ドラッカーは言います。
「会議は機会に集中せよ。」
「問題に目を奪われて、機会を見失うことがあってはならない。」
ドラッカーは徹底的な機会志向です。
なぜならば機会のみが、企業に成果・利益をもたらすからです。
受験や、ビジネススクールの弊害として現代の人の多くが問題解決志向になっているといわれます。
問題を発見し、解決することが重要な仕事だと思い込むのです。
しかし、問題は解決しても以前と同じ風景にもどるだけなのです。
問題よりも、まず先に機会を見よ。
会議では問題について話し合う前にまず機会について1ページ目に話さなくてならないとドラッカーは言うのです。
是非、機会志向、問題よりも機会に集中する組織を創ることで成果、利益を生み出してみてください。
動画【会議は機会に集中せよ。】【ドラッカー・経営セミナー】
この記事でまとめたこと
■現場のアクションプラン
【1】会議の議題の一番上に「機会」を置く
いつもの会議は、たいてい問題やトラブルの報告から始まります。その順番を変えて、最初に「今、うちにどんな機会があるか」を話し合う。一枚目に機会、そのあとで問題。この順番だけで、会議の空気が前向きに変わります。
【2】問題解決に「得られるもの」を問う習慣をつける
問題に取り組む前に、「これを解決して、以前より前へ進めるのか、それとも元に戻るだけか」を一度問う。元に戻るだけの問題は、手早く片づけて機会に時間を回す。労力の配分を、意識して見直します。
【3】強みが活きる機会に、人と時間を寄せる
自社のいちばんの強みが発揮できる分野は、最大の機会がある場所です。そこへ優秀な人材と時間を集中させる。機会に人を張り、問題は最小限で処理する。この配分こそが、成果を生む組織の姿です。
■成果につながる方法とそうでない方法
| 成果につながる方法 | 成果につながらない方法 |
|---|---|
| 会議でまず機会を話し合う | 問題やトラブルの報告から始める |
| 機会に優秀な人材を張る | 問題処理に優秀な人材を割く |
| 前へ進むための時間を増やす | 元に戻すための時間で終わる |
| 強みが活きる分野に集中する | 目についた問題を次々に潰す |
| 問題は最小限の労力で処理する | 問題解決そのものに満足する |
■経営者へのメッセージ
真面目な社長さんほど、問題を見つけると放っておけないものです。目についた不具合、社員の失敗、お客様からの苦情。ひとつずつ丁寧に片づけていく。その姿勢は、経営者としてとても誠実なものだと思います。
けれど、問題をどれだけ解決しても、会社は元の状態に戻るだけで、前へは進みません。会社を成長させるのは、問題を潰すことではなく、機会をつかむことです。ドラッカーが「まず機会を見よ」と繰り返したのは、そのためでした。
だからといって、問題を放っておけという話ではありません。問題は手早く片づけ、その分の力を機会へ回す。順番と力の配分を変えるだけでいいのです。まず機会、それから問題。この順番を、会議の一枚目から変えてみてください。
会社の空気は、経営者がどこを見ているかで決まります。あなたが機会に目を向ければ、社員も自然と前を向き始めます。その積み重ねが、会社の未来をつくっていきます。
■参考にしたい機会志向に関する名言
「問題ではなく機会に焦点を合わせなければならない。問題の解決は損失を防ぐだけである。成果は機会からしか生まれない。」
── ピーター・ドラッカー『経営者の条件』
「成果をあげるには、資源を問題にではなく機会に集中しなければならない。」
── ピーター・ドラッカー『経営者の条件』
「あらゆる機会を追求してこそ、企業は成長する。問題の解決からは、平凡さしか生まれない。」
── ピーター・ドラッカー『創造する経営者』
「昨日を捨てなければ、明日をつくることはできない。」
── ピーター・ドラッカー『明日を支配するもの』
■クライアントの実践事例
そこで私がお願いしたのは、たった一つ。会議の一番最初に、「今週見つけた、うちのチャンス」を各自が一つずつ話す時間を設けてください、ということでした。小さなことで構わない。新しい問い合わせでも、お客様の何気ない一言でも。
続けるうちに、会議の空気が変わってきました。問題の報告は後半に手早く済ませ、前半は機会の話で盛り上がる。社員が自分から「これをやってみたい」と言い出すようになったのです。
半年後、その会議で生まれたアイデアから、新しい商品が生まれました。社長さんは「会議の順番を変えただけで、社員の目の色が変わった」と、うれしそうに話してくれました。
■機会志向に関してよくある質問と実践へのアドバイス
Q. 目の前に問題が山積みで、機会のことを考える余裕がありません。
A. よく分かります。ですから、問題をすべて片づけてから機会を考えるのではなく、順番を逆にしてみてください。会議の最初に機会を話す。問題は後半で手早く。同じ時間でも、どこから始めるかで会社の向きは変わります。
Q. 機会に集中すると、問題を放置してしまわないか心配です。
A. 放置する必要はありません。大切なのは力の配分です。元に戻すだけの問題は最小限の労力で手早く処理し、浮いた力を機会へ回す。問題を軽んじるのではなく、かける力に濃淡をつける、と考えてみてください。
Q. うちのような小さな会社に、そんな大きな機会があるとは思えません。
A. 機会は、大きな新規事業だけではありません。既存のお客様のちょっとした困りごと、自社の強みが活きる小さな分野。足元にこそ機会は眠っています。まずは社員に「うちのチャンスは何か」と問いかけることから始めてみてください。
Q. 社員がどうしても問題解決の話ばかりしてしまいます。
A. それは学校や社会で「問題を解くこと」を訓練されてきたからで、自然なことです。だからこそ、リーダーが意識して「まず機会から話そう」と場をつくる。問いの立て方を変えるだけで、社員の視点は少しずつ機会へと向いていきます。
なぜ、今の管理職研修だけでは組織は変わらないのか
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ブログ執筆者:ドラッカー専門の経営コンサルタント 村瀬弘介
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