経営とは弛まぬ市場・顧客の変化に最適に対応し続ける事です。

ドラッカーのマネジメントは、変化をマネジメントする哲学と呼ばれます。

変化の中に機会を見出し、徹底的な機会追及から利益を生みだしていきます。

ドラッカーは言います。

「事業の機会は市場・顧客の変化の中に見出される。」

「変化を機会とせよ。 脅威さえ機会とせよ!」

(ドラッカー・マネジメント)

ドラッカーの原則で、新たな事業機会を創出するポイントを解説しています。

■現場のアクションプラン

【1】身の回りで起きている変化を、三つ書き出す

お客様の年齢が変わった、注文の仕方が変わった、世の中の関心が変わった。まず、自社のまわりで実際に起きている変化を三つ書き出す。機会は、いつも変化の中に隠れています。

【2】その変化を「困った」で終わらせず「機会」に読み替える

たとえば人手が減るという変化は、脅威にも見えます。けれど、それは「手間のかからないやり方への転換の好機」でもある。変化を一度、機会の言葉に言い換えてみてください。見え方が変わります。

【3】一番身近な変化に、小さく一手を打つ

大きな構想を練るより、目の前の変化に小さく対応してみる方が早く学べます。うまくいけば広げ、だめなら引く。変化への対応は、動きながら整えていくものです。

■成果につながる方法とそうでない方法

成果につながる方法 成果につながらない方法
変化を機会として探す 変化を脅威として避ける
市場と顧客の変化を見に行く 社内の常識だけで判断する
早めに小さく手を打つ 様子見のまま動かない
過去の成功に固執しない 昔うまくいったやり方を続ける
変化に合わせて自社を変える 変化が過ぎ去るのを待つ

■経営者へのメッセージ

変化というものは、多くの経営者にとって、まず脅威として現れます。お客様が減る、仕入れ値が上がる、人が採れない。どれも、放っておけば会社を苦しめるものばかりです。身構えてしまう気持ちは、痛いほど分かります。

けれどドラッカーは、その変化の中にこそ事業の機会がある、と言いました。「変化を機会とせよ、脅威さえ機会とせよ」と。同じ変化を前にして、脅威と見て縮こまる会社と、機会と見て一歩踏み出す会社とでは、数年後、まったく違う景色になっています。

大切なのは、変化から目をそらさないことです。市場が、お客様が、今どう変わりつつあるのか。それを見に行き、正面から受け止める。そのうえで「この変化を、うちの強みでどう活かせるか」と問う。その問いが、次の商売の芽を育てます。

すべての変化に一度に対応する必要はありません。まず身近な変化を一つ選び、小さく手を打ってみる。動きながら学び、整えていけばいいのです。変化を恐れず、機会として迎える。その姿勢こそが、これからの時代を生き抜く経営の土台になります。

■参考にしたい変化に関する名言

「変化はコントロールできない。できるのは、その先頭に立つことだけである。」
── ピーター・ドラッカー『明日を支配するもの』

「すでに起こった変化を、機会として体系的に探すことがイノベーションである。」
── ピーター・ドラッカー『イノベーションと企業家精神』

「未来を予測する最善の方法は、それを創り出すことである。」
── ピーター・ドラッカー

「最も強い者が生き残るのではなく、最も変化に適応した者が生き残る。」
── チャールズ・ダーウィンの思想として広く知られる言葉

■クライアントの実践事例

私のお客様の、地方の酒販店I社(社員12名)の社長さんは、大きな変化に苦しんでおられました。近くに大型のディスカウント店ができて、お酒がどんどん安売りされる。「同じ商品を売っている限り、値段では絶対に勝てない」と、頭を抱えておられたのです。

私は、変化を嘆くのをいったんやめて、その変化をよく見てみましょう、とお願いしました。すると、あることに気づきました。大型店は品数こそ多いけれど、一人ひとりに合わせた相談には乗れない。お客様の中には、「贈り物に何を選べばいいか分からない」と困っている人が少なくなかったのです。

そこでI社は、値段勝負をきっぱりやめました。代わりに、贈答用の相談や、地元の酒蔵との付き合いを活かした品ぞろえに力を入れたのです。安さで来るお客様ではなく、相談したくて来るお客様に、焦点を移しました。

数年後、I社は「安い店」ではなく「相談できる店」として、地域に根を張っていました。大型店の登場という脅威を、自社の強みを見直す機会に変えたのです。「あのとき変化から逃げなくてよかった」。社長さんの、その言葉が印象に残っています。

■変化に関してよくある質問と実践へのアドバイス

Q. 変化を機会にと言われても、うちにとっては脅威にしか見えません。

A. 最初はそう見えて当然です。脅威と機会は、同じ変化の裏表です。「この変化で困る人は、何に困っているか」を考えてみてください。その困りごとに応えられれば、それが機会になります。まず、変化を機会の言葉に言い換えることから始めましょう。

Q. 変化に対応したくても、資金も人も足りません。

A. 大きな投資から始める必要はありません。今ある強みを、変化に合わせて活かし直すのです。事例の酒販店も、新しい設備は入れず、もともとの相談力を前面に出しただけでした。手持ちの力の使い方を変える。そこから始めてみてください。

Q. 変化を見極める前に動くと、失敗しないか不安です。

A. 慎重さは大切です。ただ、完全に見極めてから動こうとすると、たいてい手遅れになります。だから、小さく試すのです。小さな一手なら、失敗しても傷は浅い。動きながら学び、うまくいったら広げる。それが変化の時代の安全な進み方です。

Q. 社員が変化を嫌がり、今までのやり方を守ろうとします。

A. 人は変化そのものより、先が見えないことを恐れます。「なぜ変える必要があるのか」「変えた先に何があるのか」を、丁寧に語ってあげてください。そして小さな成功を一緒に体験する。一度うまくいけば、社員は変化を前向きに捉えるようになります。

なぜ、今の管理職研修だけでは組織は変わらないのか

ここまでお伝えしてきた考え方や実践法は、確かに組織を変える力を持っています。ただ、正直に申し上げると、個人の工夫や一度きりの研修だけでは長続きしないことも多いのです。担当者が代われば元に戻り、忙しくなればまた元のやり方に引き戻される。そんな会社を、私は数多く見てきました。

変化の遅い時代は、決められたことを回す「管理する管理職」でよかった。しかし今、求められているのは、経営者と視点を合わせ、一丸となって組織に変化を生み出すチェンジリーダーです。生産性、部下育成、理念の浸透——管理職が抱える課題の根本を解くヒントは、すべてドラッカーにあります。だからこそ、普通の管理職研修ではなく、ドラッカーを学ぶ研修が必要なのです。

難解なドラッカー理論を、中小企業がすぐ実践できる「仕組み」に

とはいえ、ドラッカーは難解です。言葉を抽象的に学ぶだけの研修やセミナーは「難しいだけ」で終わり、中小企業の現場では使えないことがほとんどです。

そこで村瀬弘介は、ドラッカーの理論を、中小企業がそのまま実践できる形に体系化しました。それが「村瀬式・ドラッカー7つの原則」です。導入企業は257社以上、土台となる書籍(産業能率大学出版部)は7刷のロングセラーになっています。

「分かる」だけでなく「腹落ちする」研修

知識を詰め込むだけの研修とは違います。受講した社長・管理職の方が、その場で自社の課題に置き換え、「明日、これをやろう」と動き出す。情熱と感動を伴い、心から腹落ちする——それが村瀬式の研修です。これまでの受講実績は1,520名以上。「社長の魂に火がつく」と言っていただくことも少なくありません。

管理職が育てば、組織そのものが変わっていく

一人の管理職が変われば、チームが変わります。チームが変われば、次世代の幹部が育ちます。そして組織全体が、自ら成果を生み出す集団へと変わっていく。管理職研修・社員教育は、その変化の連鎖の起点です。


ドラッカー7つの原則研修

ドラッカーの原理原則を組織に導入し、成果に集中する強い組織をつくる。それが、村瀬式・ドラッカーの管理職研修です。対象は経営者・経営幹部・上級管理職・マネージャー。社長の判断軸づくり、経営チームの育成、管理職のリーダーシップ向上を、コンサルティングと研修を組み合わせて実現します。

貴社の管理職研修・人材育成の課題に合わせたご相談も承っております。まずはお気軽にお問い合わせください。研修の詳細はこちらのページをご覧ください。

ブログ執筆者:ドラッカー専門の経営コンサルタント 村瀬弘介

中小企業向けに、難解なドラッカー理論を「そのまま実践できる仕組み」へと体系化した「村瀬式・ドラッカー 人を活かす経営7つの原則」を提唱。導入企業257社以上、受講者1,520名以上。全国の商工会議所・経営者団体などでのセミナー講師、上場企業・中堅企業での研修講師を年間200日以上務める。著書『ドラッカーが教えてくれる 人を活かす経営7つの原則』(産業能率大学出版部)は7刷を重ねるロングセラー。「情熱的でドラッカー愛に溢れる講義は、まるでドラッカーのイタコだ」と支持する経営者が後を絶たない。

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