ドラッカーは言います。

「事業の最良のコンサルタントはお客様である。

今日お客様になにを教わったかを考えなさい。」

(ドラッカー著:経営者に贈る5つの質問)

事業について一番知っているのは経営者でも、経営コンサルタントでもありません

事業の最良のコンサルタントはお客様です。

お客様以上に事業について知っている方はいないのです。

事業がうまくいかないのは、お客様を忘れた事が原因です。

お客様を先生として、事業の改善・価値向上に、常につとめている会社は没落することはありません。

経営者は常にお客様を先生として、お客様に真摯に学びながら、経営を向上させる必要があります。

ドラッカー・経営セミナーでは、お客様を先生とする文化を創り、事業を改善するポイントを解説しています。

■現場のアクションプラン

【1】今日お客様から教わったことを、一日一つ書き留める

大げさな仕組みはいりません。一日の終わりに、「今日、お客様は何を求めていたか」「何に困っていたか」を一行だけ書き残す。この積み重ねが、机上では決して見えない事業のヒントになります。

【2】クレームや解約の理由を、担当者任せにしない

お客様が離れる理由の中に、事業改善の最大の宝が眠っています。都合の悪い声ほど、経営者自身が直接聞きにいく。ここから逃げる会社は、少しずつ実態から遠ざかっていきます。

【3】「なぜ買ってくださったのか」を、既存のお客様に聞く

売れない理由より先に、選ばれた理由を知る。自社が本当に評価されている価値は、たいてい社内の思い込みとずれています。お客様の言葉で語られた強みこそ、これから伸ばすべき場所です。

■成果につながる方法とそうでない方法

成果につながる方法 成果につながらない方法
お客様の声を事実として直接聞く 社内の思い込みで顧客像を決める
都合の悪い声ほど正面から受け止める クレームを一部門の処理で終わらせる
選ばれた理由から強みを磨く 自社が売りたいものを押し出す
お客様の変化に合わせて事業を見直す 過去の成功体験に固執する
お客様を先生と考えて学び続ける お客様より自分が詳しいと思い込む

■経営者へのメッセージ

会社が伸び悩むとき、原因を外に探したくなるものです。景気が悪い、同業が安売りをしている、良い人材が採れない。どれも本当のことかもしれません。けれど、いちばん確かな答えは、いつもお客様が持っています。

事業について、経営者よりお客様のほうがよく知っている。この言葉を最初に聞くと、少し寂しい気持ちになる方もいます。自分がいちばん考えてきた、という自負があるからです。ですが、これは経営者を軽んじる言葉ではありません。答えのありかを教えてくれている、ありがたい指針なのです。

お客様を先生とするとは、へりくだることではありません。真剣に学ぶ姿勢のことです。今日、目の前のお客様が何を求め、何に困っていたか。そこに耳を澄ませ続ける会社は、時代がどう変わっても、進むべき方向を見失いません。

難しく考える必要はありません。今日お客様から教わったことを、一つだけ思い出してみる。その小さな習慣から、事業はまた新しく動き出します。

■参考にしたい顧客第一に関する名言

「企業の目的として有効な定義は一つしかない。顧客を創造することである。」
── ピーター・ドラッカー『現代の経営』

「顧客が事業である。顧客だけが、事業に雇用と存在を与える。」
── ピーター・ドラッカー『現代の経営』

「お客様は絶えず変化している。だからこそ、常に問い続けなければならない。われわれの顧客は誰かと。」
── ピーター・ドラッカー『経営者に贈る5つの質問』

「お客様のためになることを一生懸命やっていれば、必ず報われる。」
── 松下幸之助『商売心得帖』

■クライアントの実践事例

私のお客様の、食品加工業E社(社員28名)の社長さんは、長年の勘で商品を作り続けてこられた方でした。腕には自信があり、味には絶対の誇りをお持ちでした。ところが、ここ数年、売上が少しずつ落ちていく。原因が分からず、「うちの味は変わっていないのに」と、悔しさをにじませて相談に来られました。

そこで私がお願いしたのは、値下げでも広告でもありません。「取引先のスーパーの担当者と、月に一度でいいので、社長ご自身が直接話してください」ということだけでした。最初は「営業の仕事だ」と渋られましたが、続けていただいたのです。

半年ほどたつと、社長さんの言葉が変わってきました。お客様が求めていたのは味だけでなく、小分けの使いやすさや、家庭で余らせない量だったのだと気づかれたのです。味を守りながら包装を見直しただけで、以前に扱いをやめた店から、また声がかかるようになりました。

変えたのは商品の中身ではありません。お客様に教わる、という順番を取り戻しただけです。

■顧客第一に関してよくある質問と実践へのアドバイス

Q. お客様の声を聞くと、要望が多すぎて振り回されませんか。

A. すべてに応える必要はありません。大切なのは、声の奥にある「本当に困っていること」を見抜くことです。表面の要望をそのまま実行するのではなく、なぜそう言うのかを一段深く考える。そこに、自社が磨くべき価値が見えてきます。

Q. うちは下請けで、最終のお客様が見えにくいのですが。

A. その場合、直接の取引先が第一のお客様です。その担当者が社内でどんな立場に置かれ、何を評価されたいのかまで想像できると、選ばれ続ける会社になります。相手の向こうにいるお客様まで見えれば、なおさら強くなります。

Q. 社長が現場に出ると、部下の育つ機会を奪いませんか。

A. 日々の対応は部下に任せて構いません。ただ、事業の方向を左右するような大事なお客様の声だけは、経営者自身が肌で感じておく。任せることと、直接学ぶことは、両立できます。

Q. お客様に学ぶ文化を、社内にどう根づかせればいいでしょう。

A. まず経営者自身が、お客様から教わったことを朝礼などで語ってみてください。上の人間がお客様を先生と扱えば、その姿勢は自然と社員に伝わります。号令ではなく、背中で示すのがいちばん早い道です。

なぜ、今の管理職研修だけでは組織は変わらないのか

ここまでお伝えしてきた考え方や実践法は、確かに組織を変える力を持っています。ただ、正直に申し上げると、個人の工夫や一度きりの研修だけでは長続きしないことも多いのです。担当者が代われば元に戻り、忙しくなればまた元のやり方に引き戻される。そんな会社を、私は数多く見てきました。

変化の遅い時代は、決められたことを回す「管理する管理職」でよかった。しかし今、求められているのは、経営者と視点を合わせ、一丸となって組織に変化を生み出すチェンジリーダーです。生産性、部下育成、理念の浸透——管理職が抱える課題の根本を解くヒントは、すべてドラッカーにあります。だからこそ、普通の管理職研修ではなく、ドラッカーを学ぶ研修が必要なのです。

難解なドラッカー理論を、中小企業がすぐ実践できる「仕組み」に

とはいえ、ドラッカーは難解です。言葉を抽象的に学ぶだけの研修やセミナーは「難しいだけ」で終わり、中小企業の現場では使えないことがほとんどです。

そこで村瀬弘介は、ドラッカーの理論を、中小企業がそのまま実践できる形に体系化しました。それが「村瀬式・ドラッカー7つの原則」です。導入企業は257社以上、土台となる書籍(産業能率大学出版部)は7刷のロングセラーになっています。

「分かる」だけでなく「腹落ちする」研修

知識を詰め込むだけの研修とは違います。受講した社長・管理職の方が、その場で自社の課題に置き換え、「明日、これをやろう」と動き出す。情熱と感動を伴い、心から腹落ちする——それが村瀬式の研修です。これまでの受講実績は1,520名以上。「社長の魂に火がつく」と言っていただくことも少なくありません。

管理職が育てば、組織そのものが変わっていく

一人の管理職が変われば、チームが変わります。チームが変われば、次世代の幹部が育ちます。そして組織全体が、自ら成果を生み出す集団へと変わっていく。管理職研修・社員教育は、その変化の連鎖の起点です。


ドラッカー7つの原則研修

ドラッカーの原理原則を組織に導入し、成果に集中する強い組織をつくる。それが、村瀬式・ドラッカーの管理職研修です。対象は経営者・経営幹部・上級管理職・マネージャー。社長の判断軸づくり、経営チームの育成、管理職のリーダーシップ向上を、コンサルティングと研修を組み合わせて実現します。

貴社の管理職研修・人材育成の課題に合わせたご相談も承っております。まずはお気軽にお問い合わせください。研修の詳細はこちらのページをご覧ください。

ブログ執筆者:ドラッカー専門の経営コンサルタント 村瀬弘介

中小企業向けに、難解なドラッカー理論を「そのまま実践できる仕組み」へと体系化した「村瀬式・ドラッカー 人を活かす経営7つの原則」を提唱。導入企業257社以上、受講者1,520名以上。全国の商工会議所・経営者団体などでのセミナー講師、上場企業・中堅企業での研修講師を年間200日以上務める。著書『ドラッカーが教えてくれる 人を活かす経営7つの原則』(産業能率大学出版部)は7刷を重ねるロングセラー。「情熱的でドラッカー愛に溢れる講義は、まるでドラッカーのイタコだ」と支持する経営者が後を絶たない。

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