「事業の問題ばかりに目がいって、気が滅入ってしまいます?何かいい考えはありませんか?」
―セミナーで、経営者の方から頂いたご質問です。
大変化の時代を乗り切っていくためには、悲観的な分析よりも、大楽観で未来を信じる、そんな思想こそドラッカー説くのリーダーのあるべき姿です。
悲観主義は何にもなりません。組織のエネルギーを衰退させるだけです。
利益は機会追求によってのみ得られます。
問題解決ばかりに目がいって、機会を追及する姿勢を失うと、会社のエネルギーは落ちていきます。
ドラッカーも言います。
「問題に目を奪われて、機会を見失うことがあってはならない。」(経営者の条件)
ビジネススクールや受験の悪癖で、多くの人が問題を発見し適正化することが仕事だと思いこんでいます。
しかし、問題を解決しても、以前と同じ風景が戻るだけ、
問題解決よりも、機会追及に焦点を当てる事が成果(利益)をもたらすのです。
この記事でまとめたこと
問題よりも、まず機会について話す習慣をつける
経営計画発表会、会議、面談においても、問題よりも機会について話す習慣をつける必要があります。
組織が問題ではなく、機会を見続ける、機会志向の集団に進化するためです。
組織が成果をあげなければ、社会不安が起き、また2度の大戦のような全体主義の時代に戻ってしまいます。
そのためにも、経営に高い成果を求めるのがドラッカー経営。
徹底的な成果志向であり、導入することで大きく成果をもたらします。
成果を上げるためには、大楽観で、機会志向へと組織を導いていく必要があるのです。
挑戦心に溢れるドラッカーの言霊を紹介します。
マネジメントリーダーに贈る 4つの言葉
過去ではなく、未来を選びなさい。
問題ではなく、機会に焦点をあわせよ。
横並びではなく、独自性を持ちなさい。
無難なものではなく、変革をもたらすものに焦点をあわせよ。
(プロフェッショナルの条件 ドラッカー)
挑戦的な起業家精神こそ、ドラッカー思想です。
大楽観に徹し、この時代を切り拓いていきましょう。
あなたの勇気が卓越した成果を生むことをお祈りしています。
ご質問、ご意見はお気軽にくださいね。
参考動画
■現場のアクションプラン
【1】会議の冒頭を「機会の話」から始める
多くの会議は、問題報告と犯人探しで時間が過ぎていきます。それを、まず「今、どんな機会が見えているか」を一人ずつ話すところから始めてみてください。順番を変えるだけで、場の空気が前を向きます。
【2】うまくいっている仕事に、あえて人と時間を寄せる
うまくいっていない仕事の火消しに追われると、伸びている芽が枯れていきます。成果の出ている領域、伸びているお客様、手応えのある商品に、思い切って一番良い人材と時間を配分してみる。機会は、育てて初めて成果になります。
【3】「この問題は放っておいたらどうなるか」を一度問う
すべての問題を解く必要はありません。解決しても元の景色に戻るだけの問題なら、いっそ手をつけない判断もある。その分の力を、機会の追求へ回してください。
■成果につながる方法とそうでない方法
| 成果につながる方法 | 成果につながらない方法 |
|---|---|
| 機会に焦点をあわせて資源を投じる | 問題の火消しに追われ続ける |
| 伸びている仕事に一番の人材を配する | できる人を問題処理にばかり回す |
| 未来を選び、変革に焦点を置く | 過去の延長で無難な選択を続ける |
| 大楽観で組織のエネルギーを高める | 悲観の空気を社内にまき散らす |
| 解いても意味のない問題は捨てる | すべての問題を等しく片づけようとする |
■経営者へのメッセージ
経営をしていると、問題は次から次へと湧いてきます。真面目な社長さんほど、その一つひとつを丁寧に片づけようとして、気づけば一日が問題処理で終わってしまう。その気持ちは、私もよく分かります。
けれど、問題を解いた先に待っているのは、たいてい「元どおりの景色」です。会社を前へ進めるのは、問題の解決ではなく、機会をつかむ力なのです。ドラッカーが繰り返し説いたのは、まさにその一点でした。
暗いニュースの多い時代だからこそ、リーダーには大楽観が要ります。根拠のない強がりではありません。未来はまだ決まっていない、自分たちの手で拓けるという、静かな確信のことです。その確信が、社員のエネルギーに火をつけます。
まずは次の会議で、機会の話から始めてみてください。小さな習慣の積み重ねが、やがて機会志向の強い組織をつくっていきます。あなたの会社の未来は、きっと明るいものになります。
■参考にしたい機会志向に関する名言
「問題ではなく機会に焦点を合わせなければならない。成果は、問題の解決ではなく、機会の開拓によってもたらされる。」
── ピーター・ドラッカー『経営者の条件』
「未来を予測する最良の方法は、それを創り出すことである。」
── ピーター・ドラッカー『創造する経営者』
「危機とは、危険と機会が背中合わせになったものである。」
── 松下幸之助
「楽観は意志、悲観は気分である。」
── アラン『幸福論』
■クライアントの実践事例
そこで私がお願いしたのは、会議のやり方を一つだけ変えることでした。冒頭の十分間を、問題報告ではなく「今、うまくいっていること・見えている機会」を各自が一つ話す時間にしてください、と。最初はぎこちなかったそうですが、続けるうちに、若手からも「この商品の引き合いが増えている」といった声が出るようになりました。
半年ほどで、社長さんの表情が変わりました。伸びている取引先に一番の職人を回す、という決断ができるようになり、そこから新しい主力商品が育っていったのです。「問題は今もありますよ。でも、それに飲み込まれなくなりました」と笑って話してくださいました。
変えたのは、機会に目を向ける順番だけです。それだけで、会社の空気とエネルギーは大きく変わっていきました。
■機会志向に関してよくある質問と実践へのアドバイス
Q. 目の前の問題が多すぎて、機会に目を向ける余裕がありません。
A. よく分かります。ですが、すべての問題を解く必要はありません。まず「解決しても元に戻るだけの問題」と「放っておくと会社が傾く問題」を仕分けしてください。前者を思い切って手放すと、機会に向ける時間が生まれます。
Q. 大楽観と、ただの現実逃避はどう違うのですか。
A. 現実から目をそらすのが逃避、現実を見据えたうえで「それでも拓ける」と信じるのが大楽観です。数字も問題も正確につかむ。そのうえで、どの機会に賭けるかを決める。冷静さと前向きさは、両立します。
Q. 社員が後ろ向きで、社内の空気が暗いのが悩みです。
A. 空気をつくるのはリーダーです。会議の冒頭を機会の話から始める、うまくいったことを言葉にして共有する。その小さな習慣を続けるだけで、半年後には社内の表情が変わってきます。
Q. 機会と言われても、自社にどんな機会があるか分かりません。
A. 遠くを探す必要はありません。今、少し伸びているお客様、手応えのある商品、他社が手をつけていない小さな困りごと。その芽に人と時間を寄せてみる。機会は、探すものというより、育てるものです。
なぜ、今の管理職研修だけでは組織は変わらないのか
ここまでお伝えしてきた考え方や実践法は、確かに組織を変える力を持っています。ただ、正直に申し上げると、個人の工夫や一度きりの研修だけでは長続きしないことも多いのです。担当者が代われば元に戻り、忙しくなればまた元のやり方に引き戻される。そんな会社を、私は数多く見てきました。
変化の遅い時代は、決められたことを回す「管理する管理職」でよかった。しかし今、求められているのは、経営者と視点を合わせ、一丸となって組織に変化を生み出すチェンジリーダーです。生産性、部下育成、理念の浸透——管理職が抱える課題の根本を解くヒントは、すべてドラッカーにあります。だからこそ、普通の管理職研修ではなく、ドラッカーを学ぶ研修が必要なのです。
難解なドラッカー理論を、中小企業がすぐ実践できる「仕組み」に
とはいえ、ドラッカーは難解です。言葉を抽象的に学ぶだけの研修やセミナーは「難しいだけ」で終わり、中小企業の現場では使えないことがほとんどです。
そこで村瀬弘介は、ドラッカーの理論を、中小企業がそのまま実践できる形に体系化しました。それが「村瀬式・ドラッカー7つの原則」です。導入企業は257社以上、土台となる書籍(産業能率大学出版部)は7刷のロングセラーになっています。
「分かる」だけでなく「腹落ちする」研修
知識を詰め込むだけの研修とは違います。受講した社長・管理職の方が、その場で自社の課題に置き換え、「明日、これをやろう」と動き出す。情熱と感動を伴い、心から腹落ちする——それが村瀬式の研修です。これまでの受講実績は1,520名以上。「社長の魂に火がつく」と言っていただくことも少なくありません。
管理職が育てば、組織そのものが変わっていく
一人の管理職が変われば、チームが変わります。チームが変われば、次世代の幹部が育ちます。そして組織全体が、自ら成果を生み出す集団へと変わっていく。管理職研修・社員教育は、その変化の連鎖の起点です。
ドラッカーの原理原則を組織に導入し、成果に集中する強い組織をつくる。それが、村瀬式・ドラッカーの管理職研修です。対象は経営者・経営幹部・上級管理職・マネージャー。社長の判断軸づくり、経営チームの育成、管理職のリーダーシップ向上を、コンサルティングと研修を組み合わせて実現します。
貴社の管理職研修・人材育成の課題に合わせたご相談も承っております。まずはお気軽にお問い合わせください。研修の詳細はこちらのページをご覧ください。
ブログ執筆者:ドラッカー専門の経営コンサルタント 村瀬弘介
中小企業向けに、難解なドラッカー理論を「そのまま実践できる仕組み」へと体系化した「村瀬式・ドラッカー 人を活かす経営7つの原則」を提唱。導入企業257社以上、受講者1,520名以上。全国の商工会議所・経営者団体などでのセミナー講師、上場企業・中堅企業での研修講師を年間200日以上務める。著書『ドラッカーが教えてくれる 人を活かす経営7つの原則』(産業能率大学出版部)は7刷を重ねるロングセラー。「情熱的でドラッカー愛に溢れる講義は、まるでドラッカーのイタコだ」と支持する経営者が後を絶たない。



