雇用とはミッションへ向けて、メンバーを惹きつけ、鼓舞し、
偉大な仕事をなさしむる組織の行うマーケティングのことです。

労働人口が減りつつある現在、企業にとって最も大きな課題の一つは

優秀な労働者を惹きつけ、働き続けてもらうことです。

ドラッカーは、これからの組織はボランティアの精神で働いて
もらうことが重要だと言いました。

ボランティアの精神とは何か?

それは、精神性、ビジョン、使命(大義)に導かれた働き方のことを言います。

処遇や待遇でつれば、より良い職場があれば、人はそちらに移ってしまいます。

しかしその組織のリーダーの大義、ビジョンに導かれる時

人は喜んで血と汗と涙を捧げてくれるのです。

ものあまり、職あまりの時代には、これまで以上に組織のビジョンによる求心力が必要となるのです。

ミッション、ビジョンからマーケティングして、大義のある事業組織を生みだして下さい。

なぜあなたの組織で働かなければいかないのでしょう?

あなたの組織が実現する未来はどのような未来ですか?

あなたは経営者としてどのようなビジョンを示していますか?

優秀な知識労働者を鼓舞する明確なビジョンを確立し、組織に浸透する必要があります。

あなたのもつビジョンこそが、経営に、組織に、社員さんに明確な方向性を与え、

不安定な時代の確固たるコンパスの役割を果たすのです。

先ず初めに想い、ビジョンがあり、そのあと物事はなされるのです。

ご自信の精神の力、ビジョンの力を信じて下さい。

あなたのビジョンは必ず、物質化し、大きな物事を、あなたの組織になさしむるのです。

■現場のアクションプラン

【1】「なぜ、この会社で働くのか」を言葉にする

給料や待遇の前に、自社が何のために存在し、どんな未来をつくろうとしているのか。社長自身の言葉で、一度きちんと書き出してみる。立派な文章でなくてかまいません。社員に語れる、自分の本心の言葉であることが大事です。

【2】そのビジョンを、月に一度は社員に語る

一度決めたビジョンも、掲げて終わりでは浸透しません。朝礼でも、月に一度の集まりでもいい。社長の口から繰り返し語られてはじめて、理念は社員の中に根を張ります。

【3】採用の場で、待遇より先に「大義」を伝える

求人や面接で、条件の話ばかりになっていないでしょうか。この会社で働くとどんな人間に成長できるのか、どんな社会の役に立てるのか。そこに共感した人は、簡単には辞めていきません。

■成果につながる方法とそうでない方法

成果につながる方法 成果につながらない方法
ビジョン・使命で人を惹きつける 待遇や条件だけで人を集める
社長が自分の言葉で理念を語る 額縁に飾って掲げただけで終わる
働く意味・成長の実感を与える 仕事を「作業」として割り振るだけ
繰り返し語り、浸透させ続ける 一度言えば伝わると思い込む
共感で人を惹きつけ、定着させる 好条件の他社が現れると人が去る

■経営者へのメッセージ

人手不足の時代です。求人を出しても人が来ない、せっかく採っても定着しない。そんな悩みを抱える社長さんに、数多くお会いしてきました。待遇を上げても、もっと良い条件の会社が現れれば、人はまたそちらへ移っていきます。条件だけのつながりは、条件で崩れてしまうのです。

それでも辞めない社員がいる会社には、共通点があります。そこには、給料以上に人を惹きつける何かがある。この会社は何のためにあるのか、自分はここで何を成し遂げられるのか。それが腹の底で分かっているとき、人は少々の苦労では揺らぎません。

ビジョンを語るのは、気恥ずかしいものかもしれません。きれいごとだと言われるのを恐れる気持ちも分かります。けれど、社長が本気で信じている未来を、本気の言葉で語ったとき、その熱は必ず社員に伝わります。

まずは一人、あなたのビジョンに心から共感してくれる社員を育てることから。そこから、人が人を呼ぶ、強い組織が静かに育っていきます。

■参考にしたいビジョン・採用に関する名言

「組織の目的は、人の強みを生産に結びつけ、人の弱みを中和することにある。」
── ピーター・ドラッカー『マネジメント』

「自らの果たすべき貢献は何かという問いからスタートするとき、人は自由となる。」
── ピーター・ドラッカー『プロフェッショナルの条件』

「企業は人なり。人を得れば事業は栄え、人を得なければ事業は亡ぶ。」
── 松下幸之助

「小人は利に集まり、君子は義に集まる。」
── 『春秋左氏伝』

■クライアントの実践事例

私のお客様の、運送業E社(社員28名)の社長さんは、とにかく人が続かないことに頭を抱えていました。求人を出し、同業より少し高めの給料を提示しても、半年、一年で辞めていく。「うちみたいな会社に、夢なんてないですから」と、寂しそうに話されたのを覚えています。

そこで私がお願いしたのは、条件の見直しより先に、「自分たちの仕事が、地域の誰の役に立っているのか」を社長自身の言葉にしていただくことでした。E社の社長さんは、地元の商店や高齢者宅へ荷物を届ける中で、お客様から何度も感謝されてきた話をぽつぽつと語り始めました。それをそのまま、採用の言葉にしていったのです。

一年後、E社では新しく入った若手が、「この仕事は地域を支えているんだと分かって、誇りを持てる」と話すようになりました。離職がぴたりと止まったわけではありません。それでも、同じ思いを共有できる仲間が、少しずつ会社に残り始めたのです。

変えたのは、給料の額ではありません。「何のために働くのか」を、社長が自分の言葉で語り始めた。ただ、それだけでした。

■採用・定着に関してよくある質問と実践へのアドバイス

Q. ビジョンと言われても、うちのような小さな会社に立派な理念なんてありません。

A. 立派である必要はまったくありません。あなたがこの会社を続けてきた理由、誰かに喜んでもらえて嬉しかった場面。そこにこそ、あなたのビジョンの種があります。きれいな言葉にしようとせず、本心の言葉で語ることが、何よりも人に届きます。

Q. 待遇を上げないと、今どきの若い人は来てくれないのではないですか。

A. 待遇も大切です。ただ、待遇だけで来た人は、待遇だけで去っていきます。待遇は入口として整えつつ、その奥に「ここで働く意味」を用意しておく。両方があってはじめて、人は根を張ってくれます。

Q. ビジョンを語っても、社員が白けた顔をしているように感じます。

A. 最初はそういうものです。大事なのは、一度で伝えようとせず、繰り返し語り続けること。そして、語るだけでなく社長自身がその通りに行動すること。言葉と行いが一致したとき、社員の表情は少しずつ変わっていきます。

Q. 何から手をつければいいか分かりません。

A. まずは、いちばん信頼している社員を一人、思い浮かべてください。その人に、「自分はこの会社をこうしたいと思っている」と、正直に話してみる。その一対一の対話から始めるのが、いちばん確実です。

なぜ、今の管理職研修だけでは組織は変わらないのか

ここまでお伝えしてきた考え方や実践法は、確かに組織を変える力を持っています。ただ、正直に申し上げると、個人の工夫や一度きりの研修だけでは長続きしないことも多いのです。担当者が代われば元に戻り、忙しくなればまた元のやり方に引き戻される。そんな会社を、私は数多く見てきました。

変化の遅い時代は、決められたことを回す「管理する管理職」でよかった。しかし今、求められているのは、経営者と視点を合わせ、一丸となって組織に変化を生み出すチェンジリーダーです。生産性、部下育成、理念の浸透——管理職が抱える課題の根本を解くヒントは、すべてドラッカーにあります。だからこそ、普通の管理職研修ではなく、ドラッカーを学ぶ研修が必要なのです。

難解なドラッカー理論を、中小企業がすぐ実践できる「仕組み」に

とはいえ、ドラッカーは難解です。言葉を抽象的に学ぶだけの研修やセミナーは「難しいだけ」で終わり、中小企業の現場では使えないことがほとんどです。

そこで村瀬弘介は、ドラッカーの理論を、中小企業がそのまま実践できる形に体系化しました。それが「村瀬式・ドラッカー7つの原則」です。導入企業は257社以上、土台となる書籍(産業能率大学出版部)は7刷のロングセラーになっています。

「分かる」だけでなく「腹落ちする」研修

知識を詰め込むだけの研修とは違います。受講した社長・管理職の方が、その場で自社の課題に置き換え、「明日、これをやろう」と動き出す。情熱と感動を伴い、心から腹落ちする——それが村瀬式の研修です。これまでの受講実績は1,520名以上。「社長の魂に火がつく」と言っていただくことも少なくありません。

管理職が育てば、組織そのものが変わっていく

一人の管理職が変われば、チームが変わります。チームが変われば、次世代の幹部が育ちます。そして組織全体が、自ら成果を生み出す集団へと変わっていく。管理職研修・社員教育は、その変化の連鎖の起点です。


ドラッカー7つの原則研修

ドラッカーの原理原則を組織に導入し、成果に集中する強い組織をつくる。それが、村瀬式・ドラッカーの管理職研修です。対象は経営者・経営幹部・上級管理職・マネージャー。社長の判断軸づくり、経営チームの育成、管理職のリーダーシップ向上を、コンサルティングと研修を組み合わせて実現します。

貴社の管理職研修・人材育成の課題に合わせたご相談も承っております。まずはお気軽にお問い合わせください。研修の詳細はこちらのページをご覧ください。

ブログ執筆者:ドラッカー専門の経営コンサルタント 村瀬弘介

中小企業向けに、難解なドラッカー理論を「そのまま実践できる仕組み」へと体系化した「村瀬式・ドラッカー 人を活かす経営7つの原則」を提唱。導入企業257社以上、受講者1,520名以上。全国の商工会議所・経営者団体などでのセミナー講師、上場企業・中堅企業での研修講師を年間200日以上務める。著書『ドラッカーが教えてくれる 人を活かす経営7つの原則』(産業能率大学出版部)は7刷を重ねるロングセラー。「情熱的でドラッカー愛に溢れる講義は、まるでドラッカーのイタコだ」と支持する経営者が後を絶たない。