ドラッカーはユダヤ系のオーストリア人でした。

ユダヤ系という背景が彼に与えたものが彼の思想を読み説く根幹になります。

ドラッカーとはこんな人です。

・アメリカ資本主義のど真ん中で、経済至上主義と闘い続けた男

・歴史の傍らに立って本質を見抜き通した男

ドラッカーの見てきた世界

激動の20世紀 ヒトラー・世界大戦・資本主義・共産主義・・・

人権が蔑ろにされる悲惨な世界を見て

ドラッカーの人間の尊厳に対する崇高な想いが育ったのです。

「経済の失敗は悲惨な結果に繋がる・・・」

「人間社会の幸せのためには、社会が幸せにならなくてはいけない・・・」

「社会の幸せのためには、構成単位である組織が生産的にならなくてはいけない・・・」

「組織に成果をあげさせられるマネジメントこそ、全体主義と崩壊につながる戦争に対抗する唯一の存在なのだ」

そしてドラッカーはマネジメントを発明するに至ります。

マネジメントの根本の原理とは経営の中心に人間を置くこと

政治・思想・経済よりも、

人の幸せこと経営の中核にあるとする

人間中心の経営こそ正しいものである・・

ドラッカーの人間中心の経営の名言から感じる・人間への優しさ

■マネジメントとは人にかかわることである。その役割は、人が共同して成果を上げること
である。

■強みを発揮させ、弱みを無意味なものにすることである。
(引用:「経営の哲学」著者:P.F.ドラッカー/編訳:上田惇生/発行:ダイヤモンド社)

■組織の究極の目的は均衡と調和でなく、人のエネルギーの解放と動員にある。
(引用: エリザベス・H・イーダスハイム著『P.F.ドラッカー-理想企業を求めて)

私は完全にドラッカーの人間に対する深い愛情に心を奪われたのです。

■現場のアクションプラン

【1】社員一人ひとりの「強み」を、紙に書き出してみる

ドラッカーの人間中心の経営は、まず一人ひとりの強みを見ることから始まります。あの人は段取りが得意、この人は人に好かれる。弱みの粗探しをやめ、強みを一つずつ書き出す。それだけで、社員の見え方が驚くほど変わります。

【2】その強みを活かせる仕事に、人を配置し直す

書き出した強みを、今の仕事と照らし合わせてみてください。人は、強みを発揮できる場所でこそ生き生きと働きます。弱みを直させるより、強みを活かせる場所へ動かす。この一手が、本人も組織も救います。

【3】「この会社は何のためにあるのか」を社員に語る

利益は結果であって、目的ではありません。私たちは誰を幸せにするために働くのか。社長がその言葉を持ち、折に触れて語ること。人は、意味を感じられる仕事にこそ、力を惜しまなくなります。

■成果につながる方法とそうでない方法

成果につながる方法 成果につながらない方法
一人ひとりの強みを見て活かす 弱みの粗探しばかりする
人を目的として大切にする 人を利益のための道具として扱う
仕事の意味を言葉にして伝える 指示と数字だけを押しつける
社員が生き生き働ける場をつくる 管理と統制で人を縛る
利益を「良い経営の結果」と考える 利益だけを唯一の目的にする

■経営者へのメッセージ

ドラッカーが激動の二十世紀を生き抜いて、たどり着いた答えは、驚くほどシンプルでした。経営の中心に、人間を置くこと。ただそれだけです。けれど、この当たり前のことが、忙しい日々の中では一番忘れられてしまいます。

数字に追われていると、社員がいつのまにか「コスト」や「駒」に見えてくる。私自身も、そういう経営者の姿を数多く見てきました。けれど、人を道具として扱う会社に、本当の力は宿りません。人は、大切にされてはじめて、期待以上の力を発揮するものです。

社員一人ひとりには、その人だけの強みがあります。それを見つけ、活かせる場所を用意する。それこそが、社長にしかできない一番大切な仕事だと私は思います。

利益は、良い経営をした結果として、後からついてきます。まず人を大切にする。その順番さえ間違えなければ、会社は必ず強くなっていきます。焦らず、目の前の社員お一人から、始めてみてください。

■参考にしたい人間中心の経営に関する名言

「組織の目的は、人の強みを生産に結びつけ、人の弱みを中和することにある。」
── ピーター・ドラッカー『マネジメント』

「成果をあげるには、人の強みを生かさなければならない。弱みからは何も生まれない。」
── ピーター・ドラッカー『経営者の条件』

「企業とは何かを理解するには、その目的から考えなければならない。企業の目的は、それぞれの企業の外にある。企業は社会の機関であり、その目的は社会にある。」
── ピーター・ドラッカー『現代の経営』

「企業は人なり。」
── 松下幸之助

■クライアントの実践事例

私のお客様の、食品製造業F社(社員45名)の社長さんは、離職の多さに長く悩んでいました。良い人を採用しても、一年もたずに辞めてしまう。数字を厳しく管理し、できないところを指摘して直させる。そんなやり方が、いつのまにか当たり前になっていたのです。

そこで私がお願いしたのは、まず社員一人ひとりの強みを紙に書き出してみることでした。最初、社長さんは「うちの社員に強みなんて」と半信半疑でした。それでも一人ずつ丁寧に見ていくと、無口だが段取りが抜群にうまい人、失敗はあるが人に好かれる人と、それぞれの良さが見えてきたのです。そして、その強みを活かせる仕事へ、少しずつ配置を変えていきました。

一年後、F社の離職はぐっと減りました。強みを認められた社員が、以前よりずっと前向きに働くようになったのです。「弱みを直させることばかり考えていた。強みを見るように変えただけで、こんなに空気が変わるとは」と、社長さんは静かに振り返っておられました。

■人間中心の経営に関してよくある質問と実践へのアドバイス

Q. 人を大切にすると、甘い会社になりませんか。

A. 人を大切にすることと、甘やかすことは違います。人間中心の経営とは、一人ひとりの強みを見抜き、その人が最も力を発揮できる場所で、高い成果を出してもらうことです。むしろ、その人の可能性を本気で引き出すのですから、易しくはありません。優しさと厳しさは両立します。

Q. 強みを見ろと言われても、見つけ方が分かりません。

A. 難しく考える必要はありません。その人が苦もなくやってのけること、周りから頼られること、本人が楽しそうにしている仕事。そこに強みが隠れています。まずは社長ご自身が、社員をよく観察する時間を持ってみてください。見ようと決めた瞬間から、見えてきます。

Q. 利益を追わずに、会社は成り立つのでしょうか。

A. ドラッカーは利益を否定していません。利益は、良い経営をした結果として必要なものです。ただ、それを唯一の目的にすると、人も顧客も離れていきます。まず人と顧客を大切にする。その結果として利益がついてくる。この順番を守ることが、長く続く会社の条件です。

Q. 人間中心の経営を、どこから始めればいいですか。

A. 壮大に考えなくて大丈夫です。まずは明日、社員お一人の良いところを見つけて、言葉にして伝えてみてください。「あの仕事、助かったよ」でいいのです。その小さな一言の積み重ねが、やがて会社全体の空気を変えていきます。

なぜ、今の管理職研修だけでは組織は変わらないのか

ここまでお伝えしてきた考え方や実践法は、確かに組織を変える力を持っています。ただ、正直に申し上げると、個人の工夫や一度きりの研修だけでは長続きしないことも多いのです。担当者が代われば元に戻り、忙しくなればまた元のやり方に引き戻される。そんな会社を、私は数多く見てきました。

変化の遅い時代は、決められたことを回す「管理する管理職」でよかった。しかし今、求められているのは、経営者と視点を合わせ、一丸となって組織に変化を生み出すチェンジリーダーです。生産性、部下育成、理念の浸透——管理職が抱える課題の根本を解くヒントは、すべてドラッカーにあります。だからこそ、普通の管理職研修ではなく、ドラッカーを学ぶ研修が必要なのです。

難解なドラッカー理論を、中小企業がすぐ実践できる「仕組み」に

とはいえ、ドラッカーは難解です。言葉を抽象的に学ぶだけの研修やセミナーは「難しいだけ」で終わり、中小企業の現場では使えないことがほとんどです。

そこで村瀬弘介は、ドラッカーの理論を、中小企業がそのまま実践できる形に体系化しました。それが「村瀬式・ドラッカー7つの原則」です。導入企業は257社以上、土台となる書籍(産業能率大学出版部)は7刷のロングセラーになっています。

「分かる」だけでなく「腹落ちする」研修

知識を詰め込むだけの研修とは違います。受講した社長・管理職の方が、その場で自社の課題に置き換え、「明日、これをやろう」と動き出す。情熱と感動を伴い、心から腹落ちする——それが村瀬式の研修です。これまでの受講実績は1,520名以上。「社長の魂に火がつく」と言っていただくことも少なくありません。

管理職が育てば、組織そのものが変わっていく

一人の管理職が変われば、チームが変わります。チームが変われば、次世代の幹部が育ちます。そして組織全体が、自ら成果を生み出す集団へと変わっていく。管理職研修・社員教育は、その変化の連鎖の起点です。


ドラッカー7つの原則研修

ドラッカーの原理原則を組織に導入し、成果に集中する強い組織をつくる。それが、村瀬式・ドラッカーの管理職研修です。対象は経営者・経営幹部・上級管理職・マネージャー。社長の判断軸づくり、経営チームの育成、管理職のリーダーシップ向上を、コンサルティングと研修を組み合わせて実現します。

貴社の管理職研修・人材育成の課題に合わせたご相談も承っております。まずはお気軽にお問い合わせください。研修の詳細はこちらのページをご覧ください。

ブログ執筆者:ドラッカー専門の経営コンサルタント 村瀬弘介

中小企業向けに、難解なドラッカー理論を「そのまま実践できる仕組み」へと体系化した「村瀬式・ドラッカー 人を活かす経営7つの原則」を提唱。導入企業257社以上、受講者1,520名以上。全国の商工会議所・経営者団体などでのセミナー講師、上場企業・中堅企業での研修講師を年間200日以上務める。著書『ドラッカーが教えてくれる 人を活かす経営7つの原則』(産業能率大学出版部)は7刷を重ねるロングセラー。「情熱的でドラッカー愛に溢れる講義は、まるでドラッカーのイタコだ」と支持する経営者が後を絶たない。

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