混迷の時代にリーダーが学ぶべきもの=志を象徴するイメージ

(今回は、村瀬のメルマガからの抜粋に加筆・再構成したものです。)

こんにちは、村瀬です。

今日は【リーダーの学び】についてお話させてください。

先が読めない時代です。物価も、金利も、人手も、取引先の事情も、昨日までの前提が今日には崩れている。そんな中で経営者の方から一番多くいただく相談が、「何を学べばいいのか分からなくなった」という声です。情報は溢れているのに、どれも表面をなでるだけで芯に届かない。そんな感覚をお持ちの方に、今日は一つの基準をお伝えしたいと思います。

結論から申し上げます。混迷の時代にリーダーが学ぶべきものは、小手先のノウハウではありません。それは【志】です。自分がこの事業を何のために行うのか、という根っこの部分です。以下、その理由と、志を養うための具体的な方法を順を追ってお話しします。

この記事でまとめたこと

リーダーは何を基準に学ぶべきか

村瀬はセミナーや書籍が大好きで、年間300万円以上を学びに投資し続けています。

その中で、【何を学ぶか】について一つ決めている大切な基準があります。

それは、それを学ぶことが【自分の視座を高めてくれるか】、【志を高めてくれるか】ということです。

世の中には無数のセミナーや教材があります。集客の技術、値付けの技術、DXの進め方。どれも役に立つものです。けれど、それらを学んでも心が高鳴らない、明日の自分の在り方が変わらない、という学びであれば、私は優先順位を下げます。逆に、読み終えたあとに背筋が伸び、「よし、やろう」と体温が上がるような学びは、多少値が張っても迷わず選びます。判断の物差しが【技術か、志か】ではなく、【この学びは自分の志を高めるか】に一本化されているのです。

中小企業の経営者ほど、この基準が効く理由

大企業であれば、社長一人の志が多少ぶれても、組織の慣性が事業を支えてくれます。しかし社員数十名規模の中小企業では事情が違います。社長の内面が、そのまま会社の空気になり、意思決定の速さになり、社員の顔つきになります。だからこそ中小企業のリーダーにとって、志を高める学びは「あれば良いもの」ではなく、経営の中核そのものなのです。

リーダー以上になる組織はない。リーダーの限界が組織の限界である

事業をやる上で、【社長の視座、志、想い】以上に事業が成長することはありません。

ドラッカーもこう言っています。

・リーダー以上になる組織はない。

・リーダーの限界が、そのまま組織の限界である。

これは厳しい言葉ですが、同時に希望の言葉でもあります。組織を変えたいなら、まず自分の器を広げればよい。順番が逆ではないのです。社員研修に手をつける前に、社長自身が学び、視座を上げる。すると不思議なほど、周囲の反応が変わり始めます。

そのため、事業をさらに成長させ、社員さん、そして社会に貢献しようと思うならば、リーダーは自己の志、想い、情熱を、【現在よりももっともっと高いもの】にしていく必要があるのです。

その学びは、リーダーの志を高めるか

村瀬の研修、コンサルティングでも、一番大切にしているのは、その場に出て【志が高まるかどうか】です。

知識が増えたかどうかではありません。知識だけなら本を読めば足ります。研修を受けたあとに、社長の目の色が変わり、翌朝の朝礼で語る言葉に熱がこもるか。そこを私は見ています。

また、私は森信三先生が大好きです。昭和教育の父と呼ばれる森信三先生の学問は、【立志、立命の学問】だと言われます。

森信三先生はこう言います。

人間は志が立つまでは、火のついていない蝋燭と同じである。そんな人間は弱く、のれんに腕押しであり、浮草のようなものである、と。

火のついていない蝋燭は、形は立派でも、周囲を照らしません。社長がまさにそれです。志という火が灯って初めて、会社という蝋燭が周りを明るくし始めるのです。

困難な時代こそ、志を堅固にする

このような困難な時代こそ、リーダーは今一度、【志を堅固にする】必要があります。

外部環境が恐怖と停滞感に満ちていればこそ、リーダーの【志は、燃える炎・一点の松明】となって、その停滞を焼き尽くすほど、ますます明るく燃えている必要があるのです。

あなたの志は、堅固に、そして今、熱く燃えていますか。

それとも、先行き不透明な環境の中で、ご自身が恐怖し、その不安が知らず知らず社員さんにも伝わっていないでしょうか。

不安は、言葉より先に伝わる

現場でよく見る光景があります。社長は「大丈夫だ」と口では言う。けれど、朝の表情が硬い。会議で細かい数字ばかり詰める。すると社員は言葉ではなく、その空気から不安を読み取ります。逆に、志が定まっている社長は、たとえ数字が厳しくても腰が据わっている。その落ち着きが、そのまま組織の安定になります。だからこそ、危機の時ほど、まず自分の志を確かめる時間が要るのです。

志を強化するために必要なこと

では、どうすれば志は強くなるのか。

志を強化するには、【太古の昔から偉大なリーダーが行ってきた原理原則】を参考にする必要があります。

それは、【自分の内面、原理原則、魂の存在意義に立ち返る】ことです。

外部環境が変化してやまないからこそ、【根っこ】に戻る。根っこに戻り、根っこを養生し、根っこを強化するのです。枝葉である戦術は、環境が変わればすぐに古びます。しかし根っこである志は、環境が変わるほど価値を増します。

では、その根っこに与える養分は何か。

それこそ、過去の聖賢と呼ばれた人の「言霊」です。魂、情熱、エネルギーの宿った「言霊」です。

村瀬が実践している、志を養う日課

村瀬は最近、自宅のトイレに論語、言志四録、森信三、安岡正篤、中村天風の本を置いて、トイレに行くたびに必ず一節を音読することにしています。

ひたすら忠実に声に出して読む、【素読】ですね。

今日はこのページ、今日はこの言葉、と何度も読みます。トイレが近いので、一日に何度もです(笑)。

大げさな決意も、特別な時間の確保も要りません。すでに生活の中にある習慣に、聖賢の言葉を一つ結びつけるだけです。忙しい経営者ほど、この「ながら素読」は続けやすいと思います。

素読が身体感覚を伴い、魂さえ振動させていく

そうすると、どうなるか。

言霊を発した【声帯の波動】と、【言葉の意味】が、体全体に染みわたるのです。

【発音】と、体の【振動】、そして【精神】の方向性が重なり、まさに【魂】に練り込まれていきます。

黙読では頭を通り過ぎるだけの言葉が、声に出すことで身体に刻まれる。理屈ではなく、感覚として腹に落ちる。これは本当にお勧めです。

今こそ、リーダーの志【根】を養生する

混迷極まる現代において、一番大切なことは、根に帰り、【根を養生】し、事業の志を再度明確にし、堅固にし、圧倒的に志を高めることです。

あなたは事業を何のために行っているか

ドラッカーはこう問いかけます。

・あなたの事業の使命は何か。

・あなたの事業は、世界をどのように変えるのか。

・そして、あなたが亡くなった時、後世の人にどんな人として記憶されたいか。

つまり、すべての事業を【志、使命から堅固にしなさい】ということです。

今、あなたの使命は明確ですか。事業の志、ミッションは、社員さんを鼓舞するほど燃えて、彼らに勇気を与えていますか。

それとも、変転する市場の中で反応的な神経質となり、芯がぐらぐらとしていませんか。

三つの問いに、紙とペンで答えてみる

抽象論で終わらせないために、実際に手を動かすことをお勧めします。次の三つを、紙に書き出してみてください。

一つ、創業者・後継者として、この事業の意義は何か。

二つ、自分は何を行いたくて、この事業を立ち上げたのか。あるいは受け継いだのか。

三つ、自分の人生のゴールを、この事業の中にどう位置づけるか。

頭で考えるのと、書き出すのとでは、明確さがまるで違います。ぼんやりしていた志が、文字になった瞬間に輪郭を持ちます。

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使命から考え抜けば、事業の本質が見えてくる

【使命】から事業を考え抜くと、次のことが見えてきます。

・何をするべきなのか。

・何を加えるべきなのか。

・また、何を捨てるべきか。何をやめるべきなのか。

こうして、あなたの事業の【本質、根っこ、芯】が養生されていきます。多くの中小企業が抱える「あれもこれも手を出して疲弊している」という状態は、たいてい、この使命からの絞り込みが済んでいないことが原因です。志が定まれば、やらないことが決まります。やらないことが決まれば、限られた人と時間を、本当に大事な一点に集中できるのです。

根っこを養生するには、原理原則に立ち返り、何度も繰り返し学び続ける

これができる学びが、原理原則の学びです。

変化してやまない表面的なハウツーではなく、リーダーの魂に響く普遍の原理原則です。

一度ドラッカーを学んだ方、もう分かったと思った方でも、【原理原則は、何度も繰り返し学び、実践し、さらに学び修練し続ける】からこそ、【人間形成、企業の文化形成】に最大の効果をもたらします。

一回学んで終わりにするのは、素振りを一度しただけで打席に立つようなものです。原理原則は、身につくまで反復してこそ力になります。

村瀬は、このようにドラッカーを復習できる研修や、ドラッカーを通じ【環境変化の中で、事業の本質と機会を再定義できるコンサル】を実施しておりますので、是非ご活用ください。

根っこ、芯、原理原則こそ重要です。

移ろいやまない現象・表層にとらわれず、根っこ・本質・原理原則から、今一度、強力なビジョンを練り抜きましょう。

それがあなたに、リーダーとしての確固とした信念と、事業の明確でパワフルな方向性をもたらします。

あなたの使命からの事業の躍進を、心から応援しております。

まとめ

混迷の時代に、リーダーが本当に学ぶべきものは、次々と現れる新しいノウハウではありません。それは自分の内面にある【志】です。

・リーダー以上になる組織はない。組織を変えたいなら、まず自分の視座と志を高める。

・志を養う養分は、聖賢の言霊。素読という日課で、言葉を頭ではなく身体と魂に刻み込む。

・使命から事業を考え抜けば、やるべきこと・やめるべきことが自ずと定まる。

・原理原則は一度で終わらせず、繰り返し学び、実践し続けてこそ力になる。

外部環境が荒れているときほど、答えを外に探したくなります。しかし本当の答えは、根っこにあります。今日から一節でいい、声に出して読むことから始めてみてください。志という火が灯れば、組織という蝋燭は、必ず周りを照らし始めます。

混迷の時代とリーダーの学びに関するよくある質問

混迷の時代に、リーダーはまず何から学ぶべきですか。

新しい技術やノウハウよりも先に、自分の【志】を確かめることをお勧めします。この事業を何のために行うのか、という根っこが定まっていないと、どんなノウハウも表面をなでるだけで力になりません。まずは紙に、事業の使命と自分の想いを書き出すところから始めてみてください。

なぜ、ノウハウより志が大切なのですか。

ノウハウは枝葉であり、環境が変わればすぐに古びます。一方、志は根っこであり、環境が荒れるほど価値を増します。とくに中小企業では、社長の志がそのまま会社の空気と意思決定の質になります。リーダー以上に組織は成長しない、というドラッカーの言葉のとおり、志を高めることが組織全体を引き上げる最短の道になるのです。

忙しくて学ぶ時間がありません。それでも志を養う方法はありますか。

あります。村瀬が実践しているのは、すでにある生活習慣に一節の素読を結びつける方法です。特別な時間を確保する必要はありません。一日に何度か通る場所に聖賢の本を一冊置き、そのたびに一節だけ声に出して読む。この積み重ねが、頭ではなく身体と魂に言葉を刻んでいきます。

ドラッカーは一度学びました。もう一度学ぶ意味はありますか。

大いにあります。原理原則は、一度理解したつもりでも、繰り返し学び、現場で実践し、また学び直すことで初めて人間形成と企業文化の形成に効いてきます。素振りを一度しただけでは試合で打てないのと同じです。同じ言葉が、経営の局面が変わるたびに違う深さで響いてくるはずです。

志を確認したいのですが、一人ではうまく言葉になりません。

一人で向き合うと堂々巡りになりがちです。村瀬は、自己の志と事業の方向性を対話の中で言葉にしていく体験コンサルティングを毎月4名様限定で行っています。問いを投げかけられ、それに答えるうちに、ご自身でも気づいていなかった想いが輪郭を持ってきます。ご関心のある方は、下記のご案内をご覧ください。

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お読み頂き、ありがとうございました。

ドラッカーで社長の使命を確立し、明確な事業ビジョンを形にする

情熱のコンサルタント 村瀬弘介(合掌)


■ブログ執筆者 日本一分かりやすく!情熱的にドラッカー経営の本質を伝える・ドラッカー専門の経営コンサルタント

日本リーダーシップ・オブ・マネジメント株式会社 代表取締役 村瀬 弘介
「ドラッカー教えてくれる 人を活かす 経営7つの原則」著者

大学卒業後、株式会社KUBOTAの人事教育部で全社の人材育成を担当。経営と起業家精神をより深く学ぶために日本経営道協会(コンサルタント)に転職。

小宮一慶氏の経営する株式会社小宮コンサルタンツに経営コンサルタントとして転籍し、本格的な経営コンサルティングを開始。マネジメントを学ぶ中で、【ドラッカーの人を活かす経営】との運命的な出会いを果たす。

人が活かされ、高い成果を上げる幸せな企業をつくることこそ自分の天命だと悟り、2017年独立。「高い理想と自己犠牲の精神で、人の魂の成長に貢献する」「リーダーの人格の向上に奉仕する」をコンセプトに、使命感を持って日々の業務にあたっている。

講師としても依頼が絶えず、全国の商工会議所、経営者団体など各種経済団体でのセミナー講師、上場企業・中堅企業での研修講師を年間200日以上務める。「情熱的でドラッカー愛に溢れる講義は、まるでドラッカーのイタコだ」「ドラッカーが降りてきた」「マネジメントの真髄を見た」と熱狂的に支持する経営者が後を絶たない。

ドラッカーが圧倒的に分かる!活かせる!と言われる村瀬の講義をご覧ください。


ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
もし、自社の経営や組織にドラッカーをどう活かせばよいか、少しでもお悩みでしたら、ここから先もぜひ読んでみてください。ドラッカーに関心をお持ちの経営者・管理職の方への、補足のご案内です。

なぜ、一般的な管理職研修では組織が変わらないのか

ここまでの「強みを見る視点への切り替え」は、今日からでも実践できます。
ただ、正直にお伝えすると、個人の工夫や一度きりの研修だけでは、なかなか続きません。
これも、多くの経営者が同じ壁にぶつかるところなんです。

変化のゆるやかだった時代なら、管理職は決められたことを「管理」するだけで十分でした。
けれど、変化の速い今は違います。求められているのは、
経営者であるあなたと視点を合わせ、現場を一丸にして、自ら組織に変化を生み出す「チェンジリーダー」です。
「管理」の技術だけでは、組織は根っこから変わりません。

根本の答えはドラッカーにある。でも“普通のドラッカー”では実践できない

生産性、部下育成、理念の浸透、組織の元気――。
こうした悩みの根っこを解くヒントは、実はそのすべてが、ドラッカーの原理原則の中にあります。
だからこそ、目先の技術を教える一般的な研修ではなく、ドラッカーの本質を学ぶ研修が必要なのです。

とはいえ、ここで多くの方がつまずきます。ドラッカーの原著は、分厚くて、正直とても難しい。
言葉を抽象的に学ぶだけの研修やセミナーは、「難しかった」で終わってしまい、
中小企業の現場ではそのまま使えないのです。

中小企業が“すぐ実践できる”村瀬式ドラッカー7つの原則

そこで私は、この難しいドラッカーの理論を、
中小企業がそのまま現場で使える形に絞り込んで体系化しました。
それが「人を活かす経営 7つの原則」です。おかげさまで257社以上に導入いただき、
産業能率大学出版部から出した書籍も7刷を重ねています。

いちばんの特長は、一度きりの研修で終わらせず、すぐに実践でき、
「仕組み」として組織に定着すること
。
マーケティング、イノベーション、成果、学習、リーダーシップ、使命、人を活かすマネジメント。
この7つを順に根づかせていくと、管理職の一人ひとりが、自然とチェンジリーダーへと育っていきます。

観点 一般的な管理職研修 村瀬式ドラッカー7つの原則研修
育てる人材 組織を管理する管理職 組織に変化を生むチェンジリーダー
分かりやすさ ドラッカーは難解で実践しにくい 中小企業が実践できる、一番わかりやすい形に体系化
定着 一過性で終わりがち すぐ実践でき、仕組みとして組織に定着
伝え方 知識を頭で理解させる 情熱を込め、心から腹落ちさせる
実績 ― 導入257社以上/受講1,520名以上

情熱が、組織に火をつける

多くの研修は、知識を頭で理解させて終わります。
でも私は、ドラッカーが込めた情熱そのままに、心から「腹落ち」していただくことを、何より大切にしています。
その熱量は、YouTubeの講義動画を見ていただければ、きっと伝わるはずです。

これまで受講された社長さんや管理職の方から、
「社長魂に火がついた」「他のセミナーにはない、魂からの感動があった」といった声を、数えきれないほどいただいてきました。
理屈で終わらせない。心を動かす。だからこそ、研修のあとに行動が変わり、組織に火がつくのです。

管理職が育てば、組織そのものが変わっていく

一人の管理職が変われば、そのチームが変わります。チームが変われば、次の幹部候補が育つ。
そうやって、組織全体が確実に変わっていきます。
これが、一般的な管理職研修と、村瀬式ドラッカー「7つの原則」研修との、決定的な違いです。


ドラッカー7つの原則研修

「まずは本を読んでから」という経営者の方も、たくさんいらっしゃいます。
産業能率大学出版部『ドラッカーが教えてくれる 人を活かす経営7つの原則』(7刷)も、どうぞ手に取ってみてください。
そのうえで、貴社の管理職研修や組織づくりのお悩みに合わせたご相談も、いつでもお受けしています。
大丈夫です。一緒に、その一歩を考えていきましょう。まずはお気軽にお問い合わせください。


著者:村瀬 弘介(むらせ こうすけ)/経営コンサルタント・著者

中小企業向けに、難解なドラッカー理論を「そのまま実践できる仕組み」へと体系化した
「村瀬式ドラッカー・人を活かす経営7つの原則」を提唱。導入企業257社以上、受講者1,520名以上。
著書『ドラッカーが教えてくれる 人を活かす経営7つの原則』(産業能率大学出版部)は7刷を重ねるロングセラー。
熱血の講義で、組織に火をつけ、管理職をチェンジリーダーに進化させる研修に定評がある。