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管理職の生産性をあげる方法を、ひと言でお伝えします。それは「成果を明確に定義し、成果に集中させること」。たったこれだけです。
「みんな真面目に働いているのに、なぜか成果が上がらない」「どうすれば組織の生産性を上げられるのか」——ご相談をお受けする社長さん、管理職の方に、本当に多いお悩みです。よく分かります。でも、ご安心ください。同じ状況から立て直してきた会社を、私は何社も見てきました。
今回は、「マネジメントの父」と呼ばれる経営学者ピーター・ドラッカーの言葉をもとに、管理職と組織の生産性をあげる方法を、今日から実践できる形で解説します。
この記事でまとめたこと
管理職の生産性をあげる方法とは?——結論は「成果に集中させること」
管理職の生産性をあげる方法は、突き詰めるとたった一つ。「成果を明確に定義し、成果に集中させること」です。ドラッカーはこれを「成果集中の原則」と呼びました。長時間働くこと・忙しく動くことではなく、「何が成果か」を決め、そこにだけ力を注ぐ。これが生産性を上げる唯一の道です。
ドラッカーは、組織で成果をあげる方法はたった一つであるといいます。それが「成果を明確に定義し、成果に集中させること」です。
組織の中で働くほとんどの人は、普段、成果を特に意識せずに働いています。毎日のルーティンで出社し、その日のTODOリストを確認し、その通りに仕事を進めて一日を終える。真面目です。よく働いています。それでも成果は上がりません。なぜなら、「成果とは何か」が分かっていなければ、成果のあげようがないからです。
なぜ管理職の生産性は上がらないのか——4つの原因
管理職の生産性が上がらない原因は、能力や努力の不足ではありません。多くは「成果が定義されていない」「仕事から仕事をしている」「不要な仕事を抱えている」「管理職自身がプレイヤー化している」という、仕事の“向き”の問題です。
原因1. 「成果」が定義されていない
一番多い原因がこれです。今日・今週・今期、自分とチームが出すべき成果が言葉になっていない。目標はあっても「数字」だけで、「どういう状態を実現するか」という成果の定義がない。ゴールが曖昧なまま走っても、生産性は上がりません。
原因2. 「仕事から仕事」をしている
目の前の作業を片づけることが目的化し、次から次へと仕事が仕事を生んでいる状態です。忙しいのに成果につながらない。これは「成果から逆算する」視点が抜け落ちているサインです。
原因3. 成果につながらない仕事を抱え込んでいる
惰性で続けている会議、誰も読まない資料、形だけの報告——成果に結びつかない仕事を「これまでやってきたから」と手放せずにいる。管理職ほど、この“捨てられない仕事”を多く抱えがちです。
原因4. 管理職自身がプレイヤーになっている
優秀な人ほど、自分で動いた方が早いと、実務を抱え込んでしまいます。すると本来の仕事である「部下に成果を出させるマネジメント」に時間が回らない。管理職個人は忙しいのに、チーム全体の生産性は上がらない、という典型的な状態に陥ります。
生産性を放置すると、組織はどうなるか
成果が定義されないまま放置すると、「忙しいのに成果が出ない」状態が常態化し、次の三つが進みます。①残業が増え疲弊する、②評価がぶれて不公平感が生まれる、③頑張っても報われないと感じた人から辞めていく。
- 長時間労働が常態化する——何が成果か曖昧なので「とにかくたくさんやる」しかなくなり、時間ばかりが延びます。
- 評価がぶれ、不公平感が生まれる——成果の基準がないと、印象や忙しさで評価するしかなく、現場に不満がたまります。
- 優秀な人から辞めていく——頑張っても成果として認められない職場に、成長意欲のある人ほど見切りをつけます。
ドラッカーに学ぶ「成果集中の原則」——生産性の根本解決
ここが、他の生産性向上ノウハウと決定的に違うところです。小手先のタイムマネジメント術ではなく、「そもそも何のために働くのか」という成果の定義から立て直します。
仕事から仕事をするのではなく、成果から仕事をする
ドラッカーは「成果を上げる人は必ず、成果を明確に定義して、成果から仕事をしている」といいます。
「自分はこういう成果を上げたい」と成果を明確に定義することで、その成果をあげることだけに集中できます。闇雲にルーティンをこなしても、仕事の成果も組織の生産性も上がりません。
大切なのは、仕事から仕事をするのではなく、成果から仕事をするということ。この順番が入れ替わるだけで、同じ時間の使い方でも生み出すものが変わります。
管理職の生産性をあげる具体的な方法——今日から実践できる3ステップ
「成果に集中する」を、明日の朝から実行できる形に落とし込みます。
方法1. 一日の始まりに「今日の成果」を明確にする
成果をあげる人は必ず、一日の業務の始まりに「今日の成果」を明確にしています。「今日の仕事の成果」という項目を作り、今日はどのような成果を上げたいのかを言葉にする。
たとえばお客様との商談が入っている日なら、「商談をまとめ、受注すること」が上げたい成果です。そのうえで、その成果を出すために何をやるかを「TODOリスト」に落としていきます。
方法2. 「今日の成果」と「TODOリスト」をセットで管理する
ポイントは、成果とやることを切り離さないこと。「今日の仕事の成果」と「TODOリスト」は、まとめてエクセルシート1枚で管理すると、成果とタスクのつながりが一目で分かり、ぶれなくなります。TODOを消すことではなく、成果に近づくことが目的だと常に確認できます。
方法3. 成果につながらない仕事を一切やめさせる
ドラッカーの言葉をもう一つ。「成果につながらない一切の仕事をやめさせる」。
成果に集中するとは、成果にのみ集中し、それ以外をやらないということです。そのためには、成果につながらないことを思い切って捨てることも必要になります。
そして、部下をマネジメントするのも管理職の大切な仕事です。一人ひとりの業務を見直し、成果につながらない仕事は取り上げ、成果を上げることにのみ集中させてください。各社員が無駄な業務を手放し、成果に集中したとき、組織全体の生産性が上がっていきます。
よくある質問
Q. 管理職の生産性をあげる、一番のポイントは何ですか?
「成果を明確に定義し、そこに集中させること」です。時間短縮やツール導入の前に、まず「何が成果か」を言葉にすること。ここが決まると、やるべき仕事とやめるべき仕事が自然に見えてきます。
Q. 忙しいのに成果が出ないのはなぜですか?
「仕事から仕事」をしているからです。目の前の作業を片づけること自体が目的になり、成果から逆算できていない状態です。一日の始めに「今日の成果」を決め、そこから仕事を組み立て直すと変わります。
Q. プレイングマネージャーで、部下の育成に手が回りません。
管理職本来の成果は「自分が動くこと」ではなく「部下に成果を出させること」です。まず自分が抱える成果につながらない実務を手放し、その時間を部下のマネジメントに振り向けてください。短期的には遠回りに見えても、チーム全体の生産性は確実に上がります。
Q. 独学とドラッカー研修、どちらがよいですか?
基本の考え方は書籍でも学べます。ただ「成果集中の原則」を組織の全員が同じ言葉で理解し、日々の仕事の“共通のものさし”として定着させるには、管理職研修・社員教育として体系的に導入するのが近道です。
まとめ:管理職の生産性をあげる方法は「成果に集中すること」
今回は、管理職と組織の生産性をあげる方法を、ドラッカーの言葉から解説しました。要点は次の通りです。
・生産性をあげる方法はたった一つ「成果を明確に定義し、成果に集中させること」
・仕事から仕事をするのではなく、成果から仕事をする
・成果につながらない一切の仕事を排除し、部下も成果に集中させる
ただ何となくルーティンで働くだけでは、組織も管理職も生産性は上がりません。成果を明確にし、成果から仕事をする。まずは明日の朝、「今日の成果」を一行書くことから始めてみてください。
ここで紹介した「成果集中の原則」は、村瀬弘介の著書『ドラッカーが教えてくれる 人を活かす経営7つの原則』の第3の原則「成果を上げる原則」でも詳しく解説しています。ドラッカーの最重要エッセンスを、中小企業がすぐ実践できる「7つの原則」にまとめた一冊です。
記事で紹介した管理職の生産性を上げる方法は、以下の動画でも解説しています。
(動画)ドラッカー研修:管理職の生産性を上げる方法とは?
なぜ、今の管理職研修だけでは組織は変わらないのか
ここまでの実践法は、明日からの生産性を確かに変えます。ただ、正直に申し上げると、個人の工夫だけでは長続きしないことも多いのです。担当者が代われば元に戻る。忙しくなればまた「仕事から仕事」に戻ってしまう。
変化の遅い時代は、決められたことを回す「管理する管理職」でよかった。しかし今、求められているのは、経営者と視点を合わせ、一丸となって組織に変化を生み出すチェンジリーダーです。生産性・部下育成・理念の浸透——管理職が抱える課題の根本を解くヒントは、すべてドラッカーにあります。だからこそ、普通の管理職研修ではなく、ドラッカーを学ぶ研修が要るのです。
難解なドラッカー理論を、中小企業がすぐ実践できる「仕組み」に
とはいえ、ドラッカーは難解です。言葉を抽象的に学ぶだけの研修やセミナーは「難しいだけ」で終わり、中小企業の現場では使えないことがほとんどです。
そこで村瀬弘介は、ドラッカーの理論を、中小企業がそのまま実践できる形に体系化しました。それが「村瀬式・ドラッカー7つの原則」です。今回お伝えした「成果集中の原則」も、その一つ。導入企業は257社以上、土台となる書籍(産業能率大学出版部)は7刷のロングセラーになっています。
「分かる」だけでなく「腹落ちする」研修
知識を詰め込むだけの研修とは違います。受講した社長・管理職の方が、その場で自社の課題に置き換え、「明日、これをやろう」と動き出す。情熱と感動を伴い、心から腹落ちする——それが村瀬式の研修です。これまでの受講実績は1,520名以上。「社長の魂に火がつく」と言っていただくことも少なくありません。
管理職が育てば、組織そのものが変わっていく
一人の管理職が成果に集中し始めると、チームが変わります。チームが変われば、次世代の幹部が育ちます。そして組織全体が、自ら成果を生み出す集団へと変わっていく。管理職研修・社員教育は、その変化の連鎖の起点です。
ドラッカーの原理原則を組織に導入し、成果に集中する強い組織をつくる。それが、村瀬式・ドラッカーの管理職研修です。対象は経営者・経営幹部・上級管理職・マネージャー。社長の判断軸づくり、経営チームの育成、管理職のリーダーシップ向上を、コンサルティングと研修を組み合わせて実現します。
貴社の管理職研修・人材育成の課題に合わせたご相談も承っております。まずはお気軽にお問い合わせください。研修の詳細はこちらのページをご覧ください。
ブログ執筆者:ドラッカー専門の経営コンサルタント 村瀬弘介
2002年、大学卒業後、株式会社クボタの人事教育部で全社の人材育成を担当。2011年、経営と起業家精神をより深く学ぶために日本経営道協会へ。2013年、小宮一慶氏の株式会社小宮コンサルタンツに経営コンサルタントとして転籍し、本格的な経営コンサルティングを開始。マネジメントを学ぶ中で「ドラッカーの人を活かす経営」と運命的に出会う。
人が活かされ、高い成果を上げる幸せな企業をつくることこそ自分の天命だと悟り、2017年に独立。全国の商工会議所・経営者団体などでのセミナー講師、上場企業・中堅企業での研修講師を年間200日以上務める。「情熱的でドラッカー愛に溢れる講義は、まるでドラッカーのイタコだ」「マネジメントの真髄を見た」と支持する経営者が後を絶たない。
著書『ドラッカーが教えてくれる 人を活かす経営7つの原則』(産業能率大学出版部・Amazon【企業経営部門】第2位)。












