ドラッカーは言います。

「新商品を創る時には、業界の外を見よ。業界の中ではあらゆるサービスがやりつくされている。

業界の外にこそ、新たなイノベーションのヒントが隠されている。」

(イノベーションと企業家精神)

新たなイノベーションを起こす時の最大の弊害は、これまでの成功体験・業界の常識です。

新商品・サービスと生み出す際には、自分の業界の外にヒントを探すのがドラッカーのやり方なのです。

■業界の外を見て、ビジネスモデルをパクり、自社にもってきてしまう創造的模倣戦略

ドラッカーの創造的模倣戦略は、イノベーションと企業家精神という著作の中で述べられている戦略です。

業界外にヒットしているサービスを見て、そのビジネスモデルをそのまま模倣して、自分の業界に持ち込んでしまう戦略で、業界の壁を崩す新サービスを生む事ができます。

例えば、オフィスグリコというサービスがあります。

オフィスにグリコの詰め合わせのお菓子スタンドを置いてあり、お金をその場でスタンドに支払い、食べるというものです。

仕事の合間に。少しお菓子を食べたいときに、オフェスから出て外に買いに行く事なしに、食べれるサービスということでヒットしました。

オフィスグリコは、お菓子を置いてきてしまう、「置き菓子」というお菓子の販売における新たなイノベーションですが、もともとは、富山の置き薬など違う業界には存在していたサービスを菓子業界が模倣したにすぎません。

是非、業界の外を見て、上手くいっているビジネスモデルをパクり、自社に取り入れたらどのようになるか考えてみて下さい。業界の常識を覆す新サービスが生まれます。

ドラッカーセミナーでは、強力なマーケティング戦略である創造的模倣戦略を解説しています。

■現場のアクションプラン

【1】まったく別の業界を、ひとつ観察してみる

自分の業界の外へ目を向ける。飲食、物流、宿泊、教育——ふだん縁のない世界で「うまくいっている仕組み」を一つ見つけ、それを自社に置き換えたらどうなるかを考えてみる。ヒントは、いつも塀の向こう側にあります。

【2】「うちの業界ではありえない」を疑う

置き薬が置き菓子になったように、常識の壁は案外もろいものです。「うちの業界では無理」と思った瞬間こそ、書き留めておく。その思い込みの裏に、まだ誰もやっていない新サービスが眠っています。

【3】小さく真似て、小さく試す

いきなり全面的に取り入れるのではなく、まず一部だけ真似てみる。お客様の反応を見ながら、自社に合う形へ育てていく。丸ごと持ち込むのではなく、良いところだけをいただく感覚です。

■成果につながる方法とそうでない方法

成果につながる方法 成果につながらない方法
業界の外にヒントを探す 業界の中だけで新しさを探す
他業界の良い仕組みを取り入れる 「うちの業界では無理」と切り捨てる
業界の常識を疑ってみる 過去の成功体験にしがみつく
まず小さく真似て試す 丸ごと持ち込んで一気に賭ける
お客様の便利さを起点に考える 自社の作りやすさを起点に考える

■経営者へのメッセージ

新しい商品やサービスを生み出そうとすると、多くの方は、自分の業界の中で一生懸命に頭をひねります。真面目な社長さんほどそうです。けれど、その業界の中では、たいていのことはすでにやり尽くされています。だから、いくら考えても、なかなか本当に新しいものは出てこないのです。

ドラッカーが教えてくれるのは、目を業界の外へ向けなさい、ということでした。置き薬が置き菓子になったように、ある世界では当たり前のことが、別の世界へ持ち込まれた瞬間、まったく新しい価値になる。難しい発明はいりません。よそのうまいやり方を、素直にいただいてくればいいのです。

大切なのは、「うちの業界では」という思い込みを、いったん脇に置くことです。その壁こそが、いちばんの邪魔をしています。壁の外には、お客様に喜ばれるヒントが、まだいくらでも転がっています。

まずは自分の商売とは縁のない世界を、ひとつのぞいてみてください。ふだん見ないものの中にこそ、次の一手が隠れています。

■参考にしたいイノベーションに関する名言

「イノベーションのための七つの機会のうち、最初のものは予期せぬこと、すなわち予期せぬ成功、予期せぬ失敗、予期せぬ出来事である。」
── ピーター・ドラッカー『イノベーションと企業家精神』

「企業の目的は顧客の創造である。したがって企業は二つの、そして二つだけの基本的な機能をもつ。それがマーケティングとイノベーションである。」
── ピーター・ドラッカー『現代の経営』

「イノベーションとは、天才のひらめきではない。それは仕事である。」
── ピーター・ドラッカー『イノベーションと企業家精神』

「学ぶとは、真似ぶこと。良いものを真似るところから、独自の道は始まる。」
── 世阿弥『風姿花伝』の教えより

■クライアントの実践事例

私のお客様の、クリーニング業G社(社員22名)の社長さんは、近隣に大手のチェーン店が増え、価格競争に巻き込まれて苦しんでおられました。「同じ土俵で値段を下げても、体力のあるところには勝てない」と、打つ手が見えずにいらっしゃいました。

そこで私は、「クリーニング業界の外で、うまくいっている仕組みを一つ探してみましょう」とお願いしました。社長さんが目をつけたのは、宅配の食材サービスでした。決まった曜日に家まで届けに来て、空き容器を回収していく、あの仕組みです。

これをクリーニングに置き換えてみたのです。忙しくて店に持ち込む時間のない共働きの家庭に、決まった曜日に集荷と配達に伺う。業界の中では「お客様が持ち込むのが当たり前」でしたが、その常識を、よその業界の仕組みで崩したわけです。

大がかりな設備投資はしていません。よそのうまいやり方を、素直に真似ただけです。G社は価格ではなく便利さで選ばれるようになり、社長さんの表情にも、久しぶりに余裕が戻ってきました。

なぜ、今の管理職研修だけでは組織は変わらないのか

ここまでお伝えしてきた考え方や実践法は、確かに組織を変える力を持っています。ただ、正直に申し上げると、個人の工夫や一度きりの研修だけでは長続きしないことも多いのです。担当者が代われば元に戻り、忙しくなればまた元のやり方に引き戻される。そんな会社を、私は数多く見てきました。

変化の遅い時代は、決められたことを回す「管理する管理職」でよかった。しかし今、求められているのは、経営者と視点を合わせ、一丸となって組織に変化を生み出すチェンジリーダーです。生産性、部下育成、理念の浸透——管理職が抱える課題の根本を解くヒントは、すべてドラッカーにあります。だからこそ、普通の管理職研修ではなく、ドラッカーを学ぶ研修が必要なのです。

難解なドラッカー理論を、中小企業がすぐ実践できる「仕組み」に

とはいえ、ドラッカーは難解です。言葉を抽象的に学ぶだけの研修やセミナーは「難しいだけ」で終わり、中小企業の現場では使えないことがほとんどです。

そこで村瀬弘介は、ドラッカーの理論を、中小企業がそのまま実践できる形に体系化しました。それが「村瀬式・ドラッカー7つの原則」です。導入企業は257社以上、土台となる書籍(産業能率大学出版部)は7刷のロングセラーになっています。

「分かる」だけでなく「腹落ちする」研修

知識を詰め込むだけの研修とは違います。受講した社長・管理職の方が、その場で自社の課題に置き換え、「明日、これをやろう」と動き出す。情熱と感動を伴い、心から腹落ちする——それが村瀬式の研修です。これまでの受講実績は1,520名以上。「社長の魂に火がつく」と言っていただくことも少なくありません。

管理職が育てば、組織そのものが変わっていく

一人の管理職が変われば、チームが変わります。チームが変われば、次世代の幹部が育ちます。そして組織全体が、自ら成果を生み出す集団へと変わっていく。管理職研修・社員教育は、その変化の連鎖の起点です。


ドラッカー7つの原則研修

ドラッカーの原理原則を組織に導入し、成果に集中する強い組織をつくる。それが、村瀬式・ドラッカーの管理職研修です。対象は経営者・経営幹部・上級管理職・マネージャー。社長の判断軸づくり、経営チームの育成、管理職のリーダーシップ向上を、コンサルティングと研修を組み合わせて実現します。

貴社の管理職研修・人材育成の課題に合わせたご相談も承っております。まずはお気軽にお問い合わせください。研修の詳細はこちらのページをご覧ください。

ブログ執筆者:ドラッカー専門の経営コンサルタント 村瀬弘介

中小企業向けに、難解なドラッカー理論を「そのまま実践できる仕組み」へと体系化した「村瀬式・ドラッカー 人を活かす経営7つの原則」を提唱。導入企業257社以上、受講者1,520名以上。全国の商工会議所・経営者団体などでのセミナー講師、上場企業・中堅企業での研修講師を年間200日以上務める。著書『ドラッカーが教えてくれる 人を活かす経営7つの原則』(産業能率大学出版部)は7刷を重ねるロングセラー。「情熱的でドラッカー愛に溢れる講義は、まるでドラッカーのイタコだ」と支持する経営者が後を絶たない。

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