卓越した成果を上げるには、チーム一人ひとりが卓越した能力を持つ組織でなければいけません。

「チーム一人ひとりが卓越した人材になるにはどうすればいいのだろう」

「卓越した組織をつくるために管理職にできる役割とは何か」

多くの企業で実践され、高い成果を上げてきたドラッカーのマネジメントでは、人の強みに集中することが高い成果につながると考えられています。

そこで今回は、ドラッカーの経営マネジメントから学ぶ、「強み」から卓越した成果を上げる方法について解説していきます。

■強みに集中するからこそ高い成果が出る

ドラッカーは「成果を上げるためには強みに集中しなければならない」と言っています。

なぜ、強みに集中することが成果につながるのでしょうか。

具体的に解説していきましょう。

・人が何かを成し遂げるのは強みによってのみである

ドラッカーにはこのような言葉があります。

「人が何かを成し遂げるのは強みによってのみである。弱みはいくら強化しても平凡になることさえ疑わしい。」

人には必ず強みと弱みというものがあります。

 

例えば、強みが元々70点だったとして、弱みが40点だったとしましょう。

元々、40点の弱みを伸ばすためにいくら頑張っても、せいぜい50点〜60点の平凡なレベルにしか届きません。

一方で、元々70点ある強みを伸ばすよう努力をすれば、80点、90点、と更に他人に負けないレベルまで伸ばしていくことができます。

強みを伸ばすことに集中し、その強みに卓越した存在になることで、人は高い成果を上げることができるのです。

・弱みは人の足を引っ張らない程度まで克服する

ここで、強みを特化するのも大事だが、弱みを伸ばすことも同じくらい大切ではないか、と考える方もいらっしゃるかと思います。

受験勉強によくある、まずは弱みを克服して、全体の平均点を上げようという考え方です。

しかし、この考え方はビジネスでは通用しません。

 

なぜなら、成果を上げる人材というのは何かの強みに卓越した人材であり、すべてが平均レベルのバランスの取れた人材ではないからです。

もちろんあまりに出来ないものは、周りや取引先の足を引っ張ることになるので、ある程度克服する必要はあります。

しかし、弱みを伸ばすことより強みを伸ばすための時間の方が、成果を上げるためにより重要であると認識することが大切です。

 

■最強チームとは、強みをつなぎ合わせ、弱みは中和することができるチーム

ドラッカーは、強みの上に強みを築けるチームが強力な組織であるとも言っています。

チーム一人ひとりが自分の強みを伸ばし卓越することで、それぞれに強みを持った卓越した集団が出来上がります。

 

それぞれが多様な強みを持つことで、一人ひとりの弱みもチームで打ち消しあい、中和することができるのです。

チーム一人ひとりの強みを爆発させて弱みを中和し、互いに補い合える強力な集団をつくることこそが、組織の目的です。

■メンバーの強みを明確化する

人が成果を上げるには強みを伸ばし、卓越させていく必要があることがわかりました。

そのためには、各自が自分の強みを正しく理解しなければなりません。

しかし、自分自身の強みがなにかを分かっている人は案外少ないものです。

組織で働く部下の強みを活かし成果につなげるのが、組織でリーダーシップを取る管理職の責任です。

 

以下に、組織のメンバーの強みを明確化する具体的な2つの方法を紹介します。

・振り返り面談をする

管理職の方は、半期や年度の振り返りに目標設定面談をする機会があるかと思います。

そこで、部下に以下の質問を投げかけてみてください。

「あなたがこの半年間で上手くいったことは何ですか」

「逆に残念な結果に終わってしまったことは何ですか」

 

人が成果を上げるのは、強みによるものです。

上手くいった仕事の中に、その人の強みが隠されているでしょう。

・強み発見会議をする

組織のメンバー同士でお互いの強みを見つけ合う、「強み発見会議」の場を設ける方法もあります。

やり方はシンプルで、相手の強みと思うところを付箋などの小さな紙に書いて、相手に渡す・貼り付けるという内容です。

強みというのは、その人自身が当たり前に行ってきたことが多く、自分自身ではなかなか気づきにくいものです。

他人の目からみたその人の強みを本人に共有することで、自分でも自覚していない強みを明確化できるでしょう。

 

■まとめ

今回は、強みから卓越した成果を上げる方法について解説しました。

重要なのは、誰にでもあるその人自身の強みを伸ばすことで、一人ひとりは凡人であっても、お互いを補い合える卓越した組織にできるということです。

 

組織のメンバーの強みを見つけ出し、成果を上げられるように伸ばしてあげることが管理職の大切な役割です。

ぜひ、管理職研修や社員教育の参考にしてください。

 

この記事で紹介した内容は、「ドラッカーが教えてくれる人を活かす経営7つの原則」の第7の原則、「マネジメント・人を活かす原則」でも詳しく解説しています。

 

「ドラッカーが教えてくれる人を活かす経営7つの原則」は、ドラッカーの最重要エッセンスを、すぐに実践できる「7つの原則」にまとめている書籍です。

管理職研修や社員教育にドラッカーのマネジメント理論を取り入れることで、自ら事業を創っていく強力なリーダーが育ちます。

ぜひ、組織の人材育成に活用してください。

 

記事内で紹介したドラッカーの管理職の生産性を上げる方法については、以下の動画でも解説しています。

■(動画)強みから卓越した成果を上げる方法【ドラッカーの社員教育・研修】

管理職の生産性を上げるドラッカー専門のコンサルタント・村瀬弘介の主催するドラッカー研修は次のような形式で開催しています。

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ドラッカーの伝道師と呼ばわれるドラッカー専門のコンサルタント村瀬弘介の研修情報については、以下のリンクをご参考にしてください。

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ブログ執筆者 ドラッカー専門の経営コンサルタント 村瀬弘介

2002年、大学卒業後、株式会社KUBOTAの人事教育部で全社の人材育成を担当。2011年、経営と起業家精神をより深く学ぶために日本経営道協会(コンサルタント)に転職。

2013年、小宮一慶氏の経営する株式会社小宮コンサルタンツに経営コンサルタントとして転籍。本格的な経営コンサルティングを開始。マネジメントを学ぶ中で、【ドラッカーの人を活かす経営】との運命的な出会いを果たす。

人が活かされ、高い成果を上げる幸せな企業をつくることこそ自分の天命だと悟り、2017年独立。「高い理想と自己犠牲の精神で、人の魂の成長に貢献する」「リーダーの人格の向上に奉仕する」をコンセプトに、使命感を持って日々の業務にあたっている。

講師としても依頼が絶えず、全国の商工会議所、経営者団体など各種経済団体でのセミナー講師、上場企業・中堅企業での研修講師を年間200日以上務める。「情熱的でドラッカー愛に溢れる講義は、まるでドラッカーのイタコだ」「ドラッカーが降りてきた」「マネジメントの真髄を見た」と熱狂的に支持する経営者が後を絶たない。

著書:『ドラッカーが教えてくれる 人を活かす経営7つの原則(産業能率大学出版部・Amazon【企業経営部門】第2位)』