成果を上げる強力な組織を作るためには、組織を統率する優秀な管理職の存在が欠かせません。

「組織を高い成果に導ける強力な管理職を育てたい」

「優秀なリーダーとはどのような人だろう」

 

このようなお悩みを持つ経営者や管理職の方も多いでしょう。

優秀な管理職に必要なものは、組織や部下を成果に導くリーダーシップを確立することです。

ドラッカーの言葉で定義すると、それは「責任を果たすこと」です。

そこで今回は、管理職のリーダーシップを確立させるために必要な、リーダーの果たすべき責任について解説していきます。

■リーダーシップとは権力ではなく責任である

ドラッカーは、リーダーシップとは権力ではなく責任のことであるといいました。

つまり、「権力」によって人を支配するのではなく、組織や部下に対して「責任」を持つことがリーダーの役割だということです。

 

それでは、組織のリーダーである管理職が果たすべき責任とは何でしょうか。

 

その責任は以下の2つです。

  1. 組織に高い成果を上げさせる責任
  2. 人を活かす責任(人の強みを活かす)

 

それぞれ詳しく解説していきましょう。

■①組織に高い成果を上げさせる責任

管理職が果たすべき一つ目の責任は、「組織に高い成果を上げさせる責任」です。

 

重要なのは、自分一人だけの成果ではなく、組織に成果を上げさせるということです。

しかも、より高い成果でなければいけません。

 

組織により高い成果を上げさせるために、管理職が認識するべき重要なポイントについて解説します。

・管理職は組織で一番高い視座を持たなければいけない

組織により高い成果を上げるためには、管理職は組織で一番高い視点に立つ必要があります。

なぜなら、トップに立つ管理職の視座が組織全体の視座になるからです。

 

管理職は組織の誰よりも高い視座を持ち、部下たちを導いていかなければいけません。

リーダーの視座が高いと、組織はより高い成果をあげるための目標を持って働くことができます。

逆にリーダーの視座が低いと、成果に対する言い訳が増え、組織は卑しくなります。

 

リーダー以上になる組織はありません。

リーダーの限界が組織の限界であると理解し、組織で一番高い視座を持ち、より高い成果を上げさせる責任があることを強く自覚することが大切です。

 

・働くものの視座を高め、人格を磨き、制約を超えさせる責任

組織の中で自分が高い視座を持つことのみがリーダーの責任ではありません。

組織で働く者の視座を高め、人格を磨き、制約を超えさせることもまた、リーダーの重要な責任です。

 

自分自身が高い視座を持ち、組織を伸ばし、より高い成果を上げさせることができたなら、部下は自ずとリーダーについていきます。

この上司が言うことならできるかもしれない

「いつもより高い目標だけどやってみよう」

 

このように部下に思わせることがリーダーの使命といってもよいでしょう。

■②人を活かす責任(人の強みを活かす)

リーダーが果たすべき2つ目の責任は「人を活かす責任」です。

つまり、組織で働く仲間を活かし、成果につなげさせる責任が、管理職にはあります。

 

「人を活かす」とはどういうことなのか、もう少し具体的に説明していきます。

・成果を生むのは人の強みによってのみである

人を活かすということは「人の強みをみる」ということです。

「人が何かを成し遂げるのは、強みによってのみである。弱いところはいくら強化しても平凡になることさえ疑わしい」とドラッカーは言います。

 

つまり、部下の強みを見つけ、それを活かしてあげることがリーダーの責任です。

・人の弱みを見るものはリーダー失格

逆に、人の強みよりも弱みばかりを見るものはリーダー失格ともいえるでしょう。

人の弱みを強化したところで平凡レベルになれるかさえ疑わしく、平凡から成果は何も生まれないためです。

 

組織を成果に導くリーダーは、人の弱みではなく、強み(良いところ)を探し、成果につなげることを考えなければいけません。

この考え方は、一つ目にご紹介した「組織に高い成果を上げさせる責任」にも活きてきます。

■まとめ

今回は、管理職のリーダーシップを確立させる方法について解説しました。

組織のリーダーには「組織に高い成果を上げさせる責任」と「人を活かす責任」の2つの責任があります。

リーダーとは決して人を上から支配するような人のことをいうのではありません。

 

組織で一番高い視座を持ち、より高い成果を上げさせることを考え、部下の強みを活かすことができる人こそがリーダーとしてふさわしい存在です。

人の強みを組織の強みにつなげていくことが管理職の責任と考えてください。

 

ぜひ、管理職研修や社員教育に活用して組織を強くする強力なリーダーを目指しましょう。

 

この記事で紹介したリーダーシップについては、「ドラッカーが教えてくれる人を活かす経営7つの原則」の第5の原則、「リーダーシップ確立の原則」でも詳しく解説しています。

 

「ドラッカーが教えてくれる人を活かす経営7つの原則」は、ドラッカーの最重要エッセンスを、すぐに実践できる「7つの原則」にまとめている書籍です。

管理職研修や社員教育にドラッカーのマネジメント理論を取り入れることで、自ら事業を創っていく強力なリーダーが育ちます。

ぜひ、組織の人材育成に活用してください。

 

記事内で紹介したドラッカーの管理職のリーダーシップ論については、以下の動画でも解説しています。

■(動画)リーダーシップとは責任である【ドラッカーの社員教育・研修】

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ドラッカーの伝道師と呼ばわれるドラッカー専門のコンサルタント村瀬弘介の研修情報については、以下のリンクをご参考にしてください。

■ドラッカーの管理職研修・セミナー情報


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ブログ執筆者 ドラッカー専門の経営コンサルタント 村瀬弘介

2002年、大学卒業後、株式会社KUBOTAの人事教育部で全社の人材育成を担当。2011年、経営と起業家精神をより深く学ぶために日本経営道協会(コンサルタント)に転職。

2013年、小宮一慶氏の経営する株式会社小宮コンサルタンツに経営コンサルタントとして転籍。本格的な経営コンサルティングを開始。マネジメントを学ぶ中で、【ドラッカーの人を活かす経営】との運命的な出会いを果たす。

人が活かされ、高い成果を上げる幸せな企業をつくることこそ自分の天命だと悟り、2017年独立。「高い理想と自己犠牲の精神で、人の魂の成長に貢献する」「リーダーの人格の向上に奉仕する」をコンセプトに、使命感を持って日々の業務にあたっている。

講師としても依頼が絶えず、全国の商工会議所、経営者団体など各種経済団体でのセミナー講師、上場企業・中堅企業での研修講師を年間200日以上務める。「情熱的でドラッカー愛に溢れる講義は、まるでドラッカーのイタコだ」「ドラッカーが降りてきた」「マネジメントの真髄を見た」と熱狂的に支持する経営者が後を絶たない。

著書:『ドラッカーが教えてくれる 人を活かす経営7つの原則(産業能率大学出版部・Amazon【企業経営部門】第2位)』