「部下の強みを見つけるために、いい方法はありますか。」
-コンサルティングでの経営者の方の質問です。
成果を上げるためには、メンバーの強みを見出し、強みから卓越してもらう必要があります。
ドラッカー経営では、強みが大切なキーワードです。
強みとは、人よりうまくできて、お客様のためになる具体的な力のことです。
ガッツがあるというのは、それだけは強みとは言えません。
ガッツがあるから、「お客様」と粘り強く話し合い、ベストな提案ができる、いつでもサポートの電話がつながる。
とお客様へ価値を作る具体的な行動に落とし込む必要があります。
また、強みを活かすためには、自分自身が強みを把握し、周囲も、その人の強みが分っていて活用できる必要があります。
ところが強みは、自然と人よりうまくできてしまうため、はっきりとわかっていない人がほとんどです。
そのため、強みは意識して見つける必要があります。
この記事でまとめたこと
強みはフィードバック面談(振り返り)で見つける
強みを見つけることは、四半期のフィードバック面談で2つの事を確認します。
1.この3か月、うまくいった仕事は何か?(成果が上がった仕事は何か?)
2.うまくいかなかった仕事は何か?
うまく仕事の中に、その人の持つ強みが隠れています。
うまくいった理由を分析し、自分は何が得意なのか、どのようなはたらきをすると、成果が出せるのかが分かるようになります。
うまくいかない仕事は弱みです。
成果を出せない弱点を強化するより、うまくいっていることを強化することがより大きな成果を生むのです。
面談の目的は、強みを見出し、卓越してもらうこと。
面談の目的を、部下の強みを見出し、強みから卓越してもらう事におき、進めます。
ドラッカーの名言です。
「人が物事成し遂げるのは、強みによってのみである。弱みは強化しても平凡になることさえ疑わしい。強みに集中し、卓越せよ。」
人の光の部分(強み・良さ・持ち味)に焦点を当てるのが、ドラッカーの人間中心の経営です。
あなたの愛が溢れる経営で、素晴らしい会社に飛躍されることをお祈りしてます。
■現場のアクションプラン
【1】四半期に一度、「うまくいった仕事」を必ず聞く
面談というと、できていないことの指摘から入りがちです。順番を逆にしてください。まず「この三か月、いちばんうまくいった仕事は何ですか」と尋ねる。本人が語る成功の中に、強みが必ず隠れています。
【2】うまくいった理由を、本人と一緒に言葉にする
「なぜ、それはうまくいったと思いますか」と掘り下げる。段取りが良かったのか、人との関係づくりが効いたのか。理由を具体的な行動の言葉にすると、本人が自分の勝ちパターンを自覚し、次から意識して使えるようになります。
【3】強みが活きる仕事を、一つ多く任せてみる
見つけた強みは、実際の仕事で使ってこそ育ちます。次の三か月、その強みがいちばん活きる仕事を一つ、意識して任せてみる。人は、得意を認められ、それで貢献できたとき、驚くほど伸びていきます。
■成果につながる方法とそうでない方法
| 成果につながる方法 | 成果につながらない方法 |
|---|---|
| うまくいった仕事から強みを探す | 失敗やダメ出しから面談を始める |
| 強みを具体的な行動の言葉にする | 「ガッツがある」で終わらせる |
| 強みが活きる仕事に集中させる | 苦手な仕事の克服に時間をかける |
| 四半期ごとに振り返る仕組みを持つ | 思いついた時だけ声をかける |
| 本人と周囲が強みを共有している | 上司だけが頭の中で把握している |
■経営者へのメッセージ
人は誰でも、必ず何か一つは、人より自然にうまくできることを持っています。それが強みです。ただ、本人にとっては当たり前すぎて、たいてい自分では気づいていません。だからこそ、上司が見つけ、言葉にしてあげる役割が大切になります。
弱みを直そうとするのは、一見まじめな努力に見えます。けれど、いくら苦手を叩いても、届くのはせいぜい平均点です。同じ時間を強みに注げば、その人は他の誰にも真似できない領域へ伸びていきます。どこに力を注ぐか。その一点で、成果は大きく変わります。
フィードバック面談は、査定の場ではありません。部下の光っている部分を一緒に見つけ、「あなたはここが素晴らしい」と伝える場です。認められた人は、自信を持ち、自ら動くようになります。
部下の欠けたところではなく、光っているところに目を向ける。その温かいまなざしこそが、人を活かす経営の出発点です。あなたの会社に、強みで輝く人が一人でも増えることを願っています。
■参考にしたい強みに関する名言
「何事かを成し遂げるのは、強みによってである。弱みによって何かを行うことはできない。」
── ピーター・ドラッカー『経営者の条件』
「人は最大の強みによって報酬を手にする。弱みによってではない。」
── ピーター・ドラッカー『明日を支配するもの』
「強みのみが成果を生む。弱みが生むのは、頭痛の種にすぎない。」
── ピーター・ドラッカー『マネジメント』
「短所を気にするより、長所を伸ばせ。長所を伸ばせば、短所は自然に消えていく。」
── 松下幸之助
■クライアントの実践事例
そこで四半期のフィードバック面談で、質問を変えていただきました。「この三か月で、うまくいったことは何?」と。すると、その社員は「お客様の細かい要望を聞き取って、間違いのない校正をしたら、とても喜ばれた」と話したそうです。話を掘り下げると、彼は人の話を丁寧に聞き、細部を正確に詰めることが、人一倍得意だとわかりました。
社長さんは思い切って、彼を新規開拓から、既存のお得意様のフォロー担当に配置換えしました。すると水を得た魚のように、お客様との信頼を積み上げ、リピートの受注を次々に取ってくるようになったのです。
半年後、社長さんは笑ってこう言われました。「ダメな社員だと思っていた。私が、彼の光っているところを見ていなかっただけでした」と。強みは、探す目さえあれば、必ず見つかるのだと教えられた事例です。
■強みに関してよくある質問と実践へのアドバイス
Q. 何度探しても、部下の強みが見つかりません。
A. 強みは「ない」のではなく「見えていない」だけです。本人が苦もなくやってしまうことは、価値だと気づきにくいものです。「最近、お客様や同僚に感謝されたことは?」と具体的な場面を聞いてみてください。感謝の裏側には、必ずその人の強みが隠れています。
Q. 弱みは、まったく放っておいてよいのですか。
A. 成果の妨げになる弱みは、克服させるより「中和する」と考えてください。その仕事を得意な人に寄せる、仕組みや道具で補う。本人には強みが活きる仕事に集中してもらう。無理に平均点を目指させるより、はるかに成果につながります。
Q. フィードバック面談は、どのくらいの頻度がよいですか。
A. 四半期に一度、つまり三か月ごとが一つの目安です。一回三十分ほどで構いません。大切なのは、続けること。回を重ねるうちに、部下自身が自分の強みを語れるようになり、面談が成長の場に変わっていきます。
Q. 強みばかり見ていると、部下が甘えませんか。
A. むしろ逆です。強みを認められた人は自信を持ち、責任感が増します。自分の得意で会社に貢献できているという実感があるからこそ、苦手なことにも前向きに取り組む余裕が生まれます。人は、認められたぶんだけ、応えようとするものです。
なぜ、今の管理職研修だけでは組織は変わらないのか
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