マーケティングを成功させる ドラッカーの名言12選

「もしドラ」で経営者のみならず、有名になったドラッカーですが

今回はその中から、特にマーケティング・顧客志向を高める名言を取り上げます。

顧客を深く理解して、顧客へのサービスをより向上したい経営リーダーにドラッカーの名言は大きなヒントを与えてくれるでしょう。

■1 事業の目的は顧客を創造することである。(顧客創造の経営)

企業の目的は、それぞれ企業の外にある。企業は社会の機関であり、目的は社会にある。
したがって、事業の目的として有効な定義は一つしかない。顧客の創造である。

出典:「現代の経営」 P.F.ドラッカー

組織は単独では存在し得ません。売上・利益は顧客のいる組織の外にあります。
組織の中にあるものはコスト・努力のみです組織は外部への貢献をもってはじめて存在することができるのです。

ドラッカーの経営では、市場・顧客へのかちを創造していくこと、即ち顧客創造の経営をもって組織は社会へ貢献していきます。

■2 事業にとって最重要なのは、顧客にとっての価値である。

企業が自ら生み出していると考えるものが、重要なのではない。
顧客が買っていると考えるもの、価値を考えるものが重要である。
それらのものが、事業が何であり、何を生み出すかを規定し、事業が成功するか否かを決定する。

出典:「現代の経営」 P.F.ドラッカー

事業とは、顧客の価値と考えているものに、自社の強みを使って貢献していくことです。
顧客の価値に対する貢献なしには、組織が存在することはできません。

顧客の側からみた価値を追求し、自社の強みをマッチさせていくことが重要になります。

■3 顧客を想像してはならない、顧客に直接聴かなければならない。

顧客と市場を知っているのはただ一人、顧客本人である。したがって顧客に聴き、顧客を見、顧客の行動を理解して初めて、顧客とは誰であり、何を行い、いかに買い、何を期待し、何に価値を見いだしているかを知ることができる。

出典:「創造する経営者」 P.F.ドラッカー

事業の最高のコンサルタントはお客様です。事業を良くしようとするときに最良のアドバイスをくれるのは顧客なのです。顧客を真摯に観察し、聴き、顧客の価値を向上していくことこそが事業を改善していく最大のポイントです。

マーケティングを一言で言えば、顧客を理解し抜くこと、顧客の価値とするものを理解し抜くことです。

■4 競合相手は同業種にとどまらない。

顧客が買うものは満足であるという事実から、あらゆる製品とサービスが突然、全く異なる生産、流通、販売のされ方をしている他産業の製品やサービスと競争関係におかれる。

出典:「創造する経営者」 P.F.ドラッカー

マクドナルドの競合は、ロッテリアやモスバーガーだけではありません。
顧客が打ち合わせをしたい場合でしたら喫茶店やファミレスも競合と言えます。競合は同業種にとどまりません。

顧客の価値から考え抜く時に競合とは、顧客が御社を使わないとしたら出てくる代替案の全てだといえます。

■5 不合理な顧客はいない。

顧客は合理的である。不合理であると考えるのは危険である。顧客の合理性がメーカーと合理性と同じであると考えたり、同じでなければならないと考えると同じように危険である。
一見不合理に見えても顧客の利益になっているものに代えて、メーカーが合理的と考えるものを押し付けようとするならば、必ず顧客を失う。

出典:「創造する経営者」 P.F.ドラッカー

顧客は常に自分にとって利益をなるように合理的な行動をします。もし顧客との取引で顧客が不合理な企業に理解できない行動をしているとしたら、その行動は企業の気づいていない顧客にとっての真実を教えてくれるのです。

■6 非顧客に注目せよ。

最も重要な情報は、顧客ではなくノンカスタマ(非顧客)についてのものである。
変化が起こるのは、ノンカスタマの世界においてである。
いかなる事業にあろうとも、責任ある立場の者は、多くの時間を社外で過ごさなければならない。
非顧客を知ることは至難である。だが外に出て非顧客を知ることだけが、知識の幅を広げる唯一の鍵である。

出典:「ネクスト・ソサエティ」 P.F.ドラッカー

既存顧客を見ているだけでは没落するとドラッカーは言います。

昔、デパートは既存顧客の中年女性だけをみて手厚くサービスをしていたために、中年女性が働きにでるようになり、デパートの開店時間にいけないようになり大きく売上を落としました。その際にパルコやルミネなどが、現時点での非顧客でない女子高生・女性大生などに焦点をあて売上を回復させました。

企業は現顧客だけではなく、非顧客(現在御社のサービスを利用してもいいのに、なぜか利用しないお客様)を常に見ていく必要があるのです。

■7 マーケティングとは経営の全体のことである。

マーケティングは、販売よりもはるかに大きな活動である。
それは専門家されるべき活動ではなく、全事業にかかわる活動である。

出典:「現代の経営」 P.F.ドラッカー

マーケティングとは、顧客の視点からみた、顧客への価値を高める企業活動の全ての事をいいます。それは事業全体といってもいいものです。また全社を上げて活動する必要のあるものです。

マーケティングという言葉の定義を組織全体が理解し、組織を上げて実践していく必要があります。

■8 マーケティングの究極の目的はセールスを不要にすることである。

販売とマーケティングは逆である。同じ意味でないことはもちろん。補い合う部分さえない。
何らかの販売は必要である。だがマーケティングの理想は、販売を不要にすることである。
マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることである。

出典:「マネジメント」 P.F.ドラッカー

販売とは自社視点で、モノを顧客に売り込む行為です。これに対してマーケティングとは、
顧客を理解し、顧客の視点からみて、売れる仕組をつくり、価値を向上していく取り組みを言います。

両者の視点は全く逆なのです。顧客を理解し抜くというマーケティングの仕組みができた時には、顧客の方から買ってくれるようになります。したがって、販売にかかるエネルギーは非常に軽いものになります。

■9 マーケティングとは顧客からスタートすることである。

マーケティングは、顧客から出発する。すなわち人間、現実、欲求、価値から出発する。
「われわれは何を売りたいか」ではなく、「顧客は何を買いたいか」を問う。

出典:「創造する経営者・マネジメント」 P.F.ドラッカー

マーケティングとは、顧客を理解し抜く事、そして事業のすべてを顧客の視点で捉える事です。

自社が売りたい製品ではなく、顧客に課題、悩みからアプローチした時に、顧客にとって真に価値のある製品・サービスが見えてくる。それこそマーケティングの本質です。

■10 顧客の価値とするものが最重要である。

最もむずかしい問題を解決しなければならない。それは、「顧客にとっても価値のあるものとは何か」「顧客は何を求めて製品の買うのか」という問題に解答を見出すことである。

出典:「現代の経営」 P.F.ドラッカー

ドリルを買う顧客は、ドリルが欲しいのではなく、壁に穴を空けてカレンダーをかけたいのかもしれません。この場合、壁に穴を空けなくてもカレンダーを貼れるものがあれば顧客の課題は解決します。

顧客の買うものは製品ではなく、製品を通して得ることのできる便益(ベネフィット)です。組織が顧客に対してのサービスを考える時には、顧客が本当に買っているものは何かを考え抜く必要があります。

■11 製品やサービスについて一番知っているのは企業ではない、顧客である。

最大の危険は、製品やサービスが何であり、何であるべきかであり、いかに買われ、
いかに使われるかについて、顧客以上に知っていると過信することにある。
予期せぬ成功を不快とせず、機会として見なければならない。
事業の目的は顧客を変えることではない。顧客を満足させることにある。
設立まもないベンチャーに特有の病が市場志向の欠如である。

出典:「イノベーションと企業家精神」 P.F.ドラッカー

顧客が製品をメーカーの定めた使い方以外に役立てている場合があります。

顧客は製品が欲しいのではなく、顧客にとっての課題を解決するために製品を使うからです。予期せぬ使い方、予期せぬ顧客からの問い合わせは、組織が注目して取り入れる必要があります。それは、企業の気づいていない、市場の真実、市場の機会を教えてくれるからです。

市場の価値とするものへ、自社の強みを持って貢献することこそ、ビジネスの本質です。

■12 商品よりも、顧客に関心を持つのがマーケティングである。

多くの企業が、自社の商品とサービスには多大な関心を持っている。
しかし顧客に関心を持っている企業はあまりにも少ない。(コトラー名言)

自社の製品ばかり売りつけてくる営業マンと、顧客に興味を持って、顧客の課題解決に真剣に悩む営業マン、どちらが顧客に支持されるでしょうか。

顧客が選ぶのは、自社の商品・サービスの視点ばかりですすめてくる営業マンではなく、顧客の悩み・課題から解決策を提案してくれるマーケターなのです。マーケティングとは、自社視点ではなく、顧客視点でスタートすることなのです。

最後に

マーケティングを成功させる ドラッカーの名言12選 いかがでしたでしょうか。

ドラッカーのマーケティングの根底にあるものは、組織の外部である顧客・市場への価値向上に邁進することこそ、経営のなすべき仕事であるという基本理念です。

そしてグーグル、アップル、ユニクロなど現代の成長企業の多くがドラッカーの思想を軸に発展していきました。

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