【中小企業がドラッカーを実践するヒント】商品の「用途」を再定義して新市場を創出する方法

今回は、「商品の用途を再定義すること」によって大ヒット市場を開拓した実践事例を解説します。


今回の金言

「顧客が買っているものは、企業が売っていると考えているものとは異なる」
―― ピーター・F・ドラッカー

良いモノを作れば自然と売れる時代は終わりました。

顧客が実際に対価を支払っているのは、「企業視点の商品スペック・特徴」ではなく、「自分にとって得られる特別な体験や解決策」です。

ドラッカー実践事例:累計100万枚を突破した「スライスようかん」

創業200年を超える京都の老舗和菓子店「亀屋良長」の事例です。

若者の和菓子離れが進む厳しい市場環境の中、同社が提供価値として再定義したのは「伝統の味」そのものではなく、「食パンに乗せて焼くだけ」という新しい朝食の体験でした。

区分 位置づけ・提供価値
従来 切る手間がかかる「贈答用の高級和菓子」
転換後 パンに乗せてトーストするだけの「毎朝の手軽な楽しみ」

用途を再定義したことにより、パイが縮小する和菓子市場から巨大な「朝食市場」へのシフトに成功し、累計100万枚を超える大ヒットを記録しました。

自社で実践するための3つのステップ

【STEP 1】現在の利用シーンを書き出す

自社商品が現在、顧客から「いつ・どこで・どのように」使われているかを1つ具体的に書き出します。

【STEP 2】別の生活シーンに当てはめてみる

業界の常識にとらわれず、別のシーン(例:朝の時短、移動中、オフィスのデスクワーク、就寝前など)に商品を置いてみます。

【STEP 3】「体験」としてメッセージを発信する

スペックや性能の説明を抑え、「〇〇しながら手軽に〜できる」という具体的な利用体験として訴求します。

まとめ

新市場を作るために、商品を根本から作り直す必要はありません。

「顧客の満足(何にお金を払っているのか)」を起点に用途を再定義することで、価格競争に巻き込まれない独自の市場を創出することが可能です。