立、情熱のマネジメントこそ、今後の企業の生産性向上と存続の重要な鍵となるのである。

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