
ドラッカーはリーダーシップとは一貫した価値観に導かれるものだと言います。
価値観とは、あなたが心から大切に思うもの、
あなたの生きざまであり、あなたの生きる信条です。
ビジネスを強力にするために大切なことは、
あなたの価値観の延長戦にビジネスを置く事です。
つまりあなたが本当に大切に思う気持ちと向き合って
その延長線上に、あらゆる行動をリンクさせていくことなのです。
人は独自の使命をもってこの世に生まれます。
あなたには、あなたにしかできないユニークな仕事があり、
あなたはとてもユニークな魂の顕現であることを意識して下さい。
あなたにしかない価値観、そしてその延長線上にあなたの仕事を、置く時に、
あなたの仕事は、強い使命観を得ます。
これまで以上に圧倒的に顧客、社内、あらゆる関係において
あなたのもつエネルギーは増長され、まるで天から命運を得たように、
あなたはその仕事を成功に導くのです。
あなたが心から大切の思うもの、あなた自身に誠実であること
それがあなたの価値観を体現するということです。
自分が何を大切にしているのか、世間の声にかき消されずに
自分の心、魂の声に忠実であって下さい。
あなたの人生は、人に気をはばかって、捻じ曲がるのではなく
あなたの声、あなたの軸に即して、極めて忠実であるべきです。
なぜならば、あなたはどこにもいない、独自の存在なのですから・・・
あなたを、あなたの心の声を信じて下さい。
自己を強く信頼し、自信をもって、確信に満ちて、世界を美しく創造して下さい。
あなたは、使命を持って生まれたのです。
使命から仕事をするとき、価値観から仕事をするときに
あなたは、真のイノベーターとなり、この世の中に独自の貢献を成し遂げるのです。
あなたを、あなたの価値観を強く信じて下さい。
あなた自身に誠実であって下さい。
ドラッカーの魂を伝える経営コンサルタント 村瀬弘介
この記事でまとめたこと
■現場のアクションプラン
【1】自分が大切にしている価値観を、三つほどの言葉にする
漠然と「大事にしている」と思っているだけでは、日々の判断に生きてきません。誠実さ、貢献、挑戦。自分の胸の奥にある言葉を、まず紙に書き出してみてください。言葉にした瞬間、それは経営の判断軸に変わります。
【2】迷ったときに立ち返る「自社の使命」を一文で書く
わが社は、誰の、どんな役に立つために存在するのか。この一文があると、目先の数字に振り回されそうなときでも、進むべき方向を見失いません。社員にも、繰り返し語ってください。
【3】価値観に反する仕事を、ひとつ手放す
売上のために、心のどこかで「これは違う」と感じている仕事を続けてはいませんか。ひとつでいい。自分の信条に合わない仕事を手放すと、そのぶん、本当に大切なことへ力を注げるようになります。
■成果につながる方法とそうでない方法
| 成果につながる方法 | 成果につながらない方法 |
|---|---|
| 自分の価値観の延長線上に事業を置く | 儲かりそうという理由だけで事業を選ぶ |
| 使命から仕事の意味を語る | ノルマと数字だけで社員を動かす |
| 世間の声より自分の信条を軸にする | 周囲に合わせて判断がぶれ続ける |
| 信条に反する仕事を手放す勇気を持つ | 違和感を抱えたまま惰性で続ける |
| 自分自身に誠実であろうとする | 建前と本音を使い分けて取り繕う |
■経営者へのメッセージ
会社を長く続けていると、いつの間にか、目の前の数字や周囲の期待に合わせて自分を曲げてしまうことがあります。気づけば、何のために始めた事業だったのか、その原点があいまいになっている。多くの社長さんが、どこかでこの感覚を味わっているのではないでしょうか。
ドラッカーが「リーダーシップは価値観に導かれる」と言ったのは、精神論ではありません。自分が本当に大切にしているものと、日々の事業が一本の線でつながっているとき、人は最も強い力を発揮します。逆に、その線がねじれていると、どれだけ努力しても、どこか空回りしてしまうのです。
あなたが自分の信条に正直であることは、わがままではありません。それは、あなたにしかできない貢献を世に届けるための、いちばん確かな土台です。社員は、社長の言葉よりも、社長の生き方を見ています。あなたが自分の軸に忠実に生きる姿こそが、組織全体を静かに、しかし確かに変えていきます。
焦らなくて大丈夫です。まず、あなたが何を大切にしているのかを、あらためて言葉にしてみてください。そこから、あなたの経営はもう一度、力を取り戻していきます。
■参考にしたい使命・価値観に関する名言
「何によって憶えられたいか。この問いかけが人生を変える。」
── ピーター・ドラッカー『非営利組織の経営』
「人は自らが持つものでしか貢献できない。」
── ピーター・ドラッカー『経営者の条件』
「自分の心に忠実であれ。それができれば、夜も昼と同じように、他人に不誠実であることはなくなる。」
── ウィリアム・シェイクスピア『ハムレット』
「志を立てるのに、老いも若きもない。そして志あるところ、老いも若きも道は必ず開ける。」
── 松下幸之助
■クライアントの実践事例
そこで私は、数字の話をいったん脇に置き、「そもそも、なぜこの会社を続けてこられたのですか」と問いかけました。社長さんは、先代から受け継いだ「地域の暮らしを守る」という言葉を、ぽつりぽつりと語り始めました。話しながら、ご自身で答えに気づかれたようでした。
結局、その社長さんは参入を見送りました。代わりに、地元向けの小さなリフォーム相談窓口を始めたのです。派手さはありません。それでも、社員が「これは自分たちの会社らしい仕事だ」と胸を張れるようになり、口コミで相談が増えていきました。
変えたのは事業の大きさではなく、判断の軸を自分の信条に戻したこと。それだけでした。
■使命・価値観に関してよくある質問と実践へのアドバイス
Q. 価値観といっても、日々の忙しさの中では、きれいごとに思えてしまいます。
A. お気持ちはよく分かります。ですが、価値観は理想論ではなく、判断を速くするための実用の道具です。迷ったときに「わが社の信条ならどちらを選ぶか」と問えば、答えが一つに絞られます。忙しい社長さんほど、この軸が助けになります。
Q. 自分の価値観が何なのか、正直よく分かりません。
A. 難しく考えなくて大丈夫です。これまでの仕事で「これは誇らしかった」「これは絶対にやりたくない」と感じた場面を思い出してください。心が強く動いた出来事の中に、あなたの価値観は必ず隠れています。
Q. 社員に価値観を語っても、なかなか伝わりません。
A. 言葉で一度伝えるだけでは、人の心には届きません。大切なのは、社長自身がその価値観どおりに行動して見せることです。社員は言葉より背中を見ています。判断の場面で軸を貫く姿を、繰り返し見せてください。
Q. 価値観を大事にすると、売上を犠牲にすることになりませんか。
A. 短期的にはそう見える場面もあります。しかし長い目で見ると、信条に貫かれた会社は、お客様にも社員にも信頼され、結果として選ばれ続けます。ドラッカーが価値観を経営の土台に置いたのは、それが最も確かな成長の道だからです。
なぜ、今の管理職研修だけでは組織は変わらないのか
ここまでお伝えしてきた考え方や実践法は、確かに組織を変える力を持っています。ただ、正直に申し上げると、個人の工夫や一度きりの研修だけでは長続きしないことも多いのです。担当者が代われば元に戻り、忙しくなればまた元のやり方に引き戻される。そんな会社を、私は数多く見てきました。
変化の遅い時代は、決められたことを回す「管理する管理職」でよかった。しかし今、求められているのは、経営者と視点を合わせ、一丸となって組織に変化を生み出すチェンジリーダーです。生産性、部下育成、理念の浸透——管理職が抱える課題の根本を解くヒントは、すべてドラッカーにあります。だからこそ、普通の管理職研修ではなく、ドラッカーを学ぶ研修が必要なのです。
難解なドラッカー理論を、中小企業がすぐ実践できる「仕組み」に
とはいえ、ドラッカーは難解です。言葉を抽象的に学ぶだけの研修やセミナーは「難しいだけ」で終わり、中小企業の現場では使えないことがほとんどです。
そこで村瀬弘介は、ドラッカーの理論を、中小企業がそのまま実践できる形に体系化しました。それが「村瀬式・ドラッカー7つの原則」です。導入企業は257社以上、土台となる書籍(産業能率大学出版部)は7刷のロングセラーになっています。
「分かる」だけでなく「腹落ちする」研修
知識を詰め込むだけの研修とは違います。受講した社長・管理職の方が、その場で自社の課題に置き換え、「明日、これをやろう」と動き出す。情熱と感動を伴い、心から腹落ちする——それが村瀬式の研修です。これまでの受講実績は1,520名以上。「社長の魂に火がつく」と言っていただくことも少なくありません。
管理職が育てば、組織そのものが変わっていく
一人の管理職が変われば、チームが変わります。チームが変われば、次世代の幹部が育ちます。そして組織全体が、自ら成果を生み出す集団へと変わっていく。管理職研修・社員教育は、その変化の連鎖の起点です。
ドラッカーの原理原則を組織に導入し、成果に集中する強い組織をつくる。それが、村瀬式・ドラッカーの管理職研修です。対象は経営者・経営幹部・上級管理職・マネージャー。社長の判断軸づくり、経営チームの育成、管理職のリーダーシップ向上を、コンサルティングと研修を組み合わせて実現します。
貴社の管理職研修・人材育成の課題に合わせたご相談も承っております。まずはお気軽にお問い合わせください。研修の詳細はこちらのページをご覧ください。
ブログ執筆者:ドラッカー専門の経営コンサルタント 村瀬弘介
中小企業向けに、難解なドラッカー理論を「そのまま実践できる仕組み」へと体系化した「村瀬式・ドラッカー 人を活かす経営7つの原則」を提唱。導入企業257社以上、受講者1,520名以上。全国の商工会議所・経営者団体などでのセミナー講師、上場企業・中堅企業での研修講師を年間200日以上務める。著書『ドラッカーが教えてくれる 人を活かす経営7つの原則』(産業能率大学出版部)は7刷を重ねるロングセラー。「情熱的でドラッカー愛に溢れる講義は、まるでドラッカーのイタコだ」と支持する経営者が後を絶たない。



