イノベーションを起こす ドラッカーの名言12選

「もしドラ」で経営者のみならず、ほぼ国民全体に有名になったドラッカーですが

今回はその中から、新事業・イノベーションを引き起こす名言を取り上げます。

新事業・新たな商品・サービスをつくりたいビジネスリーダーに、ドラッカーの名言はイノベーションを引き起こすための大きなヒントを与えてくれるでしょう。


■名言1 未来をつくるためには勇気が必要である。

未来に何かを起こすには、勇気を必要とする。努力を必要とする。信念を必要とする。
その場しのぎの仕事に身をまかせていたのでは、未来はつくれない。
未来にかかわるビジョンのうち必ず失敗するものは、確実なもの、リスクのないもの、
失敗しようのないものである。

出典:「創造する経営者」 P.F.ドラッカー

経営とは人・モノ・お金を未来という不確実なものに対して投資していくことです。

経営自体がリスクを伴う行為であり、経営からリスクを取り除くことはできません。
できることは、イノベーションの機会を十分に考察し、正しいリスクをより多くとっていくことです。

同様に、イノベーションも未来に対しての行動です。詳細な分析・検討をした後は、最後は経営者の勇気の問題になります。ドラッカーは言います。「イノベーションとは畢竟、勇気のことである」と。

■名言2 イノベーションと起業家精神を日常としなければならない。

今やイノベーションと起業家精神が、組織、経済、社会における生命活動とならなければならない。
あらゆる組織がイノベーションと起業家精神をもって、正常にして継続的な日々の活動としなければいけない。

出典:「イノベーションと企業家精神」 P.F.ドラッカー

市場・経済は絶えず変わり続けています。組織の中だけが変わらない事は許されません。
組織が変わらないとしたら、それは組織が停滞しているということです。

組織は顧客を理解するというマーケティング活動と共に、常に市場・顧客に合わせて自己を変革し続けるというイノベーション活動を行う必要があります。

またイノベーション活動とともに、ゼロからビジネスを立ち上げ、市場に挑戦し続けるという起業家精神は、ドラッカーが経営で最も大切にしてものです。

■名言3 組織はみずからがチェンジエージョンとならねばならない。

組織が生き残り成功するには、自らがチェンジ・エージェントすなわち変革機関とならなければならない。
変化をマネジメントする最善の方法は、自ら変化をつくり出すことである。
チェンジ・エージェント足るための要点は、組織全体の姿勢を変えることである。
全員が、変化を脅威でなくチャンスとしてとらえることである。

出典:「ネクスト・ソサエティ」 P.F.ドラッカー

変化してやまない、顧客・市場に対応するためには、変化を後追いするのではなく、自らが変化の先頭に立つ、チェンジリーダーとならねばなりません。

変化の中に事業機会が生まれます。組織の全面メンバーが変化を脅威でなく、機会としてとらえる変革リーダーに進化する必要があります。そのためには、イノベーションの原理を組織として取り入れ、学ぶ必要があります。

■名言4 イノベーションでは、まず廃棄からスタートせよ。

イノベーションに優れた企業は、古いもの、陳腐化したもの、もはや生産的でないものを
組織的に廃棄する仕組みをつくっている。優れた企業は、ほぼ3年ごとにすべての製品・プロセス・技術・サービス・市場を死刑の裁判にかける。この製品やサービスを手がけていなかったらなお始めるかと問い、答えがノーであるならば、検討しようとは言わずに、どう手をひくべきかを問う。

出典:「マネジメント・フロンティア」 P.F.ドラッカー

イノベーションを起こすためには、まず組織の中で旧弊化したもの、陳腐化したものを廃棄する必要があります。
陳腐化したものを廃棄して初めて、新たな事を行う空間が生まれます。

組織の仕事は常に増大する傾向にあります。定期的に廃棄する会議(廃棄会議)を開き、一定量を常に捨てる仕組み、すなわち体系的廃棄の仕組みを導入する必要があります。

■名言5 既存の事業とイノベーションの違いとは。

既存の事業について発すべき問は「この活動は必要か。なくてもすむか。」である。答えが必要であるならば、次に発すべき問いは「必要最低限の支援はどれだけか」である。
これに対し、イノベーションについて発すべき第一の問いは「これは正しい機会か」である。
第二の問いは「注ぎ込むことのできる最大限の優れた人材と資源はどれだけあるか」である。

出典:「マネジメント」 P.F.ドラッカー

イノベーションの第一目標は廃棄、古くなったものを捨てる事です。そしてできた新たな余裕にイノベーションを起こしていきます。またイノベーションには最優秀な人材を登用せよとドラッカーは言います。

事業の未来をつくる最大の機会となるイノベーションには、最優秀な人材を登用し、トップを目指すからこそ困難なイノベーションも成し遂げられ、新たな機会を増幅することができるのです。

■名言6 イノベーションには最優秀な人材を割り当てよ。

第一級の人材は、最も大きな機会、最も大きな見返りのある領域に割り当てなければならない。そして第一級の機会に対しては、卓越した才能と実績をもつ人材を割り当てなければならない。

出典:「創造する経営者」 P.F.ドラッカー

イノベーションの機会には最優秀人材を登用していきます。ドラッカーはこの人材適用に、強制人材適用法を定義しています。

一番の機会と一番優秀な人を並べていき、強制的にイノベーションを担当してもらう制度です。
御社ではイノベーション担当は、最優秀な人材を抜擢しているでしょうか。

■名言7 イノベーション・新事業は既存事業から独立させる。

新事業は、既存の事業から分離して組織しなければならない。起業家的な新事業を既存の組織に行わせるならば、失敗は目に見えている。

出典:「イノベーションと企業家精神」 P.F.ドラッカー

イノベーションは時に、既存事業の対立することがあります。新商品の売上は、既存商品の売上を喰い合うというカニバリズムを生じさせます。

そのため、既存事業と共に担当させたのであれば、イノベーション活動が滞ってしまいます。イノベーションを進めるためには、最優秀な人材を社長直轄で、独立部門として担当させる必要があります。

■名言8 製品・市場・流通チャネルの3領域にイノベーションを起こすことができる。

いかなる企業にも、3種類のイノベーションがある。製品とサービスにおけるイノベーション、市場、消費者の行動や価値観におけるイノベーション、製品を市場にもっていくまでの流通におけるイノベーションである。

出典:「イノベーションと企業家精神」 P.F.ドラッカー

イノベーションの起きる3つの領域は、製品・市場(顧客)・流通です。この中でも流通のイノベーション、ITを利用した流通イノベーションの変化には企業は敏感になる必要があります。

アマゾンができた当初、多くの書店が本をネットで買う人はいないとわらいましたが、あっという間に本屋、出版中継ぎが淘汰されてしまったのは周知のとおりです。

流通のイノベーションとそれが自社に与える変化については、特に深く考察されて下さい。

■名言9 予期せぬ成功に注意し、事業機会を追求せよ。

予期せぬ成功は、体系的に探究しなければならない。まず行うべきは、予期せぬ成功が必ず目にとまる仕組み、注意を引く仕組みをうくることである。
マネジメントが手にし検討すべき情報のほかに、適切に位置づけることである。

出典:「イノベーションと企業家精神」 P.F.ドラッカー

予期せぬ成功に注目せよ!とドラッカーは強調します。予期せぬ成功や、これまでになかった問い合わせは企業が気づいていない、既にある市場・事業機会の存在を企業に教えてくれます。

以前に私の経営者セミナーに大学3年生の参加が増えたことがありました。予期せぬ成功、変なお客様は徹底し分析するというドラッカーのやり方で、大学生に質問したところ、経営の神様ドラッカーを学ぶと、就活に有利になると思ってこられたとのことでした。

就活生のためのドラッカーセミナーという、私が気づいていない、すでにある市場の存在を教えてくれたのです。
予期せぬ成功、変な問い合わせは全社で情報共有し、情報が上がってくるような仕組みとする必要があります。

■名言10 問題よりも機会に注目し、機会を検討する仕組を創る。

ちょっとした工夫でよい、問題を列挙したこれまでの月例報告の第一ページの前に、新しい第一ページを加える。
売上にせよ利益にせよ、予想以上に成果のあがったことを列挙する。そして問題の検討に投じていたのと同じだけの時間を、新しい機会の検討に割く。

出典:「明日を支配するもの」 P.F.ドラッカー

利益・売上を創り出すのは機会です。問題はいくら解決しても、これまでと同じ風景が戻るにすぎません。

リーダーは会議、経営方針発表会などで、問題を羅列する代わりに、まず事業機会にメンバーの視点を向ける必要があります。問題よりも機会を見る姿勢こそが、新たな事業機会・売上・利益を生みだします。

会議の冒頭・書類の冒頭に、機会についてのページを加える必要があります。

■名言11 すでに起きた変化を捉え利用する。

一般的にはイノベーションが変化をつくりさすと考えられている。しかしそうであることは稀である。
成功するイノベーションは、すでにおこった変化を利用する。変化そのものと、それが知覚され、受容されるまでのタイムラグを利用する。

出典:「未来への決断」 P.F.ドラッカー

未来は予測することはできません。ドラッカーは言います。「市場にまだ影響が表れていす、社会が気づいていない
すでに起きた未来(変化)を活用せよ!」と。

すでに起きた変化が市場に大きな影響を表すまでの間に、事業化し、事業機会をつくり出すことがイノベーションの最も確実な戦略になります。

■名言12 人口構造の変化を利用せよ。

人口構造の変化そのものは、予測が不可能かもしれない。しかし、すでに起こった人口構造の変化が現実の社会に影響をもたらすには、リードタイムがある。予測可能なリードタイムがある。

出典:「イノベーションと企業家精神」 P.F.ドラッカー

経営戦略において、人口構造を考えている企業は多くありません。しかし例えば今、子供が90万にくらいしか生まれていないとしたら、20年後の労働人口はそれ以上に増えることがないように、人口構造は未来に必ず影響を及ぼす、既にわかっている未来です。

人口構造の影響を捉え、事業機会、採用・雇用戦略に取り入れることは、経営戦略立案にあたって必ず行わなければなりません。それは必ず影響を及ぼす、確実な未来だからです。

さいごに

イノベーションを起こす ドラッカーの名言12選 いかがでしたでしょうか。

ドラッカーのイノベーションの根底にある精神は、業界の常識・固定観念を疑い、新たな市場価値を勇気を持って創造するイノベーターのもつべき起業家精神です。

そしてグーグル、アップル、ユニクロなど現代の成長企業の多くがドラッカーの思想を軸に発展していきました。

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