あなたは社長として、効果的にリーダーシップととれていますか、そして組織は思うような成果をあげているでしょうか?
もし、社長として課題を抱えられているなら、今回の記事はとても参考になると思います。
今回は、マネジメントの父、ピーター・ドラッカーの名言に学ぶ、社長がやってはいけないこと、組織がやってはいけないことについてまとめていきます。
ドラッカーは経営の原理原則と言われます。もしあなたの経営が思うように進んでいないなら、経営の原理原則を忘れて経営していないかチェックしてみて下さい。
リーダーとして、組織として高い成果を上げるために何が必要なのか、そのポイントが明確に見えてくると思います。

この記事でまとめたこと

ドラッカーの名言に学ぶ 社長がやってはいけないこと 8選

現代経営学の父と呼ばれるピーター・ドラッカー。

「マネジメント」・「経営者の条件」・「経営者に贈る5つの質問」・「創造する経営者」など、数々のベストセラーを生み出したドラッカーの言葉は、時代を超えて多くの経営者に影響を与え続けています。

本記事では、ドラッカーの言葉を通して「社長がやってはいけないこと」を解説していきます。

【1】方向性を示せていない

「忙しく働くだけでは、経営の成果はでない。」
「成果を上げることと、ただ動きまわることはことなる。」
「社長は正しい成果を定義し、組織を成果に向けて方向づけ、集中させることによって成果を上げることができる。」
「成果に向けた明確な方向性を示さずに、ただ忙しく働かせては成果はでない。」
(ドラッカー・経営者の条件)

社長の仕事は、人・モノ・カネという経営資源をどの方向に向かわせるのか、方向づけをすることにあります。

「何のために」「どこを目指して」仕事をするのかが明確でなければ、組織は迷走し、社員が効果的な動きをすることはできません。

社長は、戦略分析・経営計画を明確に示し、会社と組織の進むべき方向性を定め、社員に共有、理解してもらう必要があります。

【2】ビジョンとミッションがない

「ビジョンなきものはリーダーではない。それは事務局にすぎない。」
「ビジョンとミッションが一致していない場合、組織の効率と効果は低下する。」
(ドラッカー・マネジメント)

ビジョンとは組織がどの方向に向かうかという明確な青写真です。
ミッションとはわが社がなぜ存在するのかという存在意義です。

社長は組織のビジョン・ミッションを明確に定義し組織に示す必要があります。

ビジョン・ミッションのない組織では、社員は目的意識なく、ただ働くだけで、強いモチベーションを持つことができません。ビジョン・ミッションという大義を示すことは、組織の生産性を上げるために非常に重要なことです。ビジョンとミッションが明確化され、組織全体に浸透していれば、従業員は共通の目標に向かって、主体的に行動できるようになります。

【3】目標が不明確である

「明確な目標・成果が定義され、メンバー成果に集中することによってはじめて成果を上げることができる。」
「明確な目標の共有がなくては、チーム全体の方向性がぶれ、成果を上げることはできない。」
(ドラッカー・経営者の条件)

人間というのは不思議な生き物で、目標があると自然にその目標達成に向かう力をもっています。目標が曖昧では、高い成果を生みだすことはできません。明確な目標設定は、組織をまとめ、従業員を同じ方向へ向かわせるために非常に重要です。

社長の経営計画における目標設定が曖昧であったり、従業員に共有されていなければ、従業員は各自の解釈で業務を進めてしまい、組織全体が髙い成果を上げることはありません。

社長は、組織全体の目標を、部署や個人レベルの目標に落とし込み、従業員が目標を理解し、達成にむけて日々の業務を遂行できるよう努める必要があります

【4】長期計画を無視している

「「社長はもっと事業の未来について考える必要があるが、事業の未来を考え、戦略を策定できるリーダーはあまりにも少ない。」
「経営では、短期と長期のバランスをとる必要がある。」(ドラッカー・創造する経営者)
「短期的な利益のためだけに、長期的な利益を犠牲にしてはならない。」(コトラー)

社長の仕事は忙しく、短期的な戦略立案から中長期の戦略まで考え抜く必要があります。ドラッカーも言うように、多くの社長が目先の経営成果にのみ囚われ、長期的な視点を持たずに経営を行っています。

中長期のビジョンを設定し、中長期への施策を確実に実施することではじめて経営に成果を上げることはできます。日々の仕事があまりにも忙しい場合、セミナーやコンサル、コーチ等も利用して、中長期の経営計画をたてる時間をもつことは、組織の成長においてとても大切なことです。

村瀬のドラッカー理論による経営計画策定コンサルティングでは、社長と短期計画はもとより、中長期に向けて成長路線になれるような施策を。ドラッカー式のフレームワークにより炙り出し、実践すべきことを定義していきます。

(参考)ドラッカー理論による経営計画策定コンサルティング

【5】イノベーションへの投資が不足している

「イノベーション無しに組織が生き残っていくことはできない。」
「革新に対する投資を怠ると、競争力を失う。」(ドラッカー・マネジメント)

特に中小企業においては、多くがイノベーションに対する取り組みがほぼなされていない現状があります。既存事業の生産性をたかめ、利益を最大化することも重要ですが、5年後・10年後のイノベーションを起こすためには、新しい事業機会を見つけ、人・モノ・お金を投資することも忘れてはいけません。

社長の仕事には、3つあるとドラッカーは言います。(ドラッカー・現在の経営)

1.現在の事業の成果を上げること (現在の取り組み)
2.新事業の機会をみつけること  (未来への取り組み)
3.新事業をつくること      (未来への取り組み)

この3つを行ってはじめて経営は成果を上げることができます。
社長は未来への取り組み、イノベーションへの取り組みを日々の業務に取り入れる必要があるのです。

【6】教育と人材育成を軽視している

「組織に優劣があるのではない、(マネジメントを)学んでいるか、いないかの違いである。」
「従業員の教育とトレーニングへの投資を怠ってはならない。」(ドラッカー・マネジメント)

組織にとっての最大の資産は人です。社員の成長こそ組織の成長なのです。社長は、従業員が常に新しい知識やスキルを身につけることができるよう、教育やトレーニングの機会を提供する必要があります。

ドラッカーは、人が生かされるいい会社の3つの条件というものを提唱します。
その内容は

1.社員が組織の中で十分な敬意をもって扱われていること。
2.社員が成長するために必要な教育・訓練が準備されていること。
3.社員の頑張りが適切に評価される人事評価制度があること。

社員教育を整えることは、経営者が人を活かし、幸せになる会社をつくるために欠かせないものなのです。研修制度の導入や、自己啓発・資格取得の支援など、社員の成長を後押しすることで、働く意識、モチベーションの向上だけでなく、企業全体の競争力の強化を実現することができます。

【7】社員の意見を無視している

「「社長は独裁すれども、独断してはならない。」(松下幸之助)
「組織内の多様な意見を聞かずに決断を下してはいけない。」(ドラッカー・経営者の条件)

組織の方針を決定する時に、社長は、多様な意見に耳を傾けた上で意思決定をする必要があります。特に、現場で社員は、顧客と接する機会も多く、経営層では気づくことのできない変化への気づきや事業機会へのアイデアをもたらしてくれます。

経営とは、変化する外部環境に合わせ、自社を作り変えることです。社長室にのみこもって、現場を知らないで経営することは、目隠しをしたまま車を運転するようなものです。

ただでさえ、社長という人間は社員にとって意見を言いにくい存在です。事業にとって重要な外部環境の変化、顧客の動向い気づいた社員の意見を、社長は積極的に取り入れ、経営に活かす必要があるのです。

また、社員の意見を軽視することは、社員の経営参画の意識を定価させ、組織全体のモチベーション低下や、潜在的な人事リスクにもなります。

【8】自己中心的な決断をする

「「貢献を考えることによって、人は組織の中ではじめて成果を上げることができる。」
「自分の利益のためだけに決断を下してはならない。組織全体の利益を考えるべきである。」
(ドラッカー・経営者の条件)

ドラッカーはリーダーシップとは権力ではなく、責任であると言います。
社長というリーダーシップとは責任です。社長が偉く、社員を支配する権力を持つわけではありません。社長は、組織に対して、働く人を活かし、高い成果を上げる責任を持っているのです。

そのため、社長の意識決定は私利私欲ではいけません。公益的なもの、組織、社員、顧客、社会といったすべてを利するものでなければいけません。会社の利益を損なうような、個人的な感情や利益を優先した意思決定は許されません。社長は、常に「組織にとって最善の選択は何か」という視点、つまり「貢献」という視点を持ち、意思決定をする必要があります。社長の意思決定は、組織の公益のためであり、社長の私利のためであってはならないのです。

まとめ:社長がやってはいけないこと8選

【1】方向性を示せていない
【2】ビジョンとミッションがない
【3】目標が不明確である
【4】長期計画を無視している
【5】イノベーションへの投資が不足している
【6】教育と人材育成を軽視している
【7】社員の意見を無視する
【8】自己中心的な決断をする

今回は、「社長がやってはいけないこと」をドラッカーの言葉とともに8個ご紹介しました。これらの項目を常に意識し、改善していくことで、より良い会社経営を実現できるはずです。 ぜひ、本記事を参考にしてみてください。

ドラッカーの名言に学ぶ 成果を出せない社長の特徴・性格 6選

「組織をして高い成果を上げさせる」というこしは、社長に求められる最大の責任です。
企業の舵取りを担う社長の手腕は、その成否を大きく左右すると言えます。
ここでは、ドラッカーの言葉を交えながら、成果を出せない社長の共通点を解説します。

【1】リーダーシップが欠如している

「リーダーは方向を示さなければならない。示せない人はリーダーではない。」

「ビジョン無き者はリーダーではない、それは事務長にすぎない。」(ドラッカー・現代の経営)

企業が進むべきビジョン(方向性)を明確に示し、社員を鼓舞し、同じ目標に向かって成長していくことが、リーダーとしての重要な役割です。しかし、成果を出せない社長は、明確なビジョンや戦略を描き、それを社員に共有することができず、結果として組織全体が向かうべき方向性を失い、組織力を最大化することができます。

ドラッカーは言います。

「リーダーがまずはじめにすべき仕事は、明確なミッション・ビジョンを打ち立てて、それをメンバーに理解させることである。」(ドラッカー・現代の経営)

社長は、自己のみならず、社員の魂に火が付くような組織のミッション・ビジョンを策定し、経営計画として組織に浸透させなければなりません。ミッション・ビジョンはあまりにも深すぎて、一人で考え抜くことはなかなか難しいものです。こういった時には経営コンサルタントやコーチとの壁打ちが効果的です。

村瀬のドラッカー式の経営計画策定コンサルティングも社長のミッション・ビジョン、経営戦略の構築にご活用いただき、好評をいただいております。是非ご活用ください。

【ドラッカー式・経営計画策定コンサルティング】

【2】ビジョンがない

「明確なビジョンを持たず、方向性が不明瞭である。(ドラッカー・マネジメント)

明確なビジョンを示すことができないリーダーでは、真の意味でのリーダーシップを発揮できません。企業が持続的に成長していくためには、目指すべき将来像、すなわちビジョンが不可欠です。

しかし、成果を出せない社長は、ビジョンを明確に示すことができず、組織全体が同じ方向を向いて進んでいくことができません。ドラッカーは「ビジョンを示すことのできないものは、リーダーではない、それは事務長にすぎない!」といいます。

社長、リーダーとはビジョンを示すものなのです。ミッション・ビジョンなき組織では、社員はなんのために日々の業務をおこなっているか分かりません。目的なき業務では組織のモチベーションがあがることはないのです。

ビジョンとして、例えば、「10年後、業界をリードする存在になる」「社会に貢献できる革新的なサービスを生み出す」といった、社員を奮い立たせるような具体的なビジョンを示し、経営計画書に明記しなければ、社員は、何のために働いているのか、自分の仕事が会社にどのように貢献しているのかを実感することができず、モチベーションやエンゲージメントの低下を招くことになるのです。

ドラッカーは、「企業は、社会の中で独自の使命を果たすために尊大している。」
「企業は社会の中でその存在意義と使命を明確に示さなければならない」と述べています。

社長の示す、明確なミッション・ビジョンに社員一人ひとりが共感し、その実現に向けて自発的に行動を起こせるような、具体的な経営計画を提示することが、組織の成長には欠かせません。

【3】決断力がない

「必要な時に決断を下せず、優柔不断である。」

「経営という仕事は意思決定である。優柔不断は組織に害をもたらす。」(経営者の条件・ドラッカー)

経営という仕事は、常に人・モノ・カネというものをリスクを取りながらどのように投資していくかについて意思決定することです。経営とはリスクを伴う意思決定なのです。

そして激しく変化する外部環境においては、スピードを持った意思決定がなされなければ、事業機会を逃してしまいます。社長という仕事は、外部環境の変化に応じて迅速かつ的確な判断を下すことが求められます。
しかし、成果を出せない社長は、リスクを恐れ、決断を先延ばしにする傾向があります。

ドラッカーは意思決定については、遅くても2週間以内にしなければならないと言います。
これは30年前の話できすから、現代においては、より早いスパンの意思決定が求められるのです。

特に中小企業の場合、大企業と比べてその強さはスピードにあります。経営とは意思決定、スピードを持った意思決定こそ、社長が心がけるべきものなのです。社長は優柔不断であってはならないのです。そして、正しい意思決定をするために、社長は常に経営の原理原則を学び、刃を研ぎ続ける必要があるのです。

ドラッカーは言います。

「経営という投資活動自体がリスクであり、経営からリスクを取り除くことはできない。」
「しかし、正しい原理原則を学ぶことによって、より大きな正しいリスクをとることができるのである。」
(現代の経営・ドラッカー著)と。

【4】情報を無視する

「利用可能な情報を活用せず、無知のまま決定を行う。」(マネジメント・ドラッカー)

現代の社長は、まるで研究室の中か、寺院の中で経営を行っているようである。
顧客がいるのは市場であり、市場に合わせて適応するのが経営である。
市場を理解し、市場の息吹を感じられない社長では、正しい経営判断は行えない。(ドラッカー・現代の経営)

事業のチャンスは、市場の変化の中に生まれるとドラッカーは言います。
経営者が事業判断をする際に、事業のチャンスを見つけるときには、外部環境を目ざとくみて、事業機会を見出すということが不可欠なのです。

ドラッカーは「窓の外を注意深くみよ!」と言います。しかし、多くの社長が社長室にとじこもり、社員から上がってくる限られた情報しか参考にせずに、場合によってはその情報も聞くことなしに経営を行っています。

そして、社員はすべての情報を社長にあげるとは限りません、小さなクレーム、隠された情報によって事業危機におちいった会社は沢山あるのです。これでは事業が成果を上げることはできません。
社長自身が、自ら外部に出て、市場を理解し、顧客に対する深い情報を洞察し、感じなければ、経営は失敗を免れません。

現代の有名なコンサルタント、一倉定氏は言います。
社長室に閉じこもって、外部のことがわからず、経営をする社長をアナグマ社長という。
アナグマ社長は会社をつぶす!っと(一倉定の経営心得)

【5】誠実性・倫理観が欠如している

「誠実でない行動が従業員や顧客からの信頼を損なう。」
「真摯でない者は、リーダーの資格がない。」(マネジメント・ドラッカー)

ドラッカーは言います。リーダーにとっても最も大切なものは真摯さである。
真摯さは、後天的に学ぶことはできない、それはリーダーがもともともっていなければいけない資質である。
(マネジメント・ドラッカー著)

リーダーとして能力が高いのはもちろんですが、それ以前に人間としての信頼が勝ち取れないリーダーのもとで社員がモチベーション高く働くことができません。リーダーが真摯であって初めて、組織メンバーも正しい仕事をし、正しい成果を生みだすことができます。

社長として、誰よりも公明正大で、人間的に真摯であるということが重要です。また、この真摯さについてはドラッカーはさらに厳しい言い方をします。能力はあっても真摯でないものを昇進させてはならない、真摯でないものは組織文化を腐敗させる。社長はあくまで、真摯で、誠実であることが第一条件なのです。ではどのようにこの真摯さを実現すればいいのでしょうか?

ドラッカーは言います。朝おきて会社に行く前に洗面所の鏡の前で、今日真摯でありますようにと祈りなさい。そして、夜寝る前にまた鏡の前に私は社長として今日、真摯であったかを問いなさいと。ビジネスは、信頼があってこそ成り立つものです。成果を出せない社長の中には、倫理観やコンプライアンス意識が欠如し、不正や違法行為に手を染めてしまうケースまで見られます。社長としての真摯さを忘れ、事業上の利益のみを追求するあまり、倫理観・コンプライアンスを軽視することは、ひいては会社をつぶす行為であることを強く認識しなければなりません。

【6】学ぶ意欲がない

「新しい知識や技術に対する学習意欲がない。」

「知識労働者としての生産性を上げるために必要なことはただ一つ、学び続けることである」(ドラッカー・テクノロジストの条件)

「リーダー以上になる組織はない。リーダーの限界が組織の限界である。」

社長が成果を出すためには、常に自己研鑽に努める必要があります。特に現代は知識社会です。1年前に有用だったマーケティングの知識も、1年後には時代遅れであるなんてこともざらにあります。そして現在は環境変化がものすごく速い時代です。

この時代に経営を成長させるためには、社長は常に新しい経営知識、マネジメント知識を学び、アップデートをしていく必要があります。またリーダーの成長こそ、組織の成長です。
「リーダー以上なる組織はない、リーダーの限界が組織の限界である」とドラッカーは言います。

社長は自ら学び、組織の誰よりも成長し、限界を打ち破っていかねばなりません。社長の学び、成長、志こそが、組織を引き上げるエンジンなのです。また、社員さんに対する姿勢としても、社長が率先して、常に学びつづける姿勢を持つことで、社員の自己啓発、成長を促進する効果もあります。

私のクライアントでも、成果を出す社長は、常に学び続けています。経営を学ぶ際には、まず時代によって変わらない普遍の原理原則を学び、その後最新の経営分野の情報をアップデートしていく必要があります。経営の原理原則とは、ドラッカーのような普遍的な学びのことです。

原理原則を学ぶこと、そして最新の経営知識をインプットすることで、事業機会をいち早くとらえ、経営判断においてぶれなく、大きな成長につなげていくことができます。

成果を上げる社長として、常に学び続ける姿勢を持ち、新しい知識や技術を積極的に吸収していくことが、変化の激しい時代を生き抜き、成果を上げるための重要な要素となります。

まとめ:成果の出せない社長の性格・特徴6選

今回は、成果を出せない社長の6つの特徴を、ドラッカーの言葉を交えながら解説しました。

【1】リーダーシップがない
【2】ビジョンを示せていない
【3】決断力がない
【4】情報を無視している
【5】誠実性・倫理観が欠如している
【6】学ぶ意欲がない

これらの特徴は、組織全体に悪影響を及ぼす可能性があります。しかし、これらの課題を克服し、成果を上げる社長へと成長すれば、組織を成長路線に導くことができます。社長が正しい成果を上げるためには、経営とは何か? 経営の原理原則を学ぶ必要があります。原理原則として最適なのは、ドラッカーです。
ドラッカーのマネジメントの原則を学べば社長として、何をすべきかが明確になり、高い成果を上げる経営にシフトすることができます。

ドラッカーの名言に学ぶ 成果が上がらない組織の特長 7選

「成果の上がらない組織に共通点はあるのだろうか?」

このような疑問を抱く方もいるのではないでしょうか?
本記事では、ドラッカーの名言を交えながら、成果が上がらない組織の特長を7個解説します。自社の現状と照らし合わせながら、組織改善のヒントを探してみてください。

【1】使命・目的を明示できていない

「組織は目的なくして存在しえない。目的が明確でなければ、成果も得られない。」
「社長にとって大切なことは、仕事を生産的なものにすることである。そのためには仕事の明確な目的、つまり大義をもって、知識労働者を鼓舞する必要がある。」人は理念と価値観によって偉大なことを成し遂げるものである。(出典:ドラッカー名言集)

成果が上がらない組織に共通する点は、組織全体の使命・目的が希薄であるという点です。

「そもそも、なぜ自分たちはこの仕事をしているのか?」という根本的な問いに対する答えが曖昧では、日々の仕事にやりがいをもって取り組むことはできません。

組織の目的が不明確だと、以下の様な問題が発生します。

•従業員一人ひとりの仕事に対するモチベーションがあがらない。
•各部署・個人の目標がバラバラで、組織として一丸にならない
•短期的な計画性のない業務になりがちで、本当に重要で長期的な仕事がなされない

社員全員が共通認識を持ち、同じ方向を向いて進んでいくためにも、組織の明確な使命を定義することと、使命を成果に繋げるために、具体的な計画に落とし込むことが重要になります。

組織の目標達成のための具体的なステップ

1.現状分析: 現状の課題や問題点を洗い出す。
2.目標設定: 組織として達成すべき目標を、具体化する。
3.戦略策定: 目標達成のための各部門の戦略を立てる。
4.行動計画: 戦略を実行に移すための行動計画を具体化する
5.進捗管理・評価: 行動計画に基づいた進捗状況を定期的にモニタリングし、軌道修正を行う。

【2】適切な人材がいない

「正しい人を正しい位置に配置して、はじめて成果のある仕事がなされる。」
「人が成果を上げられないのは、能力の問題というよりは、人材配置に問題がある。」(マネジメント・ドラッカー)

成果を上げるためには、適切な人材を適切なポジションに配置することが重要です。
成果が上がらない組織では、この「適材適所」ができていないケースが多く見られます。

適材適所とは、その社員の一番の強みを活かせる業務、つまり成果の出る業務にその人員を配置するということです。

ドラッカーは言います。

「強みを中心としたマネジメントが成果を生む。」
「人が成果を上げるのは強みによってのみである。弱みからでは平凡になることさえ疑わしい。」
「チーム(組織)の目的は、人の強みを爆発させ、弱みを中和することにある。」

社長は各社員の強みを明確に把握し、その強みを最大に発揮できる仕事に着ける必要があるのです。村瀬のドラッカー研修でも、特に重視することは、メンバーの強みを明確にして、どのようにしたら最大の成果と生産性が上がるのを徹底的に考えてもらうことです。

というのが、多くの企業で社長が、思ったほど社員が成果を上げないことに悩んでいますが、その根本原因は人事の誤りにあるのです。強みを中心に、強みを爆発させ、成果に繋げる人事ではなく、弱みの矯正の人事になっていることがほとんどなのです。

ドラッカーが言うように、弱みはいくら矯正しても成果を生むことはありません。強みを中心とした経営を行い、強みから仕事を構成し、成果をださせることこそ経営者の仕事なのです。

【3】学習意欲が欠如している

「組織に優劣があるのではない。学んでいるか、いないかの違いである。」
「組織が卓越するのは、優秀な人を採用するからではない。文化を風土によって自己啓発を動機付けるからである。」(ドラッカー・マネジメント)

現代社会は知識社会と呼ばれます。知識社会においては、今年新しかった知識も、来年になればまったく使えなくなるようなこともざらにあります。そのため、常に新しい経営知識を学び続け、組織として自己成長を追求していく姿勢を作る必要があります。

そのため、社長として個人と組織の双方で、継続的な学習を促進する仕組みを構築することが重要です。
ドラッカーも継続学習と自己啓発が知識社会で成長し続けるための鍵であると言います。
私はこのように学び続ける組織と、学習する組織と定義しております。

学習する組織を創るためには以下のような施策が考えられます。

1.人材育成制度の充実
マネジメントスキルを身につけるための研修や、業務の専門向上のための研修制度づくり
2.自己啓発支援制度の導入
書籍購入補助やセミナー参加補助など、社員の自己啓発を支援する制度
3.OJTの強化
上司が部下に対して、実務を通して必要な知識やスキルを指導するOJTスキルの強化
4.知識共有の促進
社内勉強会・成功事例発表会などを活用し、社員同士が知識を共有できる環境作りの促進

【4】顧客からの情報を軽視している

顧客がボスである。
今日顧客にあって何を教わったかを考えなさい。
顧客の声を聞かない組織は、市場との接点を失う。(出典:ドラッカー著・理想企業を求めて)

経営で一番大切なものは顧客です。どんなにいい商品・サービスがあったとしても顧客に選ばれなければ、企業が存続していくことはできません。そのため、顧客からのフィードバックを経営に活かすことは、製品やサービスの改善、新規事業の創出、顧客満足度向上など、企業の成長に不可欠です。

しかし、成果が上がらない組織には、顧客の声を軽視したり、フィードバックを収集・分析する仕組みが整っていません。顧客の声に真摯に耳を傾け、顧客視点で製品やサービスを改善していくことが、顧客にえらばれつづける組織につながり、ひいては事業成長に繋がります。

ここで、顧客の声をしっかりと事業に反映させる方法を考えてみましょう

【顧客の声を事業に反映させる方法】
1.顧客満足度調査の実施: 定期的に顧客満足度調査を実施し、顧客の声を収集する
2.アンケートフォームの設置: Webサイトや店舗にアンケートフォームを設置し、顧客が気軽に意見や要望を伝えられるようにする
3.SNSの活用: Twitter や Facebook などの SNS を活用し、顧客との持続的なコミュニケーションを取る
4.カスタマーサポート部の充実: 顧客からの問い合わせに対応するカスタマーサポート部を充実させ、顧客の声を収集、顧客との信頼構築を行う

日本屈指のコンサルタント、一倉定もいっています。
経営不振の原因は、お客様を無視したことが原因なのである。と顧客の声に、真摯に耳を傾け、事業を改善する仕組を構築しましょう。

【5】イノベーションを起こさない

「組織はイノベーションしていかなければならない。」
「経営とは変化する外部環境に合わせ、自社を作り変えることである。」
「革新的でない組織は、競争の中で取り残される。」(ドラッカー著:マネジメント)

イノベーションとは、既存の枠にとらわれず、新しい製品やサービスを創造することで、企業が長期的に成長していくために不可欠な要素です。しかし、成果が上がらない組織は、変化を嫌い、新しいことに挑戦することを恐れる傾向があります。

その結果、市場の変化に取り残され、競争優位性を失って淘汰されていきます。イノベーションを起こすためには、社員から新しいアイデアがあがってくるような組織文化を築くことが重要になります。ここで、イノベーションを促進する組織づくりについて考えてみましょう。

【イノベーションを促進する組織文化の作り方】
1.心理的安全性の確保
新しいアイデアや意見を自由に発言できる雰囲気づくり。失敗を恐れず、積極的にチャレンジできる環境を整える。
2.多様性を重視する:
多様な価値観や偉業からの転職組など異なった背景・経験を持つ人材が集め、新しいアイデアが生まれやすくする。
3。社内ベンチャー制度を導入する
社員から新規事業のアイデアを募集し、優秀なアイデアには事業化の資金や人材を提供する制度を導入する。
4.オープンイノベーションを推進する
社外企業や大学、研究機関などと連携し、共同で新製品やサービスの開発に取り組むことで、イノベーションを加速する

イノベーションは、企業が永続するための大きな課題です。イノベーションの組織創りを行うことが、成長企業を創る鍵になるのです。

【6】内部対立がある

「社内政治は、派閥は経営判断のスピードを損ね、経営に悪影響を及ぼす。」
「内部対立が解決されず、エネルギーの浪費を引き起こす。(ドラッカー著:現代の経営)」

組織の中で、部門間・メンバー間で意見が衝突することは避けられないことです。しかし、建設的な議論を重ね、組織全体として一丸となり成長していけるのであれば問題ありません。

20世紀最も成長した企業であるアマゾンでは、行動指針の中に「反対しても、議論して決定したことについては、全員一丸となって実行を応援する」といものがあります。一方で、成果が上がらない組織では、部門間の対立や個人間の確執などが放置され、非生産的な状況に陥っているケースが多いのです。

このような状態を放置すると、以下のような問題に発展します。

•組織全体の士気が低下し、パフォーマンスが低下する
•重要な意思決定が遅延し、ビジネスチャンスを逃す
•優秀な人材が流出し、組織の競争力が低下する

健全な組織運営のためには、対立を緩和し、一体化の材料にし、風通しの良い環境作りに力を入れる必要があります。そのため内部対立を解決するための以下のようなアプローチが必要です。

■内部対立を解決するためのアプローチ

•対立の原因を明確にする: 感情的な対立に発展する前に、まずは冷静に、なぜ対立が生じているのか、根本的な原因を突き止める。
•共通のビジョンを再確認する: 部門や個人の目標が、組織のビジョンと整合性が取れているかを確認し、共通認識を醸成する。
•対話の場を通じて相互理解を深める: 一方的な主張を繰り返すのではなく、お互いの意見に耳を傾け、相手の立場を理解する場をつくる。
•第三者を介入する: 対立が深刻化し、当事者間での解決が難しい場合は、コンサルタントなど、第三者を介入してファシリテーションしてもらうことも効果的です。

組織にはいろんな背景、意見の人がいるからこそ、様々なリスクを見出し、効果的な経営施策をとれるとも言えます。葛藤・対立を克服し、効果的なアクションプランに結び付けていきましょう。

【7】人事評価が公正でない

「不公正な評価システムは、従業員のモチベーションを削ぐ。」
「社員ががんばっていることを評価する、適切な評価制度があることが、人が生かされる会社の条件である。」
(出典:ドラッカー・理想企業を求めて)

社員が安心して働き、能力を最大限に発揮するためには、公平で透明性の高い人事評価が不可欠です。しかし、成果が上がらない組織では、評価基準が曖昧であったり、評価者によって評価にバラつきがあるなど、人事評価制度が機能していない場合が多いのです。不公平な評価は、社員のモチベーション低下や離職に繋がるだけでなく、組織全体の士気や生産性を低下させます。

そこで、人事評価制度を正しく運用するために以下のような施策を取り入れることが重要です。

■公平で透明性の高い評価システムの構築ために

•評価基準を明確化: どのような成果を上げれば、どの程度の評価になるのか、具体的な評価基準を明確に定義する。
•評価項目を具体的に設定: 業務に関連する知識やスキル、行動目標などを評価項目として設定し、客観的な評価を可能にする。
•多面評価制度の導入: 上司だけでなく、同僚や部下、顧客など、複数の評価者から評価を受けることで、評価の公平性を高める。
•評価結果のフィードバック: 評価結果を本人にきちんと面談等でフィードバックし、今後のキャリアプランや能力開発に活かせるようにする。

正しい人事評価制度は、社員の自己成長を後押しし、モチベーションを高めることにつながります。
あなたの会社の評価制度は、社員が成長するツールとして、しっかり機能していますか?
機能していないとしたら、どのように改善しますか?

ドラッカーは、人事評価は、最大のマネジメントの武器であると言います。人は評価される方向に向かい、成長していくものだからです。今一度、わが社の人事評価制度の在り方をじっくり考えてみましょう。

まとめ:成果の上がらない組織の特長7選

【1】使命・目的を示せていない
【2】適切な人材が不足している
【3】学習意欲がない
【4】顧客からの情報を軽視している
【5】イノベーションを遂行しない
【6】内部対立がある
【7】人事評価が公正でない

今回は、成果が上がらない組織の特長を7個解説しました。
これらの特徴は、組織の成長を阻害する大きな要因となります。
自社の現状と照らし合わせながら、組織改善のヒントとして活用してみてください。

経営者として成功するために

いかがでしたか、今回は、社長がやってはいけないことについて、ドラッカーの経営学の視点からお話させて頂きました。では、成功する経営者とそうでない経営者は何が違うのでしょう?

原理原則を学ぶ

ドラッカーは言います。「マネジメント(経営)に優劣があるのではない。学んでいるか、いないかの違いである。」

経営者は、マネジメントの基本・原理原則を学ぶことで、正しい経営を行い、組織に正しい成果を生みだすことができるのです。失敗しない経営者になるためには、ダメ社長にならないためには、経営者は学ぶ必要があるのです。

自覚と責任を身につける

経営者は常に学び続ける必要があります。 そして経営者が学ぶことは多岐に渡ります。事業の外部環境、マクロ経済の流れ、業界の動向、そして最新のマネジメントスタイル、そして自己のリーダーシップと高めるための人間学。その中も最も大切なものは、経営の軸、「型」となる経営の原理原則です。

経営の原理原則とは、まさにドラッカーのことです。ドラッカーはマネジメント(経営)という概念の発明者であり、ドラッカー以上の経営の原理原則を説いた人はいません。

ドラッカー経営は、世界の名経営者が活用し、多くの企業の成長や躍進の礎となった経営学です。たとえば世界的な大企業であるトヨタ、アマゾン、グーグル、ユニクロ、アップルなども、このドラッカーの考えを活かすことで、世界的企業へと成長しました。そして現在の経営学、経営コンサルタントはすべてドラッカーの原理原則から始まったといっても過言ではありません。社長が学ぶべき、経営の原理原則は、ドラッカーなのです。

社長力を高めるドラッカーの参考文献の紹介

しかし、ドラッカーの学問はとても膨大で、とても簡単に学べるものではありません。その中でも、特に経営者がはじめに学ぶべきなのは、マネジメント[エッセンシャル版] – 基本と原則(ダイヤモンド社)です。

ドラッカー経営額のエッセンスが詰まっている書籍です。しかし、この本が難しい、一読しただけでは、経営に熟練した社長でも一体何を具体的におこなったらいいかは掴みづらいと言います。

そのため、ドラッカーのマネジメントを学ぶには、まずドラッカーを熟知した専門コンサルタントのセミナーでその概要を理解していただくのが経営成功への一番の近道です。

ドラッカーのマネジメントは、3時間のセミナーでその概要を掴むことができます。

【3時間で分かる!感動ドラッカー・マネジメント講座】

経営者としての心構えとして、自己成長にコミットする

ドラッカーは言います。

「リーダーの限界が組織の限界である。リーダー以上になる組織はない。」

社長以上になる組織はありません。リーダーは常に学び続ける必要があるのです。組織と事業を常に成長させるために、リーダーとして自己成長にこれまで以上に強くコミットしてください。経営者は学び続け、成長し続ける必要があるのです。それも一生です。人と組織の成長の限界はありません。 常に一歩先へ、経営者としての事故の成長にコミットしてください。

経営者はドラッカーを学ぼう! まとめとしてのアクションプランの提案

社長が経営力をたかめ、ダメ社長になるのを防ぐために必要なことは、経営の原理原則であるドラッカーを学ぶことでした。

経営の原理原則を学び、日々の経営の中で実践し、弛まぬ自己成長を続け、社員と組織、事業を大きな成長に導いていきましょう。経営者としての自己を変えたい、これまで以上の成長を起こしたい、社員を幸せにしたい、誇りある組織にしたいとお考えの社長あいますぐドラッカーを学べる3時間のセミナーをご受講してみてください。

過去の延長戦上にあり、大きなイノベーションがあなたの経営にもたらされます。ドラッカーの原理原則を軸に、社長力をたかめ、組織の成長の大きな転機としましょう!

私はドラッカー専門のコンサルタントとして、あなたとあなたの組織の成長を心から応援させていただきます!善は急げ!です。インスピレーションと直感を信じて、ドラッカー経営の門をたたいてみて下さい。

まずは3時間セミナーを受けてくださいね。


ブログ執筆者 ドラッカー専門の経営コンサルタント 村瀬弘介

2002年、大学卒業後、株式会社KUBOTAの人事教育部で全社の人材育成を担当。2011年、経営と起業家精神をより深く学ぶために日本経営道協会(コンサルタント)に転職。

2013年、小宮一慶氏の経営する株式会社小宮コンサルタンツに経営コンサルタントとして転籍。本格的な経営コンサルティングを開始。マネジメントを学ぶ中で、【ドラッカーの人を活かす経営】との運命的な出会いを果たす。

人が活かされ、高い成果を上げる幸せな企業をつくることこそ自分の天命だと悟り、2017年独立。「高い理想と自己犠牲の精神で、人の魂の成長に貢献する」「リーダーの人格の向上に奉仕する」をコンセプトに、使命感を持って日々の業務にあたっている。

講師としても依頼が絶えず、全国の商工会議所、経営者団体など各種経済団体でのセミナー講師、上場企業・中堅企業での研修講師を年間200日以上務める。「情熱的でドラッカー愛に溢れる講義は、まるでドラッカーのイタコだ」「ドラッカーが降りてきた」「マネジメントの真髄を見た」と熱狂的に支持する経営者が後を絶たない。

著書:『ドラッカーが教えてくれる 人を活かす経営7つの原則(産業能率大学出版部・Amazon【企業経営部門】第2位)

■ドラッカーが圧倒的に分かる!活かせる!イノベーションが起こすドラッカーの伝道師です。